2-3:金髪の少女、銀髪の従者

見えてきたのは木立に囲まれた、端正な屋敷であった。

瀟洒な青い屋根と白壁が特徴的で、遠くからでもよく目立つ。そして屋敷の前に、二人の人物が佇んでいることが確認できる。

金髪の少女と、メイド服の誰か。金髪の少女の方は、館の前を行ったり来たり。右往左往。


リコリス : 「……ライティア? なんで外に」

GM : リコリスが横でそうつぶやいたとほぼ同時に、あちらもこちらに気が付いたようです。金髪の少女ははっとこちらの様子を見かけると、弾むような声を張り上げました。

金髪の少女 : 「リコリス!  何処へ行ってましたの、わたくし心配し――……」

GM : ……と言いかけたところで、君たちと少女は目が合います。少女は、どうやら今の今まで君たちのことに気づいていなかったようで、驚いたのかなんなのか、暫くぱくぱくと口を開け閉めしています。


-金髪の少女-

https://drive.google.com/file/d/1b8wx8FICxVIbXIMt_8GGMNcKp3Z4Frwu/view?usp=sharing


アル : かわいい。

リズ : 奥さん?ですね。


リコリス : 「ライティア。なんでこんな雨の中……」

金髪の少女 : 「それあなたが言いますの!? 起きたら何処にもいないからなにかあったのかって、あったのかって、……あったのかって心配だったのに」 ぴっと皆さんの方を指さし。


金髪の少女 : 「アレなんですの」

アル : アレ

リコリス : 「あ、彼らは僕の友人」

金髪の少女 : 「ゆっ………………」

GM : 少女は絶句するように言葉を途切れさせた後、かぁっと頬を赤くします。

金髪の少女 : 「嘘つかないで! わたくし、貴方の口から、こんな人たちのこと聞いたことありませんわ!」

リコリス : 「それは、まあ。さっき出来たてほやほやだから」

ソレル : 「そうなの」

シエル : 「ついさっき友人になりました」

リズ : 「お世話になります」

アル : 「え、えーと、友人?です……」




GM : ではそんなみなさんの様子はどこ吹く風という風に、メイド服の誰かはリコリスに近づいてきます。

メイド服の誰か : 「リコリス様!おかえりなさいませ!」と、いそいそとタオルを織り出してリコリスの身体を拭いています。

メイド服の誰か : 「えーと。ご友人?の方々も、ようこそおいで下さいました!」


-メイド服の誰か-

https://drive.google.com/file/d/1_q5uWDGrTmhfS3k7OdK3ISbQ0T5s-hYP/view?usp=sharing


アル : あっ死んでた人!!!!!!

ソレル : あまりにひどい形容。

シエル : このメイドちゃんが……。


GM : まあ、そうですね。つい数時間前……というより、つい数十分前、廃墟で見かけた顔そっくりです。


GM : ここで[冒険者Lv+知力/8]をお願いします。……全員成功か。ではこの館の佇まい。貴方たちはどこかで見たことがある気がしました。どこだったかな……。

リズ : 何処でしたかねー?

GM : 彼らはそんなこと全く関係なく、建物の前で親しげに話を続けています。


リコリス : 「……サリュ、ありがとう。ただ、前も言ったけど……「様」ってのはやめてくれ。僕は君と友人のつもりだし、上下関係とかいらないし。もっと言うと、その服やめてほしい」

サリュ : 「えー。素敵なお洋服ですのに……」くるくる。

サリュ : 「それに私は、リコリス様の従者でございますから!いえ、ご友人と仰って頂けるのは、勿論嬉しいのですけれど……」

リコリス : 「うん、洋服は素敵だよね、うんわかる。君のことも素敵だと思うよ? ただあのさ、その、従者っていうのもあれだし、その……」


GM : ちなみに、そういって言い合うサリュとリコリスの顔なんですが。髪型や服装などは多少異なるし、雰囲気も異なるのですが。横に並べてみるとよくわかります。

GM : 瓜二つです。多少、サリュの方が幼い印象ではありますが……。


リコリス : 「純粋に、自分の女装姿を見たくないんだよ……!!」

アル : !!!!!!!!!!!!!!!!!!!

アル : その単語にぴくっと反応します!!!!!!

サリュ : 「えー。素敵ですよ?リコリス様もお似合いかと存じます」

ソレル : 主人に女装を勧めるタイプの従者。

リズ : 自分の女装姿を見たくないに吹きました(笑)。

シエル : 「......自分のってどゆことリコリス?いや、確かに二人の顔立ちすごく似てるけどさ」

アル : 「サリュ、さんでしたっけ。もしかしてあなた……」おずおず

サリュ : 「?」

サリュ : 「はい、私は男ですけれど……?」なんかあった?

シエル : はい

リズ : はい

ソレル : はい


これは大切な補足ですが、サリュは男の娘じゃなくて女装男子です。お気をつけください。


アル : 「ぼ、ぼくもそうなんです!よろしくお願いしますね!あ、ぼくアルっていいます。服のお話とかやりましょう……!」控え目だけど手をとったりします。

サリュ : 「……はい!お洋服のお話、大歓迎です!」といい、手を取ってふりふりします。

ソレル : 「へ?」そうだったの???って顔。

リコリス : 「へ」そうだったの???って顔をこっちもする。

ソレル : リコリスと目と目が合って口が塞がらないやつ。

シエル : え、マジ?って顔しながらリズさんを伺うよ。

リズ : 「?」何かおかしなことがありましたか? とシエルを見返します。


アル : え、ぼく何かおかしいこと言いました?みたいな顔でおろおろしてます。

サリュ : 当然のような顔。

リコリス : 「………………サリュ、良い友人ができてよかったね」(つとめて笑顔)

サリュ : 「はい!流石はリコリス様のご友人方です!」


リコリス : 「いや、シエル。別に深い意味はないんだけど、こう……そっくりだろ、僕ら」と、サリュと自分の顔を交互に指で指す。「だからこう、自分が鏡の前でメイド服着てるような気分になるっていうか……。声まで一緒だし、最初見た時は一体何が起きたのかと」


金髪の少女 : 「区別がつきやすくてよろしいでしょう?」つーん

サリュ : うんうん

リズ : 「え、貴方の趣味でお造りになられたわけではない・・・?」

リコリス : 「っ!? 違うからな!?」

リコリス : 「何が悲しくて自分と同じ顔の相手にメイド服着せるんだよ! そっちが主犯! 僕だって、サリュがこんなことになってるなんて昨日まで知らなかっ―――」

金髪の少女 : 「……。寒いからわたくし、中に入りますわね。ずいぶんと仲がよろしいようですから、そこで仲良くなさってたら?」

リコリス : 「あっ」


GM : 金髪の少女は、ついっと顔をそらして、ずんずん中に入っていってしまいました。

ソレル : 「怒らせちゃったかな……」

サリュ : 「あー。……皆さまも、どうぞ中へ。確かに冷えてしまいます」

リコリス : 「そうだね。もともとそのつもりだったし……入ろうか」

アル : 「ぼく、もしかして何か悪いこと言っちゃいました……?」

リコリス : 「いや……多少驚いたが、悪いことは言ってない。むしろ、なんか妙なことになってすまない。気にせずくつろいでくれ」

サリュ : 「どうぞ!歓迎致します!」と言って、扉を開けてうぇるかーむ。

シエル : 「ではお邪魔します~」

リコリス : 「思ったよりいろいろあったが、まずは体を温めてくれ。というわけでようこそ、我々の屋敷……《彼岸花の庵》へ」

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