陰陽現代記 (始まりと破滅の錫杖)

熊暁 翔帥

序章 第1話『事件前』その1


俺は大学生の十文字八雲という、俺には悩みがある

それは目に見えないものが見えるという難儀なものだ、もちろん常には見えないが条件が重なると見えるのである、たとえば友人たちと会話していて

誰々のお尻や胸凄いとかエロいという話をしていたら、雲みたいなものがその対象の女性に飛んでいくのである、もちろんそれくらいならまだいいが、この間なんか怒り心頭の友人が私が知らないその友人の知人?に対して怒りを発すると鬼の顔をした友人の分身がアイアンマンばりの速さでどこかに飛んでいくのであるそれを生でみてる側はたまらないが、それもそれくらいならまだいい。それに意識を向けなければいいからだ。それで大抵は見えないし何も聞こえない。

人の思いつまり生き霊以上に強烈なのは、基本的にはないからだ。俺も軽いものはほとんど見えないが、友人たちのチャンネルが無意識にリンクしているとたちが悪い、本人が強烈な受信機として軽いものすら見えるようにしてしまうからだ、そうなれば対処が必要になってくる。

ある日、その強烈な怒りを発していた友人(名前は食堂での会話の際まとめて紹介)が大学に来た。

最初は、誰かと一諸に来たかと思ったら違ったその友人は後ろに謎めいた行列がついてきたのである。四、五人くらいの黒い人だかりと綺麗なオーラを輝かす人が悩みながら遠巻きに友人をみているのである。

「おうおはようさん、どないしてん?」『おう、どないしてんってどういうことや?w』友人は作り笑いをしながら聞いてきた。「なんか凄い沈んだ空気してるから何やおもて」

『気のせいや、お前がなんか敏感なだけやw』というので、俺は少し占い師ぽい感じで「なら当てたろか?お前心霊スポットで肝試ししてるときに誰かと喧嘩したやろ?」というと『えっ?』と驚きつつ引き笑いで『誰から聞いてんそれ?』と聞いてきたので、「何となくそう思ったからw」と半笑いで友人に返すと、教授が部屋にきたので話はラインに切り替わる『そやでイライラかなんか分からんけど今日寝不足でなんか体調悪いねん』と返してきたので。

「それ絶対喧嘩した場所でなんかつけてきた口やろw」と返す『そんなわけないやろお前何やインチキ霊能者か?w』ときたので「な訳あるか、でも試しでいいからなんかつけてきてもうたのが原因って認識してみ」『は?、分かった』と返信の後友人は急に「トイレ」と言い残し講義教室を出ていった。

10分後、友人が戻ってくると友人の背後の人だかりが鬼みたいな顔の人と綺麗なオーラの人だけになって帰ってきた。「お帰り」と友人に声をかけると友人は『おう』と返事しまた講義ノートを取り始める。講義終盤にまたLINEが二通流れてくる、一つは大学の俺を含む友人同士のグループラインで『早く終わった組で食堂の席確保よろしく』いう良くあるラインと講義を共に受ける友人がラインで『さっきお前がいうてた話あんまバカにできんかも』と送ってきた「なんで?」『トイレでばばこいてる最中に肝試し行った場所のこと調べて、何が出るかとか調べてこいつちゃうか?って思ったら腹痛直った』「嘘やろ!?、まあでも良かったな」とそりゃそうだと思いながら返すと『おうなんかありがとう』ときたので、「いいえ」と返すと、

教卓から教授が『よしきりいいし今日はここまで』と講義終了の宣言をしたので、友人の方をみて無言で用意し友人と共に食堂に向かう。

食堂に向かう最中友人は『お前って不思議よな』と返してきたので、「は?」と返すと『なんか時々得体のシレン不思議なこというから』「そうか?」『そうやんけ、今のもそうやし』「まあふしぎちゃんキャラやかなw」と返すと『ようわからんw』と適当な会話をしながら食堂に向かう、食堂の入り口付近までくると空に積乱雲が3つくらい見える、「近々雨降るかもな」と空を指差しながら友人に話しかけると、空を見た友人が『積乱雲3つあるやん!?うあ』『ほんまや雨降りそう』とか考えつつ、食堂で適当に席を確保し他の友人を待っていると続々と8人くらいのメンツが入ってきて『おつ』『お疲れ』『交代さきに行ってきてええよ』と口々に友人が座っていくのを確認しながら「了解、行ってくるわ」と講義を受けた友人と共にたつ、俺はいつものようにご飯・味噌汁・メインの魚や肉・小鉢を選び席に戻ると、後から来た石田が『でた健康定食w』と言いながら一番最後に食堂に来る石田は他のみんなが来るのを待っていた。ただ、横に変な人型のようなものを連れて。

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