追憶と休息

 インターホンがなったので、入り口に行き覗き穴で覗くとボーイがいたので

「はい何かご用件でしょうか?」

「八雲様、ご注文のお食事とお酒をお持ちいたしました」

 と返答してきたので、ドアを開けるとカートと共にボーイが入ってきた。

 ボーイはホルスターを見て一瞬ギョッとした顔をしたので、

「ああこれ?、私の仕事上に必要なものなので気にしないで」と言いながら、手帳を見せる、

「失礼しました」と頭を下げてから、カートから色々机に置き準備を始めた、

「何をもってきてくれたんですか?」

「今回ご用意致しましたのは、焼きおにぎり・関西風だし巻き卵・味噌汁、チキン・アボカド・ブロッコリーの和風サラダ・緑茶とお酒の当て用のリンゴ酢でつけたスティック上のピクルスです。」

「お酒は?」

「お酒は磯自慢中取り純米大吟醸35をボトルでご用意しております、炭酸水や氷等もお持ち致しましたのでお好きな飲み方で御飲みくださいませ」

「おおいいやつですね、ありがとうございます」

「食べた後はどうしたらいいですか?」

「内線でお呼びいただきましたら、ご回収にお伺いさせていただきます」

「ありがとうございます」

「それではごゆっくりお召し上がりくださいませ」

 というとボーイは部屋から出て行った。

「さて食べるか」

 と独り言を言いながら、トックリに磯自慢を注ぎその上でトックリからおちょこに入れて一口のむ

 すると口の中で、芳醇な米の旨味と突き抜ける勢いがある中でも優しい米の旨味が広がっていき、舌全体に満足感が広がっていく。

「うまい」

 と言いつつ料理にも手を伸ばしていく。

 40分後、お酒を飲みながら食べ終えるとカートに戻し、お酒・炭酸水・氷とピクルスを窓辺の机に持って行き、内線をかける。

「日本平ツインの八雲です、ルームサービスで頼んだ食事の回収をお願いいたします」

「承知いたしました、15分後に回収に伺わせていただきます」

「お願いします」

 と内線を切り、窓辺に向かう。

 外を見つめながら、

 ぬらりひょんと木蓮さんに言われたことを考えながら、磯自慢に炭酸水を入れて割って飲みながら、荷物からアイパッドを取り出して窓辺の机に置き

 その後荷物から、筆・筆ペン・硯・墨・墨汁冷蔵庫等があるテーブルに配置してい行ったり準備をしていると

 インターホンがなり、ボーイがカートを回収しにやってきた。

「ご要望のお水とラップはテーブルに置かせていただきます」と言いつつ

 カートを回収しつつボーイはテーブルに、ミネラルウォーター5本とラップを置き

 こちらを向いた後、

「それでは八雲様失礼いたします、ごゆっくりおくつろぎくださいませ」

「ありがとう」

 と返すと、頭を下げボーイはカートと共に部屋を出て行った。

 ボーイが部屋の近くから遠ざかるのを確認したあと、印を組み

 部屋の真ん中で

「新帝降魔、虚空破邪」

「天性神亀、封除結地(フウジョケツジ)」

「天満雷城、雷電片利」

「風塵風雅、結界徐賢」

「金土継承、霊峰天満」

「虚空黄河、鳳凰天理」

 唱えたのち、部屋の隅に順番に行き

「四方布陣、結実成就」と唱える

 すると部屋の空気が、早朝の山の上のようにヒンヤリと澄み切る。

「さてこれで、霊符や御幣などの準備するための空間ができたし、あとはしばらくお酒とあてを飲みながらくつろぐかな」

 と独り言を言いつつ、窓辺のソファーに行き座り、日本酒をトックリに注いだあと景色を見ながら、今日の出来事を振り返りつつ飲みながらボーとしていると

 不意に、陰陽師が再び日本に必要になった事件のことを考えていた


20××年5月31日 4:00 鳥取県 大山 (火星が地球に接近する日)

 大きな木の舞台に、66人の人が猿轡を噛まされ縛られた状態で寝かされている、そしてそれを見渡すように祭壇が建てられている、その祭壇に全身黒の神主衣装のような衣装を来た男が祈りこんでいる。

「男優連用荒城専攻煌々剥離、星星降臨天平増魔」

「獄界転機、変容国魔、刻々両量、法獄酷吏、獄界権限」

「魔国狂言、金剛雰伊、霊原点路、伏目転機、獄界凝結」

「魔界獄界に眠る火神、鬼神、疫病神、九尾、大蛇の皆々様」

「何卒、我の願いを聞き届けこの世の全ての境を有耶無耶にし我が全てを収め」

「全てを飲み込み、全てを思うがままになさしめたまえ」

44人の黒い作務衣をきた黒子が

「なさしめたまえ」と唱和する

すると男は、「よし生贄の左足を刺せ」と周りの黒子に指示する

すると、黒子たちは順番に66人の縛り付けられた人間の左足を刺していく

すると66人分血が流れ始める

祭壇の男「よし」

「コウコウテンキライメイセンリジュホウケンゲンジュホウテイチャク」

と言いながら空に左手を掲げて、左手にナイフを突き刺すすると

血が滴り落ち男の顔が血で汚れる、するとおもむろに祭壇に向き直り

黒子に「左目、左鼻、左肩、左腕、左手、口、左耳を刺していけ」

と再び指示し、男は祭壇に向き直りひたすら呪を続ける。

その間に黒子は、男の指示の元順番に66人の生贄を刺していく

すると、祭壇の周囲が霧に包まれ始め、そらも黒雲が出始める

その様子を見て男が、「よしあとは順番に脳と心臓を刺して殺せ、その後お主達も命を捧げ己が天命を果たすがよかろう」

すると黒子達が「相国様万歳、相国様万歳、混沌万歳」と万歳三唱し

順番に66人の生贄を殺したあと、黒子達は祭壇と舞台を囲むように死んでいく

次の瞬間、舞台に雷が落ちる

ガラガラガッシャーン!!と爆音が響き渡ると、血の雨が降り始める

身を守るようにまるまっていた相国と呼ばれていた男が立ち上がる、すると

舞台のど真ん中に黒い170cmくらいの大きさの御幣が直立していた

「顕現した顕現したこれでもうこの世は思うがまま」

とニヤニヤ笑いながら相国は御幣を触ると、御幣の上に黒い蛾のような鳥のような生物が止まると、相国は笑いながら息を引き取った。

次の瞬間、相国と御幣だけが黒い消し炭のように風に吹かれて消えていった。

その後翌朝、山の休憩所を開くために登山中だった休憩所関係者がその惨状を発見し、警察に通報、山での大量の死体に警察は多数の警官を派遣

それを嗅ぎつけたマスコミが大々的に報道した、その日より不思議な噂や霊を見ただの、霊的な存在が各地で見られるようになる。

当時、警察に呼ばれ現場に立ち会った後の12神将筆頭半田久光は、

「霊的なものが、人間に影響を及ぼし始める、大禍時の再来だ」と述べた

といい、それによりその事件はマスコミが大禍時という言葉を切り取って使ったことにより、大禍時と呼ばれる宗教的な大量殺人事件として世の中に認知されるようになる。


後書き

ここから先は、基本2日に1話ペースでじっくりと更新していく予定で

多くても10話以内で、静岡での任務を終える予定です。

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今後ともよろしくお願いいたします。











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