ホワイトデー

「きょーぉはなーんのひ? ふっふぅ~♪」

「そのネタ分かる人ってもう限られてるぞ」


「んっ↑ んっ↓ んっ↑ んっ↓♪ 肌と肌とのぶつかりあい♪ の日ですよ!」

「それはホワイティだろ。だから分かるやつ居ないって」


「というわけでお返しを」

「前回やっただろ」


「……マジですか」

本気マジです」


「そんな……三人のクッキーセンパイと人体センパイに囲まれて『本物はどれでSHOW!』が出来ると思ったのに」

「等身大クッキー前提なのも、人体って言い回しも、そんなクイズやる方もおかしいわ。普通に食えよ」


「ククク……バタークッキーがやられたようだな」

「奴は四天王の中でも最弱……次はこのチョコチップが、ってやかましいわ」


「クッキー☆四天王といえば」

「そういう局地的かつ界隈が荒れる話はNG」


「え? オレオとかカントリーマアムとかの話じゃないんですか?」

「もちろんその話だ! ブルボンのプチシリーズとかが良いな!」



「よく考えたらクッキーとビスケットって何が違うんでしょう」

「日本では糖分と脂肪分が全体の40%以上のものをクッキー、40%未満のものをビスケットと呼んでいる。昔の日本ではクッキーの方が高級品とされ、両者を区別していたらしい」


「へー。じゃあクッキーの方が上等なんですね。お返しにビスケット、ってあまり言わないですし」

「クッキーのことをビスケットと呼んでも間違いではない。あとはサブレなんてのもあるな」


「サブレといえば鳩サブレ! あれも似たようなものですね。うえぇ、違いがあるんですか? ひよこ鑑定士みたいな人が『うーん、これは鳩サブレ。これはことりサブレ、こっちはかるがもサブレ』とかやってるんでしょう?」

「サブレはベーキングパウダー、つまり膨らし粉が使われていないからサクッとした食感が、って類似品多すぎる。そこだけで四天王選出しろ」


「さすがバイト先に手作りお菓子を持っていくだけのことはありますね」

「はっはっは」


「そんなことしてるからお金が無いのでは」

「よせやいよせやい」


「でも利きサブレは無理ですよ」

「サブレは無理でもクッキーとビスケットとサブレの違いくらいはわかるだろ。ほれ、三つ並べたから食べ比べてみろ」


「ん~、この口の中がパッサパサになる感じ、まさにビスケット」

「褒めてないよね」


「このしっとり感、まさにシズル感。クッキーです」

「シズル感の使い方間違ってるぞ」


「口に広がる肉汁……これぞ鳩サブレ」

「絶対違うもの食べてる!」

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