ミドルシーン・03「詩子と美鳥」

   登場:任意


GM:「登場:任意」のシーンです。NPCたちのやりとりに干渉するしないは自由。


◆ ◆ ◆


 『――以上、作業実演でした!』

 『この後、休憩を挟んで14:00からタイフォンの運転席の見学が始まります』


 「あーあ……舞佳のうそつき。さっき流されていった男の子、友達かな。名前呼んでたし」


 観客のはけ始めた会場に取り残されている詩子。

 そこに、加納美鳥がやってくる――


加納美鳥:「コラァッ、詩子!」


四方木詩子:「うわっ、叔母さ……美鳥さん」


加納美鳥:「あなた、私宛に届いてた招待券で潜り込んできたわね。……現場には来ちゃダメって言ってるじゃない!」


四方木詩子:「い……いいじゃん。今日のはちゃんとした見学会で、忍び込んだわけじゃないし。招待状にもホラ、『ぜひみなさまご家族ご友人お誘いあわせの上、お越しくださいませ』って書いてあるでしょ?」


一角ジュード:親戚だったのか!


鬼頭哲太:あ! テメェ姪っ子だな! 叔母さんをください!


一衣舞佳:姪さんをください! 幸せにします! ……これだと哲太君と戸籍上の親戚になってしまう。


一角ジュード:座ってろ、未成年組!

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 「工場とかの見学の話すると、美鳥さん必ず反対するし……」

 「勝手に株主優待の招待状を使うからよ。相談してくれればちゃんと考えました!それに、『先月』の無断外泊の件もまだ済んでないし――」


四方木詩子:「……話しようにも美鳥さん、家に帰ってこないじゃない」

加納美鳥:「………」


GM:その一言で、加納は押し黙ってしまう。2人の間には、少し重い空気が漂っている。


鬼頭哲太:なんだこの加納さん可愛いな。


たつま(女):ではGM。加納との顔合わせに登場してもええかね。


GM:いいよ。


たつま(女):「ああ、加納はんかい?」多少空気が重くなりそうなタイミングで空気を読まない声をかけよう。


加納美鳥:「第2支部……八乙女さん?」 TS支部長なのは一応把握してるか。そっぽを向いている詩子と、ややばつの悪そうな表情を浮かべている加納美鳥。気まずい雰囲気だ。


たつま(女):「こんな姿でえろう悪いわ……またちょっとひっかけられてなあ」

女性体のまんまだが緊急事態だしな。「ちょっとこの資料見てほしいんやけど……」 そういって大量の、さっきの資料を見せるよ。『デルフ』っておもいっきしかいてあるし『地下』がどうたらって書き込みも表紙に見える、そんな奴を。


四方木詩子:「……仕事、忙しいんでしょ。私もう行くから」


加納美鳥:「えっ、あっはい。……あっ、詩子!」


たつま(女):ああ、待ってくれ詩子。君にこのタイミングでこの資料の存在を知って欲しいんだ。


GM:ナンデ!? レネゲイド案件の機密情報だよ!


たつま(女):チラッとでもこの資料の表紙を見て、なんか自分が探しているものに近づけそうな資料だと把握してくれないか?


四方木詩子:「……………」 詩子は無言でその場から逃げるように、早足で見学席を出ていこうとする。……一瞬、資料の方に目をやったもしれない。


たつま(女):よしよし。


GM:だが、それだけだ。ここは自分の居場所ではないというように、立ち去った。


加納美鳥:「何を考えてるんですか、八乙女さん!こんな場所にレネゲイド事件の重要書類を持ち出すなんて!」 美鳥の視線は、立ち去っていった詩子を追っている。


たつま(女):「……妹はんか?確かいなかったと思うてたけど……なんや邪魔してもうたかな?」


加納美鳥:「はい、私の……昔から親しくしていた親戚一家の子です。2年前のFH抗争で両親を失って今では、私が保護者になっています」


 いとこだか、はとこだか。面倒になるととりあえず年上の女系の親戚は「叔母さん」だよね。加納さんの姉妹=死んだ詩子の母かはしらん。


たつま(女):「そうか。……さっきの子も、何かある前に確保しといた方がええな。なんもかんも吹き飛んでまうで。緊急事態なんやて。捕まって助かったわ。……一刻も早く仕掛人(シャンブルス)を呼んでほしいんや、浄化する緑(クリーン・グリーン)”」


GM:うん?いや、第二支部所属のオーヴァードへの伝令は君の権限でできるぞ。


たつま(女):女体化するとその伝令の調子が悪くなって……。


加納美鳥:「会場裏手なら電波が通っていますよ。緑丸清掃のワゴン前が集合場所です」


たつま(女):「いや、あの。さっき水打ちしとるおばちゃんにひっかけられてな?スマホが……」


加納美鳥:「……ジャームを発見したのですか?」


たつま(女):「ジャーム『どころじゃない』なあ、本気で危ないわ。しかも性質が悪いのが、FHすら完全に制御をうしなっとる。詳しくはその資料や」


加納美鳥:「80km離れた海底のジャームですか。今のところ安定しているようですし……これだけ離れた場所となると我々では手は付けられませんね。本部と連絡を取って海上ガス田と連絡を取りましょう」 情報共有したが…。


たつま(女):「了解や、そっちも頼んだで」


加納美鳥:「しかし、怪獣が眠っているのなら、この工場地帯で起きている『襲撃』は……?第2支部には、引き続き工場地帯周辺のジャームの調査をお願いします」 ……これで終わり?


たつま(女):うむ。詩子が後を追跡しやすくなったので満足です。


加納美鳥:「それと――情報の取り扱いは慎重に行ってください!処理班の仕事が増えても困りますので!」 ファイルに押し込んだ資料を突き返すと、美鳥も肩を怒ら

せながらその場を立ち去った。ぷんすこ。


◆ ◆ ◆


たつま(女):えっ? 事前に話を通しとく、できた上司的存在にこの仕打ち!? ちくしょう、霧谷ゆるせねえな。


GM:何やりたかったんですか、支部長……。いや……まずだな。UGNが!レネゲイド情報を!一般人に!漏らしちゃダメ!


たつま(女):普通は表紙見せただけで何かあるわけないだろ! そう! 偶然そういう情報を集めてて何故か記憶処理を受けてないような人が、たまたまいない限り、絶対情報は漏れないように気を使っているんだよ!


一角ジュード:UGN的には限りなく黒に近いグレーな行動だよ。明らかに事務職には向かない雇われ支部長だから仕方ないんだが……。


たつま(女):これが現場のやり方なんだよ! そう、今まではこのやり方でうまく回ってたんだ!


鬼頭哲太:職人が勝手する現場猫案件じゃないですか。加納さんかわいそう。寿退社させないと。


GM:君もまだ言うか……。


 「ヒロイン=シナリオボス」のパターンをメタ予想しての揺さぶりかなぁ。


◆ ◆ ◆


GM:情報判定を行いたい方は、支部長以外も登場して判定できますよ。調達も可能です。


鬼頭哲太:ジュードパイセン出ます?


一角ジュード:出ようかな。デルフ石油についてはもう支部長に任せたいところだが。侵蝕率的にどう? 任せて平気?


たつま(女):いいよいいよ。戦闘であんま侵蝕率くわねえし。


GM:今回は敵がEロイスを持ってますからね。少しばかり侵食高くても戻ってこれるでしょう


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 Eロイス――エグゾーストロイス。ジャームだけが有している強力な妄執の力です。これを持ったジャームは通常の敵よりも強力なボスになりますが、相対したPCたちは、「自分はあのような怪物にはなるまい」という気持ちを再確認するため、戦闘後のジャーム化を防ぐ判定にボーナスが付きます。

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たつま(女):じゃあ先にいくか。《生き字引き》で【デルフ石油・エネルギー開発部門】を調査――達成値18だぜ。


GM:看破。普通に現場の仕事してる時は輝いてるよ、支部長……。情報を公開します。


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◆デルフ石油・エネルギー開発部門

 〈情報:ビジネス、裏社会〉6

 A県のライフラインを担う石油会社の一部門。

 メタンハイドレート採掘など新エネルギーの開拓にも精力的。

 怪獣P.T.が発見された地下施設も、10年前にデルフ石油が所有していたガス保管所だ。


 〈情報:ビジネス、裏社会〉10

 地下ガス保管施設を管理していた開発部門は、工事中に発生した事故で閉鎖されている。これは、地層で休眠していたジャームが放ったワーディングによるものだ。

 地下に眠るジャームの存在に目を付けたFHは、この数年間で開発部門を乗っ取り、工場労働者をFHの研究者・作業員として囲い込んでいた。

 あの防護服たちのことだ!

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★『情報オープン』P.T.実験に参加していた人員の名簿データ入りノートPCを発見しました。

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