2-2:話長いなこいつ
GM : というわけで。時は前回のラストシーンから、10分ほど経った時間軸です。
水滴が肌を痛いほどに叩いていく、雷雨の下。
冒険者達は“友人“となったリコリスに誘われて、彼の言う「館」まで足早に急いでいる。
溺死の危機からは脱したものの、ソレル以外の3名は濁流の影響で身体は傷み、全身びしょ濡れだ。このまま雨に打たれては、身体を壊すのは目に見えていた。
「ひとまず館で雨宿りして、怪我が無いか確認しよう」
至極当然の結論の下、一行は雨風がしのげる場所に向かっている……。
アル : へくちっ。
GM : かわいいなおい。
ソレル : 「みんな、大丈夫?」
リズ : 「・・・あまり大丈夫では、なさそうです」
アル : 「ずびー」鼻をかんでいる
リコリス : 「まったく、どういう状況だったやら。4人そろって豪雨の川の中とは」
ソレル : SWやっててこんなにエルフで嬉しかったこともない(一同笑)。
GM : こんなにエルフが刺さるとはGMも思わなんだ。
GM : さて、そんなわけで館までの10分間、これまでどんな感じだったかを端的にいうと……リコリスと名乗った青年が、君たちに対して、一秒の隙もなく話しかけ続けておりました。
リコリス : 「しかし本当に驚いたよ。目の前で倒木してうわぁーと思っていたら、突然目の前に4人も降ってくるんだから。空でも飛んでたのかい? そういう魔法? あとで色々聞かせてくれたまえ! こんな機会滅多にないし、せっかくだから……ああいやごめん、君たちがなにか大変な目にあったってことは理解してるんだけど、どうにも友人ができたって言うのか嬉しくて。多少の無礼は許してくれると嬉しいな。ところで、君たち島の外から来たんだっけ? 後で少しでもいいから島の外についても教えて欲しいしお茶でもどうだい、というかいっそ、館に泊まってってくれたら嬉しいんだけどな! 僕は今二階に住んでいるのだけど、他の皆が一階の方に部屋を取ってるから寂しくてさ。ライティアが二階が駄目なのはわかるし、オーウェン先生が画材の関係で一階の方がいいっていう理屈もわかるんだけど、寂しいものは寂しいというか……虚無なんだよ、2階の空間がさぁ。わかるかい? せめてサリュだけでもって言うんだけどあの子はあの子で……うん……まあとにかく僕は大歓迎だししばらく泊まっていってくれたまえ! うんそうしようそうしよう!そう言えばカルミアの知り合いなのだっけ? あの子もなかなか隅に置けないじゃないか、というか羨ましいなもう。まぁ君たちがうちに来たってことは後で知らせを出せば大丈夫だろうし、まあとにかく泊まっていきたまえ!ところで……」
ソレル : 情報量の波。
シエル : 「は、早口だぁ」
アル : コミュニケーション初めてです?力抜きましょう。
リズ : 「随分よくしゃべる人ですね」とご主人様にぽつり。
アル : 「そ、そうですね……どうしましょうか……」
編集しているSGMも引いている。
これは後でGMが発言したことだが、リコリスの長文に関しては別に読まなくてもいいらしい。
GM : まあ、そういう言いたくもなる感じで、ぺらーっと一人で喋り続けてるわけです。
ソレル : 「わかった泊めてもらうねありがとう友達!!!」
リコリス : 「そうか!嬉しいなぁ、僕友人とお泊りとか始めてなんだ」
リコリス : さーて、この男。
リコリス : 柔らかな銀の髪に、人形のような淡く白い肌――という「薄幸の美青年」的な印象を受けてもおかしくない儚げな風貌なのですが、そんな印象が吹き飛ぶくらい、もうびっくりするくらいよく喋る。お前は喋ってないと死ぬのか?ってくらい物凄く喋る。
ソレル : ちなみに交易共通語ですか?
GM : うん、一応交易共通語です。
GM : なお、もし、このタイミングで彼に対して何か聞いておきたい事などがあれば、一人につき一質問くらいの分量であれば聞くことができます。もちろん、特に聞きたいことなど無ければそれはそれで構いません。リコリスの方が勝手に別の話題を話し続けます。
アル : 「えっと、リコリスさんはどうしてこんな天気で川の近くにいたんですか?危なくないですか……?」
リコリス : 「それは君たちの方に聞きたいくらいなのだけどね。一般的には、こういうのをブーメランというのだろう?違うかい?」
アル : 「う」
リコリス : 「まあ、僕は陣の屋の天窓をちゃんと閉めて出たっけ……と心配になってね。一応神聖な場所だし、念のため見に行こうかと思ったんだ」
リコリス : 「とはいえ、行く道で君たちを見つけたから、陣の屋自体には結局行ってないんだけど……友人を助けるためだ、って言ったらルフラン様もお許しになるだろうさ。陣の屋の雨漏りと友人の怪我じゃ、流石に後者の方が大事だ」
リズ : 「先ほど、幾人かお名前を述べておられましたが、これから行くところには・・・ご友人?がたくさん住んでいるのですか? ルーンフォークなどもおりますか?」
リコリス : 「え? ……ああ、そうだった! すまない、紹介がまだだったね」
リズ : 自分と同じ顔のルンフォ大量生産していたらそれはそれで怖いのですけど。
リコリス : 「うーん、友人……友人、かな。まぁ、一人は友人かな。ルーンフォークもいるよ」と言いつつ、一瞬「うーん」という顔をしました。「……。まあ、見ればわかるよ……」とも。
GM : こいつ、さっきの喋りのわりにこの話題だとなんか妙に口ごもるな。って印象はあるかもしれません。
シエル : 「え~と、君が信仰しているというルフラン様について教えてくれないかな?一応僕も神官なんだけど、この島の信仰には詳しくなくてさ」
リコリス : 「おや。神官仲間か! 逆にこの島だと、ルフラン神以外の神の教えを聞くことは少ないから新鮮だな」
リコリス : 「うーん。聖書持ってきてないからな……ふんわりでいいかい?一応全部そらんじてるけど『お前は説明が下手』って家族に評判なんだよね、僕。だから、詳しくは聖書ないと多分ダメだ」
シエル : 「もちろん、構わないさ」
リコリス : 「ざっくり説明すると。ルフラン神は、友愛と蘇り、もしくは”繰り返し”の神。一番わかりやすい聖句は……」
リコリス : 「『汝、愛望む者の手を取れ。手中に収むこと、躊躇うことなかれ』『魂に壁無し。今生の在処のみで、愛に線引くことなかれ』『もう一度(ひとたび)を願う心に祝福を。過ぎ去りしを諦めることなかれ』あたりかなぁ。……なんとなく、わかる?どう?」
シエル : 「う~ん、他の宗派の教えは難しいなぁ。もしよかったら今度は聖書込みで、じっくり互いの神様について語り合わないかい?」
リコリス : 「いいね。ぜひお願いしたい」と顔を輝かせる。
シエル : 「ああ、僕の神様も言わないとフェアじゃないね。僕は技巧をつかさどる神、神の指先ミルタバル神を信仰している」
リコリス : 「みるたばる……うーん、ごめん、不勉強で。どんな方なのか教えてもらえるかい?」
シエル : 「冒険者と盗賊の神様なんだけど……。これ以上は長くなりそうだから、それこそ部屋でいっしょにゆっくり話そ?」
リコリス : 「ああ!」
この会話の裏で、ルフラン神について話し合うPLたち。第二の剣だったらどうしよう、いや流石に第三の剣じゃないの、など。補足しておくと、ソードワールドの神は由来とする剣により、その性質がおおよそ決定する。第一の剣は人族側、第二の剣は蛮族側、第三の剣はどちらでもない、というように。この時点で第一の剣である可能性が話されてないのはなんというか、PLたちの経験値を感じる。
ソレル : 「これから行くところ、馬小屋あるかな? ハンサもゆっくり休ませてあげたくて」
リコリス : 「馬小屋かぁ……」 間があった。
ソレル : 「……」ないの?
リズ : 圧……。
リコリス : 「……。温室になら入るかな。まあ、ダメだったらオーウェン先生が作ってくれるから大丈夫!」
アル : DIYですね。
ソレル : 「それで手を打ちましょう!雨に濡れないのが大事よね!―――あ、私、突然お邪魔することになったのにごめんなさい、でも大切なことだったから……」
リコリス : 「いや。その馬、とても大事にしているんだね。君の友人?」
ソレル : 「パートナーです!」ウィンク。
リコリス : 「へえ、素敵だね」※この時点では旅のパートナー的なものだと思っています
ソレル : 冒険者始めてからこんなやり取り何回もあったから……
GM : さて。では、そんな感じで話を続けている君たち。会話の途中ですが[冒険者Lv+知力/9]で判定どうぞ。
全員 : (ころころ)
GM : ……全員成功か。では皆さん気づく、リコリスが話している時の雰囲気。これが、カルミアと話している時……正確に言うと、カルミアもテンションが上がりすぎてぺらぺらぺらーっと話し続けてしまうことが何回かあったと思うのですが、あの時の雰囲気に良く似ています。
GM : 少しカルミアのことを思い出した。……そういえば彼女、近くにいないですがどうしたんでしょうね。そんなことを考えているうちに、君たちは館にたどり着きます……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます