序章第2話「事件前」その2
石田の横に、明らかこの余計のものではない、人型の人形サイズの何かが肩の左右を動き回っているが、気に取られないように、
「バランスええのが一番やんけw、お前こそアメリカ人的な食事し過ぎちゃうか?」「俺は普通や、お前みたいにストイックにはできん」「何かきっかけあると人間ってできるようになるもんやでw」「かもな」
とたわいも無い会話をしつつ昼食を食べ始める、
口々に友人たちがしゃべりながらもゲラゲラと笑いながら昼食の時がすぎ、全員が食べ終わりまったりしていると、
石田の肩をうろうろする人形の奴が突然震え出した、
「七人いたのに、二人欠けーた、七人いたのに、二人欠けーた」「欠けた二人をさがーせ」「欠けた二人をさがーせ」とヘンテコな歌?詩?を歌いはじめる。「二人を探して迎えーよ、二人を探して迎えーよ」「誰もかけてはならぬのよ」「欠けた二人をさがーして」「七人みさきがやってくる」「七人みさきがやってくる」「怒りと恨みを抱いて探しにやってくる」「誰もかけてはならぬものぞ」「生者は死者で」「生者は死者で」「二人を迎えるその時まで」「とーめることもなし」
と呟くと人形はシュボっと燃えたかのように消えさった、
(今の歌か詩歌わからんもんなんや??七人みさき?が来るって言うてたな)(人の言葉なら冗談で済むけどこの世のものじゃ無いもんからの警告?やしまずいかもな)(七人みさきかなんやったか忘れたから調べなあかんけど、準備もいるなでも、あるもので作れるのって)と考えているとポケットに入れているお守りが熱くなっていくかのように温かみを感じる、
(お守りが反応してる?つまりガチってことか)と思考に耽っていると「八雲くん3限目行こ」と全身緑を着込むプロの今井くんがかけてきた声で我に帰ると
「了解今ちゃん行こか!」と少々空返事気味に返事して、友人たち全員で学食を立つ、
ぞろぞろとたち授業教室に行くときに、一瞬だけ視線を感じて戸惑ったが無視してぞろぞろと歩き出した‘友人達の後を追う、校舎に向かって歩いているとかなり不自然な感じの雲が徐々に近づくような形でこちらに近づいているのを確認してみんなに「通り雨来そうやな」と指差すと、
最年少の兄さんとあだ名をつけられた飯島さんが「嘘やんおれ傘今日ないわ」という出したのを皮切りに石田が「確かにヤバそうな天気やな」「4限まであるからやられるかも」とため息まじりにいうと今井と話し込んでいた、白木が「なんとかなるんちゃう?」と呑気にいうと「とりあえずはバスに乗れたらなんとかなりそうやな」と言い出したので、「そやな早めに帰れたらなんとかなりそうやな」と返事すると、他のみんなも「そやね」「そんな感じやな」と返事を返してきたので、話は済んだかのごとく、3限目の教室に入る、少し事件の匂いに不安にかられながらも、
3限目「えーだから言葉の発音の中には‥」と日本語の奥深い話についての講義を聞きながら、
レシートやいらない紙をだし、人目を気遣いながら、五芒星と九字を描いて行き
封印・隠行・防壁・縁切りと梵字を用いて筆ペンで書いていく、そして出来たそばから織り込んでポケットごとに分けて入れる、を繰り返していくと講義終盤ごろから、外が暗くなりはじめる
「今日は雨雲がすごいようですね」と呑気に教授は語るが、小雨の音と共に時折錫杖のような鐘のようなシャン、シャンという音が聞こえ始める、石田が「なんか聞こえね?」と言いだしたので、周りの友人たちも、錫杖の音が聞こえるのか「確かになんか鳴ってるな」と反応し始める、
そんな中で少しずつ少しずつ外の様子が変わり始める、「トイレ行ってくる」「ボチボチ出席やからはよ帰ってこいよ」「了解アツシ」と少し急足で講義室を出て、廊下の両端に行き、隠行と防壁の即席符をだして「オンマリシエイソワカ」「隱行一切成就」と唱えると、即席符は消える
そして一様の隠れ場所を作り、再び講義室に戻る。戻ると状況が少し変わって、窓の外からちらほらと喧嘩のような喧騒が聞こえ始めていた。戻るとちょうど出席表が配ろうとしていた直前だった。「ナイス」と白木がいうので、「サンキュー」と返し、出席表を書きあげると、タイミング良く教授が、「本日はここまで」と号令をかけると、講義に出ていた人間は順番に出ていく。
しばらくすると、帰る用意をしていると、窓の外から大雨が降る音が聞こえ始める。
「八雲の予感的中かいな」と石田が言うので、「お天気お兄さん呼びたまえ」と少しふざけると
「やかましいわ」とすかさずつっこみが入ると同時に、バリン!とガラスが割れたかと思うと、今井が背負おうとして持ったリュックを貫いて、壁に何か棒のようなものがささる。
壁に刺さる棒を少し見た後そのまま、腕を上げて固まったままの今ちゃんに「今ちゃんおい!正気に戻れ!」と怒鳴ると少し混乱したまま「うん」と返事した、「そのままとりあえず座れ」といい今井を座らせ、今井に近づき「ケガは?」と聞くと、「大丈夫」と答えたので、「異様な気配を放つ棒を見る、すると山伏や行者が持つような錫杖が刺さっている。「錫杖‥」と言葉が漏れると、白木が「何それ?」と言うので、簡単に説明しようと思った矢先に錫杖に触れようとしたバカがいたので、「触るな!危険や」と怒鳴ると錫杖に群がる野次馬は離れる。
すると残る連中はイナゴを散らすようにして消えた、消えたのを確認してから窓の外を見ると、
遠くの方で行者の姿をした何かが、生徒を追いかけ回している。「おいあれ!」と石田が指を指すと同時に、講義室の入り口が開くすると入ってきたのは、この世のものとは思えない人の姿をしたものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます