真相と因果そして横槍
取り憑かれた男が、少し思い出しながら
語ってくれたただその表情は、粘液に塗れながらも辛い心にグッとくる失恋した人間のようなそんな感じに思えた。
「あれは半年ほど前だったかすらもうわからないが、俺が洋上にいた時に聞いた声があった」
「声?」
「そう声さ、悔しい・復讐を・死をと言うような悲しい声だ」
「その声が、今の状況と何が関係ある?」
「いやそれはあくまでもきっかけだ」
「きっかけ?」「そうきっかけ」
「そんな声を聞いた数週間後、俺は航海を終えて陸に帰ってきた」
「そうか」と言いつつ少し情景が重なる思い出があり困惑しながらもそれを悟られないように、聞き取りを行う。
「そして、久しぶりに幼馴染のようでありそうでない彼女と会えると期待とワクワクしながらな」
「その彼女は、自分の知らぬ間に大きな問題となる行為を為していた」
と無意識にか思わず口から漏れてしまった、すると
男の目が怪しく光りつつこちらを睨み
「なんでわかった?」と霊符で縛り付けているのにも関わらず顔を近づけてくる。
「似たような経験を逆側で聞いたことがある」とそれらしい話を即座にでっち上げ答を返す。
「そうか、まあいいまあ言う通りだ、彼女は男を作っていたというかたらし込んでいた」
「寝取られたのではなくか?」と少し不思議になりながらも疑問をぶつける。
「最初は俺もそう考えた、だが彼女はその男に話を聞くとそうは思えない節もあった」
「そう思えない節?」
「ああ、その男は彼女と趣味があったようでな、映画を見に行ったらしいんだが」
(それは、男に問題がないか?)とついツッコミを心の中でいれる
「それで?」
「その男と映画を見に行き、飯も食って」
「そこからしっぽりと?」
「いや、そこはそれで終わりだただ彼女は、その男に男心をくすぐるようなことをしてたらしくてなそこから男が動き出した」
「それはもうあれだろ寝取りだろ」
「それもまた違う」「違う?」
「その男は、彼女がいたことなかったずっと」
「初恋か?」「少し違うが初めて彼女が自分の好意を受け入れてくれた存在だろうと思ってる」「彼女が無意識に誘ったってやつだな」
「だが、最終的にお前の元に帰ったんじゃないか?」というとぎょっとした顔で食いついてくるようにまたこちらを見る。
そして目を一瞬見開いたかと思うとまた元の表情で「そうだ」と答える
「予想するに、そうやって自分が1人の間に洋上で聞いた声に話しかけられたんだろう?」
「その通りだ」と男は肯定をする。
「大体は想像がついた、ただ気になるのはその魔女だどこにいる?別れでもしたか?」と言うと男は沈黙する。
「沈黙は肯定と受け取る、さて背景を離してもらったが体はどうだ?」
(注:話すということは離すということとスピリチュアルでは使われるので離すは使い方としては間違ってません)と聞くとそれと同時にボトボトと重たい液体が溢れるように男の体から落ちていく。
「体が軽くなった気がする」と男は答える
「悪いことを離したから、それを媒介に宿ってたものが外れたんだ」
「外れた?」「悪い霊ってのは見破れば干渉力が弱まるんだ」
「そうなのか?」と不思議声入りの声を出してこちらに聞いてくる。
「そう言うもんって覚えとけばいいさ、さてある程度処置は終わったし話を戻すがどうする?生きるかそれとも死ぬか?」と男に問いかけようとした瞬間後ろに人の気配が現れたのでローリングでよけ銃と三鈷を構えて臨戦体制で気配がした方を見ると。
日本刀を中段で構えて般若と翁が半分半分になった不思議な面をつけた男が立っていた。男は下段に刀を下げると
「死んでもらっちゃ困るなあ、この子についてるものは羅針盤さ」と男は言う、
(表情が読めないのが面倒だな)
と思いつつも「羅針盤?」と問いつつサイトの照準を頭に向ける
「そうだよ羅針盤だから、ただまだ部品だけどね」
「なぜ海難胞子が羅針盤になる?」「海難胞子じゃないよ」と言いながら仮面の男は、男の体についていた髑髏を力ずくで引き抜く
「ごは」というようなかすかな詰まったような声が聞こえた瞬間スプラッター映画ばりの血が飛び散ると同時に、男を縛っていた霊符が消え男はドサッと死体のように倒れた、すると仮面の男は楽しそうに一回転してから
「海に沈んだ失意を探すためさ」と仮面の男は血のついた髑髏を手の上で感触を確かめるようにウロウロさせる。
「失意?」「そう失意だよ、かつて希望として向かったのに失意の象徴となった物を引き上げるのに必要だから」
と言う男の言葉を頭の中で反芻させる、すると場所が一つ浮かんだので少し挑発的に口に出してみた。
「九州と静岡では関係なさそうな気がするが?」というと、男はタン!と空を切ったので、某長編海賊漫画に出てくるような月歩のように
空中を蹴り男の居合いを避けると同時に三鈷を前にだし
「戊己天水の木となる」と呟き三鈷を振ると同時にドーム状の結界が八雲の周りに展開されその結界から男の鏑矢のような、水を纏った物と蛇のようにくねくねした矢と緑の波動を纏った矢が放たれるが、瞬時に男は矢を両断
しその結界に黒い光を纏わせた日本刀を結界表面にぶつけると、耐え難い雑音(黒板を引っ掻く音と鉄を研磨するような音が合わさったような雑音)
が海辺に響く。キキキィーガリッ、ギィーーと言うような感じだろうか。
「くっ」と雑音に耐えながらもしかめ面で仮面の男を睨むと。
男は軽やかな口調で「聡いやつは消えてもらわなきゃいけないけど、今回はいいかな?w」と男は結界に力を思っ切りかけてぶつけてくるので。
二本指立てて後ろに左手を向け、「無限霧海黒曜天象」と唱えると戦ってる周りから白い霧が湧き出し触手を伸ばすかのように近づいてくる。
すると仮面の男は、サッと飛び退いた瞬間「じゃあねえ?」と日本刀を地面に振ると、ヌメっとした黒い液だまりがゴポポというような音を立て起き出してくると同時に男はその液だまりに沈んで行った。
お久しぶりです、物語の結末構成がようやくまとまったので改めて再開していきたいと思います。
結末の展開が決まっただけで、他は行き当たりばったりは変わりませんが、
今後は1ヶ月に1話、乗った時は多めにと言うペースで
新しい作品に横槍を入れつつ、全作品を動かしていきたいと思いますよろしくお願いしますm(_ _)m
とりあえず、あと2話くらいで静岡編は終わりです。
陰陽現代記 (始まりと破滅の錫杖) 熊暁 翔帥 @kyureisi1214
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