第12話 瀬戸美月 初体験を邪魔される
土曜日の夜、健司の家に美月は泊まりに来ている。
ほろ酔い加減の二人。
すでに風呂にも入りパジャマ姿である。
電気を消し、ベッドに入る。
ベッドの中で寄りそう二人。
ちゅ・・くちゅ・・・
キスを交わしあい、抱きしめあう。
口に、頬に・・・
息遣いが荒くなっていく美月。
「健司さん・・・あの・・・
いいですよ・・・」
はしたないと思いながらも、自分からパジャマのボタンを外していく。
「え・・でも・・」
そういう健司の口をキスでふさぐ。
「・・・・いいの・・」
健司は、はだけたパジャマから美月の素肌に触れていく。
腰のくびれ・・・背中・・
”あぁ・・・今日、ついに・・・”
恍惚となりながら美月は・・・
ブブー ブブー ブブー
ブブー ブブー ブブー
盛り上がってた二人をしらけさせる電話のバイブ音
やむ気配がない。
ブブー ブブー ブブー
ブブー ブブー ブブー
いったん止んでも、またなり続ける。
「電話だね・・・」
「・・・」
ふう。。。
ため息をつく美月。
これは多分、自分のスマホ。
画面を見る
”父”の文字
拒否しようと思ったが、何度もかかってくるだろう。
「・・・・もしもし?」
地を這うような物凄く低い声・・・
「あぁ・・美月?なにか嫌な予感がしてね。なんともないかい?」
能天気な声に美月は激怒していた。が、そこには恋人がいる・・・
怒鳴りつけるわけにもいかないが、怒りを抑えきれない。
「今何時と思ってるの!寝てたところ!もうかけてこないで!!」
電話を切り、ゼイゼイと息をする美月を健司は優しく抱きしめて言った。
「まぁ。もう寝ようか・・」
ベッドで抱きしめてキスをしてくれた・・・が、そういうムードで無くなり就寝。
ぐすん・・・
----
次の週。
美月はやはり健司の家にいる。
ソファでキスを交わす二人。
”今日こそは・・”と美月は思っていた。
スマホの電源は切ってある。
「健司さん・・・ベッドに・・・」
寝室に誘う美月。
そして寝室に向かおうとした時
♪~♫~♪♪~
今度は、健司のスマホが鳴った。
テーブルの上に置いてあるスマホには
”瀬戸 菊夫”
と表示されている。
「・・・・・健司さん、スマホ借りるわね・・・」
「あ・・・あぁいいけど・・」
「ちょっと、あっちの部屋で電話してきますね」
健司のからは美月の背中しか見えないが、激怒している気配。
何も言えない・・・
スマホをつかんで、扉をしめ切ってしまった。
よくは聞こえないが、猛抗議しているようだ。
健司はため息をついた。
瀬戸菊夫は、物凄く感がいいのか”いざ!”というときに必ず電話をしてくる。
”こりゃ、バージンロードを歩くまではこのままかもなぁ”
◇◇◇◇◇
ちなみに、美月が母親に抗議したところ二度と電話してくることはなくなったらしい。
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