6-5:街での日々、四週目(その1)

GM : では、4週間目です。あなたがたには、これから「葬送戦」まで一週間の猶予があります。

 一週間後の日曜(※ループにおける30日目)になるまで、このループでやり直したことがあれば自由に行動してください。可能なものであれば、GMから判定などを提示します。

リズ : ソレルさんと二人きりで会話をしたいです。

シエル : ソレルと会話がしたい。

ソレル : はい。はい。

GM : ソレルさん人気じゃん。

シエル : あとレイダーさんとイグナチオの当主と話したいかな。

アル : ぼくは特段やることないですし、カルミアちゃんの看病でもしてますね。

ソレル : 時間があれば、鬼子の庵までハンサを飛ばすんだけど……。

リズ : 時間が許すなら、記憶が無い同士でどう思ってるのかご主人様としゃべりたいです。看病のお手伝いしてて、寝てる横とかでお話ししましょうー。

GM : とりあえず、パッと見た感じ皆さんできそうですね。買い物だけ終わったら、順番にやっていきましょうか。


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■ソレル&シエル

 馬小屋で騎獣甲冑を調整したり、ハンサの世話をしているソレル。そこに、シエルが声をかけてくる。記憶を保持している彼らにとっては、この周回は『二回目』だ。


シエル : 「ソレル、ハンサのお世話?」

ソレル : 「あ、うん。一緒に戦うわけだし、しっかり準備はしないとね」ハンマーの位置を弄っている。

シエル : 「ハンサは戦闘でも探索でもいつも大活躍だからね。頼りにしてるよ」

ソレル : 「……ありがと」旦那が褒められて嬉しい気持ちと、褒めたのがシエルな気持ちがないまぜになっています()

シエル : ごめんね……「……それでね、魔剣の契約者同士で、あらかじめ話をしておきたいんだ」


ソレル : 「つまり?」

シエル : 「カルミアの発言と今の状況をどう思ってるのかの共有と、それを踏まえて弔い合戦に参加するかどうかについて。……僕は勝手な行動が多いから、あらかじめでも意見を交わしておいた方がいいのかなって」

ソレル : 「なるほどね。そうだなぁ……私たちが島の南東側に流されちゃった時点で、前回と同じことが毎回起こるとは思えない。庵がどうなってるか、カルミアの言ったことの審議もね」

「だから、私はこの目で何が起こったのか見に行くつもり。もしみんなが、本当におかしくなっちゃったのだとしたら―――」


シエル : 「……だとしたら?」

ソレル : 「それは倒して、また今度救ってあげなきゃ。『過ぎ去りしを諦めることなかれ』、だから」

シエル : 「……そっか。つまり弔い戦に参加するつもりだってことなんだね……僕はもう少し探ってみるよ、何が本当なのか。時間は一週間残ってるわけだし」

ソレル : 「そう。それでいいんじゃないかな。私はシエルみたいに賢くないから、そっちは任せるね」


シエル : 「……いいの? 一週間後に僕だけ追悼戦に参加しない可能性だってあるんだよ?」

ソレル : 「それがシエルの考えた結果の行動ならね。私だってオーウェン先生とかみんなと戦いたいわけじゃないけど、何が起こってるのかは知りたいから」

シエル : 「……僕は、あの人達があんな残虐な殺し方をしたとは到底思えない。認めてくれてありがとソレル、僕なりに足掻いてみるよ」


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■アル&リズ

 先日ナンディナに連れ込まれた鍵のかかる部屋に、アルを呼び出したリズ。記憶を保持していない彼らにとっては、この周回が『一回目』だ。


リズ : 「ご主人様、先ほどは一緒に戦うと言ってくださってありがとうございます」

アル : 「だってあんなの……あんまりでしたから……」

リズ : 「ええ…本当に…」一瞬目を伏せた後。「ただ、気がかりなことがありまして。『シエルさん達から聞いた過去のループ』とやらと、いささか状況がかけ離れすぎてはおりませんか?」

アル : 「そ、そうですよね。壁の向こうの人たちは優しい人たちだったってシエルさんたち言ってましたし……」

リズ : 「はい。それに、単純なループでしたら、そもそもカルミアさんがここにいるのもおかしい話ですから」

アル : 「ぼくたちが向こうにいないことで何かが起こっている……ってことでしょうか……?  シエルさんたちから聞いた『庵への襲撃者』の印象も、ここの人たちとは全然違いますし……」


リズ : 「おそらくは。葬送戦に同行してあちらにいけば、何かしら見えてくるのかもしれませんが。……今回で、もし何かがわかって、すべてが解決したとしても、セルフィさんが生きている時空まで戻ってほしい、と思うのは、わがままでしょうか」

アル : 「わがままじゃ……ないと思います。みんなが生きて、笑っていてほしい。きっとそう思ったから、『前のぼくたち』もこうやってもう1度ループしたんだと思います。その気持ちはきっと、とても大切なものです」

リズ : 「……はい、ありがとうございます。ソレル達も、同じ気持ちでいてくれればいいのですが」


ソレル : 情報が集まるのはループ組なので、気づかなかった時に悔しいんだろうなぁ……。

シエル : まだ庵から南に蛮族が逃げた先を調べられてないですし、鬼子の庵とか言う場所も行けてないしなぁ。

ソレル : カルミアの言うシランが本人なのかもわからないしね。今出てる情報だけでもカルミアそりゃ殺されないわって感じするよ。

シエル : カルミア、前回の周回でどんな顔しながら彼岸花の庵に戻ってきたんだ?


リズ : 「ご主人様、今回は記憶を保持されますか?」

アル : 「……正直、分からないです。こんなつらい思い、もう覚えていたくないとも思うんですけど……リズさんは、どうですか?」

リズ : 「……わかりません。この悔しさは、忘れたくないとも思うのです。ですが……今記憶がないということは、前のループの私がきっと『この方が利がある』と判断したのでしょうから。基本は、このまま忘れていくべきでしょう。でもご主人様は、必ずしもそうではないでしょうから」

アル : 「……」首につけているチョーカーに触れて。「……とにかく、まずは今週の日曜ですね。ぼくたちが生きてないと、どうしようもないでしょうから」

リズ : 「はい、その通りです。まずは、備えましょう……お買い物とか万全ですか?お食事は?水袋は十分ですか?武器は磨かれました?」といつものやかましい感じに戻ります。


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■シエル、イグナチオ家へアポをとる

 土地の名士であるイグナチオ家へ接触を試みるシエル。しかし、相手は名士。当然、何処の誰とも分からぬ冒険者に会ってくれるはずもなく……。


GM : ちなみにシエルさん、イグナチオ家に対してどういう風にアポイントメント取ります?

シエル : 本土からの騎士団要請に対する現当主の対応について伺いたく。たぶんイグナチオ家もやりとりしてるだろうから。

GM : では、その場合は書簡で返答が返ってきます。「すべて騎士団に任せている」と。

シエル : ……これはもっと踏み込んで質問するべきかな。

GM : ちなみに、都知事とまでは言わないんですけど、東京23区の区長くらいの偉さで考えてます、イグナチオ家当主。その人に会えるくらいのアポイントメントをとってくださいね。

シエル : 「カルミア嬢とルフラン教の巫女選出に関して、町で噂されている話の事実確認を伺いたい」とか……?

GM : うーん、特に何も帰ってこなかったかな。

シエル : ちきしょおおお! 先にレイダーさんだったな~。GM、時間があるなら南東にある蛮族の拠点を探しに行ってもいいですか?

GM : いいよー。

リズ : 誘われればついて行きます。その場合、前衛が必要ですね。

アル : 前衛が必要なら、ぼくも行きますよ!


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■ソレル、鬼子の庵へ

 事前に作成した地図を頼りに、迷うことなく鬼子の庵に向かうソレル。一日歩いた先に辿りついたのは、赤茶けた土が露出した無骨な岩山の麓。枯れ木の多い荒れた森の中に、その庵は佇んでいた。


ソレル : あれがあの鬼子のハウスね。近づこう。

ソレル : そうねー。

GM : では危機感知判定をどうぞ。目標値は13です。

ソレル : (ころころ)……達成値は14。成功だね。

GM : では庵の陰、木立の中に、透明な狼が君を狙って構えていることに気が付きました。

ソレル : 「狼……?」こわくないよー。魔物知識とかできるかしら。

GM : うーん、では見識判定をどうぞ。目標値は10。

見識……できる……? 目標値10で。

ソレル : 素振りだ。(ころころ)……むりー。

GM : よくわかんないですね。

ソレル : 「えっとー、旅の者ですけどー!!」あまり近づかずに大声で呼びかけてみます。

GM : 反応はない。

ソレル : 「ルフランの神官ですー!! あとポシビリタスの契約者でー!!!」

GM : おっ。ではそれを聞いて木立から、ナイトメアの青年が顔を出しました。


-ナイトメアの青年-

https://drive.google.com/file/d/1QhkP2sRsK2SBL7QXZBYwOmksm0dqXY98/view?usp=sharing


ソレル : 「わっ」そんなところに。

??? : 「…………お前らか……繰り返してるのは、お前らか」

ソレル : 「んー。まあそう」

??? : 「何の用だ。敵対者なら容赦はしない」

ソレル : 「えっと、私ソレルって言って」

??? : 「知っている」

ソレル : 「えっ。なんで?」


シエル : おっと。知ってるのか。

アル : この口調……仲間にするにはフラグが足りていない雰囲気がします!


??? : 「正確にいえば、味方でないのなら容赦しない。さっさと去れ」

ソレル : 「私たち、なるべく15年前に悲しいことがないようにしようとしてるんだけど……それってあなたと敵対してる?」

??? : 「……お前らにとっての『悲しいこと』とはなんだ?」

ソレル : 「……なるべく人が死なないこと、かな」

??? : 「はっ、綺麗ごとを」

ソレル : 「綺麗事だからって諦めたりなんかしない!」聖印をぎゅっと握る

??? : 「甘いことをいうやつには興味がない。俺は……姉さんを救うためであれば何を犠牲にしても、殺してもいい。……ああ。なんだ。今排除しておけばよいのか」

ソレル : 「姉さん?」


アル : (シエルの方を見る)

シエル : なるほど…………。

リズ : この人、シランさんでしょうか?

シエル : 双子だからね、性別が逆の可能性を引くこともあるよね。

ソレル : そういえばこのループでは、NPCも「巫女」としか言ってないような気がする。「巫士って巫女のことだろ?」みたいな。


目の前の少女のいう「姉さん」がリコリスのことではないか、とにわかに盛り上がるPL陣。それもそのはず、以前の周回で出会ったリコリスは正真正銘、男性だったのだ。特にリコリスと仲良くしていたシエル、及びシエルPLはすごいそわそわしていた。


??? : 「30秒ののちにお前を殺す呪文を唱える」

ソレル : 「―――あなたのお姉さんが死ぬっていうんだったら、私はそれも助けたい! 一人でも力がほしいなら、協力するから!」

??? : 「今更このタイミング擦り寄られても、互いに何の得もない」

ソレル : 「私は、繰り返せる。今回も、いろんな人が死んでるし、死にそう。また繰り返すことになると思う」

??? : 「……さあて。それが虚言でないといつ知れるかな。それが本当なら”次”に来い」といって、裏で開いていた懐中時計をぱたんを閉じ、カウントダウンをはじめる。

ソレル : 逃げる逃げる。死んじゃったらごめん。

GM : では、木立の中の狼の気配が一周大きく震え上がり、襲い掛かるような様子をソレルさんは目の端にとらえましたが、間一髪で避けることでしょう。青年はそのまま姿を消しました。

ソレル : 「……なんだったの、あれ。でも、”次”かぁ、やんなるねハンサ」今日はもう帰るよ。

GM : では、特に問題なく帰ることができます。

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