6.5-4:新たな契約
GM : というわけで、簡単に状況だけお伝えします。
「リコリス」が発券された当時。
ナンディナ達が駆けつけたときには既に、彼女は息を引き取っていた。
外傷もなく、ただ眠るように死んでいたのだ。
GM : 他殺か、病死か、事故か、と様々な憶測が行きかったのですが……当惑したのは騎士団の上層部、レイダーとナンディナです。
病死や事故と確定したならまだよかった。
他殺だとしても、だれが犯人かわかればよかった。
一番最初に疑いがかかったのは、同じく近くで確保されていたカルミアと、騎士団の見張りの青年であった。
しかしどちらも、「やった」という証拠も、「やっていない」という証拠もあがらず……。
ソレル : やっぱりNPCの手に託してはいけないってことだね!
NPCの手に託したNPCは死にがち。古事記にもそう書いてある。
アル : やっぱりPCであるぼくの手に託した方が……(一同笑)
ソレル : 裏切り者は黙ってて!
ナンディナ : 「……責任者であるレイダー様は、苦しい立場になられました」
今回の騎士団派遣の依頼人はイグナチオ氏である。その令嬢に疑いをかけることは難しい。
かといって、ならば騎士団の青年が犯人だとしたら、それは騎士団側の失態となる。
結局、真相は分からず仕舞いであった。
ナンディナ : 「……それが、直接の原因だったのかは、わかりませんが……レイダー様は、騎士団長の位を辞されて、ミラージから離れました。それ以来、ディナは……」
絞り出すように呟いたナンディナは一瞬、凄まじい目つきでカルミアを睨みつける。
カルミア : 「……っ」
ナンディナ : 「…………ずっと、あのとき自分に何ができたのかを、考えております」
リズ : そりゃ恨みますよね。
ソレル : 1話の仲良しカードでカルミアを指すのも頷けるよ。
アル : 元の正史はどうなってるんでしょう、これ……。
少しの間を置いてナンディナは、意を決したように口を開く。
ナンディナ : 「みなさま。この期に及んで、不躾なお願いをさせていただきたい。先ほど聞いたその魔剣……ナンディナにも契約させていただけないだろうか」
ソレル : 「……オススメしないよ? 一歩間違うと死亡する魔剣なんてさ」
ナンディナ : 「死などもとより恐れていない! リズなら……いえ、リズ殿であればお分かりでしょう!?」
リズ : 「はい。ソレル、それは、違うのです。……そういう、問題ではないのです」首を振る。
アル : こういう義務感強い系の人、運命共同体の船には入れたくないですよね……暴走しそう。
ソレル : その船に乗ってない人がなんか言ってるね(一同笑)。
アル : 今回で乗る予定ですから!
リズ : 「ですから、別のお話をしましょう。この魔剣、無尽蔵に契約できるわけではないのです。私、ソレル、それからシエル。残りあと、3人というところでしょうか」
ナンディナ : 「……!」
GM : それを聞くと、さすがにたじろぎます。
ナンディナ : 「……それでも。ディナはレイダー様の汚名を雪ぎたい。それに……」
ナンディナ : 「…………忘れたくない。あなたたちの話を聞く限り、忘れて、しまうのでしょう? なかったことにされてしまうのでしょう?」
下を向いて、消え入りそうな声で囁いた。
ナンディナ : 「それは、耐えられない――」
GM : あなたのことはわすれたくない、と。そう呟きます。
SGM : 忘れたくねぇよなディナ。分かるぜ、公式と解釈一致した。
ソレル : わかる。
シエル : めっちゃ大事。あぁリコリスぅ(発作)。
リズ : つい、と最後の言葉は聞こえなかったふりをします。
アル : 「……」
リズ : 「どう思われますか、みなさん」
ソレル : 「いいんじゃない、本人がやりたいならさ。乗りかかった船って感じで」
リズ : 「では、私は反対する理由がありませんね」
GM : 皆さん反対はされませんね? では、ナンディナは一瞬ぽかんと呆然して。
ナンディナ : 「ありがとう、ございます」
GM : くしゃっと笑いました。魔剣に手を伸ばせば、あっけなく契約は完了します。
リズ : かわいい。
GM : ……さて、ほかにやりたいことはありますか?
アル : 「…………ぼくも、いいですか?」意を決したように。
ソレル : 「オススメしない、って言ったよね? アルはルーンフォークじゃないし、普通に穢れて普通に死んじゃうよ?」
アル : 「それでも……ぼくのせいでリズさんは契約者になりました。ぼくも、一緒に責任を負うべきなんです」
リズ : 「! ご主人様。そんなことなさらなくとも、と言いますが。どれだけ願ったとしても、聞いてはくださらないのでしょうね」
アル : 「ごめんなさい……でもぼくだけがいつまでも逃げ続ける訳にはいかないんです。もう」
ソレル : 「……(みんなのせいで、私は契約者になったんだけどな)」
GM : そうね……。
アル : ごめんなさい……。
リズ : ごめんなさい……。
ソレル : 口には出さないよ。
シエル : 謝ることすらできない死人。
ソレル : 「まあ、だったらいいんじゃない?」
アル : 「それに『助言者』のこともあります。このことを覚えてるのは、ぼくだけですから」
リズ : 「そうですね、もしその助言者とやらがまたやってきたとき、対策の取りようがあるかもしれません」
アル : 「だからぼくにも契約をさせてください……いいですか?」
リズ : (頷いて下がる)。
ソレル : (どうぞの手振り)。
アル : それじゃあ、同じく魔剣をとって契約します。
シエル : ところで、この皆が契約する熱いシーンでも一人契約させてもらえないカルミアさんのことも忘れないであげてください。
GM : いや、ナンディナが出てきた時点で完全に固まってると思っててください。
ソレル : この魔剣6人用なんだ!
カルミア : まだ一個空いてるじゃないですか~。
シエル : その一個は予約がはいってるんでね。リコリスに許可取ってないけど。
GM : ほんとにその枠、リコリス用ですかね? どうですかソレルさん。
ソレル : ハンサだけは絶対契約させない。私が死んでもハンサは死なせない。誰かのエゴでハンサを殺させたりしない!
SGM : 力強い宣言だ。
ソレル : 「あのさ、もしよかったらなんだけど。ポシビリタス、やっぱり私がもっときたくて」
アル : 「は、はい……そうですよね……ごめんなさい……」前回が前回ですからね。
リズ : 「はい、どうぞおねがいします」
ソレル : 「ん、ありがと」ライトメイスに入れときます。
GM : では、アルさんの契約が終わり……行きますか?
ソレル : 行きましょう!
リズ : はい。
アル : はい!
「もう一度」
その言葉を囁いた瞬間、視界からいろが消える。
モノクロになった視界の中で、記憶の中の彼岸花だけが血のように赤い。色がないのに、赤い。
そして体が、動かない。
静寂の中、時計の針の音だけが聞こえてくる。
かちん、かちん。
無機質な音。脳髄に響くような、魂の髄を打ち付けられるような音。
そんな音だけが聞こえる、永遠にも思うような一瞬が続いたあと――。
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――ループ処理――
GM : さて、ではみなさん。このループのはざまでお待ちかね。大事な処理がいくつかあります。
【リザルト処理】
①生死
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×リコリス ショック死
×サリュ 撲殺
×オーウェン 服毒死
×ライティア 圧殺
〇カルミア 生存
・シラン 生死不明
〇レイダー 生存
〇ナンディナ 生存
×セルフィ 失血死
--PC勢--
×シエル 銃殺
〇他全員生存
②契約
・契約者:ソレル、シエル、リズ、アル、ナンディナ →5名記憶継承 残り1枠
③タイムリミット
・宙の魔法陣:詠唱継続
【変数処理】
GM : どなたか、代表者1名が1d6を振ってください。
リズ : では私が……(ころころ)……4です。
GM : 分かりました。……××です。
シエル : なるほどねぇぇぇぇぇ。
ソレル : そっかー。
GM : ……もう言ってしまってもいいと思うんですけど。まぁ今はいいか。
【秘匿処理】
GM : 今から秘匿チャットでGMに声を掛けられる人がいます。内緒の話をしましょう。 貴方が選ばれたことは、誰にも気づかれないでくださいね? お静かに。
そうして、全員がボイスチャットをミュートにしながら静かに処理が進んでいく。
ちなみに、その間は暇なのでみんなで夕飯の話とかしてました。平和ですね。
GM : ……処理終わり! お待たせしました! 程なくして、貴方たちは微かにとどろく音を耳にします――。
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