警告と助言 後編
ラテを飲みながら、考え事をしていると
ふと新幹線でみた夢を考えていた、大学時代の夢だが今回の静岡での一件と夢が一応静岡という点で結びつくからである、しかもよくもあるくも闇を産みかねない出来事も内包しているのでついついそう考えてしまう。
そう考える理由は、割と私自身が正夢や未来で行く場所の夢を見たりすることがあるからで、それなりに的中させているためである。
「顔を隠した方がいい、出なければ闇が生まれるのを手助けすることになるか」
と独白する
難しい話だ、それは相手は人の形をしていればいいが人の形でないなら視野を制限するものは使えば命取りになる場合がある、ものによっては実弾も使うのでそう考える、
ただ陰陽省の霊災害対策基本法制では(霊災害を鎮圧する上で、災害の根幹となる術者がいる場合その生死は問わない)と定められているので早い話おかしな物を身に宿すなら殺してしまい完全に消し去ることが1番早い、ただ逆にそれが仇になるものも存在する、宇宙人を相手にする某ブラックの1で出てきたゴキブリが人の皮をかぶるというようなタイプの場合である、手を挙げろといい手を挙げさせた結果ゴキブリ宇宙人は被っていた皮を脱ぎ暴れ出しベテランエージェントを食べてしまったように、いざその宿り主を殺しました、途端飛んだ怪物が出てくるというの場合もある。
そう悩んでいると山口が戻ってきた。
「先輩仮面は難しいですが、本部によれば特殊眼鏡を用意できるとのことです」
「特殊なメガネ?」
「はい、こちらには見えて相手には見えないというようなマジックミラーの原理を使ったサングラスです」
「そうか意外と使い勝手が良さそうだな」
「ただ‥」
「ただ?」
「これも一応どうぞ」
とおもむろに半仮面を山口は差し出してきた。
「これは?」
「おそらく先輩が出会ったぬらりひょんだと思いますが、彼がこれを渡して欲しいと」
「あいつが?」
といいつつ仮面を見ると、それは至ってシンプルな八咫烏を模したような黒の仮面だ、ただ裏面に不思議なマークがついていた、梵字で認識阻害と書かれていた。
「梵字で認識阻害とある、おそらくこれは認識阻害系の術をかければ認識阻害がかかる代物として使えるように調整された霊具だ」
「なぜそんなものを?」
「見られてはならないという警告を軽んじて欲しくないからとのことです」
「そうか、ならこれを優先して使うことにしよう」
と仮面をつけると「先輩?」と困惑した声で山口は、問いかけてきた
「どうした?」
「先輩?なんですよね?」
「ああ」
「何か急に人がいるってわかるのに、誰かわからなくなりました」
「そうか、ということはこいつはすでに機能してるんだな」
「おそらくそうだと思います」
と認識阻害がつけるだけで機能したことに驚きながら仮面をリュックにしまう。
ふと時計を見ると、14;49になろうとしていた
「おい時間だ行くぞ」
「ええ!?」
「もう時間だ」というと山口は
「ほんとだ、あの妖怪のせいで先輩との時間が台無し‥」
となかなか可愛いことを言うので、難聴系を偽るかのように
「なんだ?早くしろ行くぞ」と片手にラテをもち片手に山口の手を持つと、
「ええ、また手を‥」といいつつも私の手を握る山口を引っ張りながら
スタバを後にする。
14;57分新大阪駅ホーム
「6番線に到着の電車は、ひかり637号東京行きです‥」
とお馴染みのアナウンスが流れていたので、徐に足を進めて、
前の車両のグリーン車に乗り込み、席に座る7Eと7Dだ。
座るとグリーン車の客室乗務員の女性がくる。
えらく色っぽい、youtubeを始めた有名セクシー女優のようでそうでないそんな雰囲気を漂わせた乗務員が、
「ご乗車ありがとうございます、何かありましたらお声掛けください」
「ありがとう、よければお姉さんとお茶したいですねw」
と冗談混じりに言うと、
「お上手ですね、彼女さんが怒っておられますよ?」
と乗務員さんが言うので横の山口を見ると、膨らんだ餅のような顔でこちらを見て、
「ありがとうございます、先輩のお世話は私の仕事なので大丈夫です!」と膨らんだ餅のようにプンスカさせながら答えた。
「だっそうです、ただアイスの確保だけお願いしますバニラで」
「承知いたしました、係員に伝えます」といいつつ
去りぎわに、「今度はお一人の時にお声がけいただければ幸いです」とぼそっと小声でいいつつ奥に乗務員さんは歩いて行った。
「先輩!!なんでナンパしたんですか!!私がいるのに」
と怒った顔で話しかけてきたので、
「ありゃナンパじゃない、乗務員さんにぶら下がるように抱きついて胸を揉みしだく中年生霊が見えなかったか?」
「ええ!?見えませんでした」
「あの女性、副業で夜の方もやっているようだおそらく客の男か何かしら執念深い変なやつに目をつけられてるんだろ」
「やだ、気持ち悪い‥」
「あの手のやつは性別で見えないこともあるからな苦笑」
「それで、そんなことを」
「ああ、簡単にお祓いして取り憑くとろくなことがないぞと警告しておいた」
「無言除霊ですか?」
「そうだ」
●無言除霊とは、言葉を出さず印も組まずにただその霊を認識し念波で語りかけ追い払う除霊術で、基本的にシンプルな低級なものにしか使えない術の一つである。
京都を過ぎたあたりで、社内販売が販売を開始し始めたので、予約したアイスを楽しみに待っていると席の販売員が近くまでやってくるとおもむろに
「お客様、乗務員に申し出いただきましたバニラアイスです」
とおもむろに新幹線名物をテーブルに置いてくれたのでお金を払い
「ありがとう」と返すと
「お買い上げありがとうございます」いい席の後ろの方へ歩いて行った。
16:10分 東京行きひかり637号グリーン車
アイスの様子を見ながらアイパッドを使いながら、地図を見ていた
単純にどの場所でやるのがスムーズか、相手を探すのに楽か考えながら事前のイメージと準備を膨らませていたすると。
「先輩、一応書き終わりました」と6枚の短冊状の紙と筆ペンを山口は差し出してきた。
「助かった」
「なんで私に書かせるんです?先輩がやった方が効果が高いと思いますけど」
「そうでもない、今回のターゲットは男性でおそらく中身も女を喰らうのが式なはずだ、そうすると女に形を書かせその上で、術をかけた方がかかりやすい」
「そんなもんですか?」
「そんなもんだ」と返しつつ文様が書かれた紙と筆ペンをしまう。
(本来は、術者が描く方が効果は高いのは間違いないが今回の場合はおそらくターゲットは男それなら最初の呼び寄せに使うものは、淫魔の気を宿す山口にかたちだけでも書かせた方が効果は上がると思ったのであえて山口に書かせて見たに過ぎない)
16:30過ぎ
アイスを見ると、溶けが鈍かったので、アイスを口に近づけ
「天室添加、硬質溶解」と唱えるするとアイスのカップについていた霜がなくなり、少しだけ柔らかくなった。
アイスの蓋を開けビニールも開けてスプーンをアイスに押し付けると程よい感じにすくえるようになっていたので、アイスを食べ始めた。
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