クリスマス
「メリー・クルシメマース!」
「メリー……えっ、なんつった今」
「というわけでジングルベルが聞こえる季節ですよメリーセンパイ」
「やっぱり苦しむのは俺なのね? 誰がメリーさんだ」
「わたしメリーさん。電話代かかるからライン通話で良い?」
「都市伝説が通話代ケチるな!」
「センパイのクリスマスの思い出といえば? 幼少期、クリスマス会のプレゼント交換で鉛筆セットを渡して女の子にドン引きされた以外の思い出でお願いします」
「なんでそれ知ってるんだよ!? 良いだろ別に。実用的なものの方が喜ばれると思ったんだよ」
「まーあんな可愛いクマの絵柄じゃ使うのが勿体なくて引き出しの中ですけれどね」
「え?」
「ほらセンパイ、クリスマスの思い出ですよ。さぁ」
「正直、特別な日って印象がないんだよな」
「えー。ツリーを飾ってー、七面鳥食べてー、ケーキ食べてー、サンタさんからプレゼントもらってー、くらいあるでしょう」
「いや、どれも無い」
「……センパイは厳格な仏教徒でしたっけ?」
「あえて言うなら神道だな。ただし貧乏神という名の」
「そんな人並みのクリスマスを知らないセンパイのために、このコーハイサンタが一肌脱ぎましょう!」
「ああ、だからサンタコスなのね」
「一肌脱いだからミニスカサンタなのです」
「それは別にいい。見てるだけで寒そうだからむしろ着ろ」
「まずはツリーでしょ~」
「これブロッコリーだよね。ドレッシングかけて雪を演出してるつもりか?」
「次に七面鳥の丸焼きでしょ~」
「……これ人一人分より大きいけど、何の鳥だ」
「ジャイアントモアです」
「絶滅種!」
「次は牛、豚、羊の食べ比べです」
「三択ロース!」
「そしてクリスマスはやっぱりホールケーキですよね~」
「これウェディングケーキじゃねーか!」
「さぁさぁ、まだまだコーハイちゃん特製フルコースが待ってますよ」
「どれだけ食わせる気だ。満漢全席かよ」
「メリー・クルシミマース!」
「ちなみにルーズソックスは『靴下大きい方がプレゼントたくさんもらえるんじゃね?』という理由で誕生しました」
「堂々と嘘を吐くな」
「でもルーズソックスに入れるプレゼントってゴルフクラブかアイスホッケーのスティックの二択ですよね」
「朝起きて喜んで素振りして壁に穴開けるパターンじゃねぇか」
「むしろプレゼント配る側ですか。JKサンタ」
「……悪くないな」
「良い子にはこのマフラーをあげましょ~」
「それルーズソックスを解いただけだろ」
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