▼PC①一衣 舞佳 ~イマイチ以下の私~

 ……いっけない、遅刻遅刻。

 私は、“イマイチ以下(ゼロアンダー)”の一衣舞佳。


 中三の頃にオーヴァードになって……それから、まあ色々とあって、UGNに所属している、どこにでもいる高校生。能力も平凡。強いて、他のエージェントと違うところを上げるとするなら……。

 今から、支部長に辞表を出しに行こうとしている、ってトコかな――――

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一衣舞佳:私は、“イマイチ以下(ゼロアンダー)”の一衣舞佳(いちい・まいか)。17歳。2年前にFH抗争に巻き込まれてオーヴァードになった高校生エージェント。


鬼頭哲太:いちい・まいか……イマイチ以下……。


GM:ひ、卑屈。


一衣舞佳:覚醒した能力で大活躍……なんて、漫画のようなご都合展開には至らなかった。なんなら、覚醒後しばらくUGNにも気づかれてなかったし。なし崩し的に構成員となって早二年、特に目立った活躍はなし。


GM:なぁ、未成年たち。大人2人に陽気さを吸われちゃったの?


一衣舞佳:それと、今から支部長に辞表を出しに行こうとしている。


八乙女龍馬:いくな、サラマンダー!? 職場に不満があるのか!


一衣舞佳:別に、仕事に何か不満がある、というわけではなくて。


 「誰かを守りたい、とか、強くなりたい、とか……。立派な動機があったわけじゃなくって、なし崩しでやってた半端者だし。『友達』といっしょにいられる時間も、ぜんぜん無かったし」


一角ジュード:UGN少年兵問題だ。


GM:若人から青春を奪う、あくの組織UGN、ゆるせねぇな。


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 PCたちの後援組織、ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク(UGN)は、オーヴァードの保護やレネゲイド関連事件への対応を行う秘密組織です。


 ですが、その最前線で活躍できるオーヴァードの人員は慢性的に不足しています。


 これは、戦いへの適性を持ったオーヴァードの絶対数自体が少ないためです(レネゲイド発症者の50%以上は覚醒時に過剰な肉体変化を起こして、ジャーム化・ショック死します)。そのため、UGNは保護したオーヴァードに事情を説明し、組織への加入や協力要請を積極的に行っています。

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一衣舞佳:シンドロームもキュマイラ/サラマンダーなんだけど『熱を操作できる』なんて上等なものじゃなくて、私の感情が周囲の熱を奪ったり、気温を上げたりしてしまう。自分の意思とは半ば無関係に。


GM:HPをコストにするデータの多いサラマンダー・シンドロームらしい、いい演出ですね。


一衣舞佳:出来ることといえば《炎神の怒り》でオーバーヒートして《氷炎の剣》で思いっきり《フルパワーアタック》するくらい。こんな能力、いくらでも替えが利くでしょ? 初期ロイスの因縁の相手、ヨハン・C・コードウェルと同じシンドロームなのも相まって最悪……。


GM:比較対象がマスターエージェント(FHの幹部クラス)かぁ……。


一衣舞佳:「UGN辞めたら『友達』とか、兄貴とたまに出掛けてもいいかも。……自己紹介、こんな感じでいいのかな。」 以上です、よろしくお願いします。


GM:冷めている……。大人2人に熱を全部奪われてしまったみたいに冷めている破滅的サラマンダー!


一衣舞佳:久々に普通の女の子のロールプレイするわ。


鬼頭哲太:ミーツガールするまでお仕事辞めないでください……。


GM:世界の壁、日常との乖離に悩むエージェント――これだよ。これがダブルクロスですよ! 聞いてるのか! 大人ども!(←怪獣卓GM)


一角ジュード:ウス。


八乙女龍馬:I(アイ)も世界の壁、日常との乖離に悩んでるんですけど!?


GM:支部長のはジャンルが違うでしょ、なんか。


 若者二人、「そうそう、これがダブルクロスなんだよな」を無限に浴びられる。


鬼頭哲太:(キャラシの立ち絵を見て)この子、手に煙草(ヤニ)を……。


八乙女龍馬:コ、ココアシガレットだよ。


一角ジュード:法に触れるだけのちょっとした不良行為ですよ。まぁオーヴァードなんだから健康への影響なんて大したことはない。


一衣舞佳:地元の野球シニア、「T原タイタンズ」に所属してたけどオーヴァード化を期に辞めてるって設定なんだけど。タバコはたぶん、野球への未練を断つために”摂取”してるんじゃないかな。兄貴が買ってきたやつをバレないようにこっそり吸ってるから大丈夫。


一角ジュード:摂取。ふーん、えっちじゃん。


鬼頭哲太:窃取したものを摂取しているのか。


GM:何一つ大丈夫要素がねぇ。


八乙女龍馬:………。霧谷いいいいい! I(アイ)は、水とお湯を自在に出せるサラマンダーって頼んだよな!?


GM:出せるようにレネゲイドコントロールを学ばせるのがキミの仕事。


一角ジュード:とにかくこの情熱を奪われたダウナーな若者二人を導けばいいわけだな! 完全に理解したぜ!!!


GM:頼むぜみんな。そんな、人生の岐路に立つ舞佳ちゃんのハンドアウトがこちらです。


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●PC①(一衣舞佳)ハンドアウト

 ロイス:四方木詩子(よもぎ・うたこ) 推奨感情 P:庇護/N:無関心

 推奨カヴァー/ワークス:高校生/指定なし


 「T原市湾岸にモンスターマシン現る!」

 キミの同級生の巨大重機オタク、四方木詩子は興奮気味に語る。

 なんでもアジアに2台しか存在しないとかいう、超巨大重機がこの街にやってきて、

 その可動テストの見学会に参加できることになったという。

 そそっかしいところがある彼女を、そんな危険な現場に一人で行かせたものか……。

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GM:「舞佳、夏休みだ!今年こそは一緒に遊びに行けるよね!」 君の友人、四方木詩子からデートしようぜとのお誘いが掛かってます。


一衣舞佳:UGN辞めたら遊べるな……。


GM:最近はエージェントとしての仕事は一段落ついて、しばらく非番なので……。遊びに行ってもいいんじゃないかな?


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●一衣舞佳(いちい・まいか)

コードネーム:零点下(ゼロアンダー)

シンドローム:キュマイラ/サラマンダー


ワークス:UGNエージェントA  カヴァー:高校生

性別:女 年齢:17歳 身長:172cm 体重:なぜ?


【能力値】

肉体:8 感覚:1 精神:1 社会:2

HP:37  行動値:3


主なエフェクト:

《コンセントレイト:サラマンダー》2、《炎神の怒り》3、《氷炎の剣》1

《氷の回廊》1、《フルパワーアタック》3

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◆ ◆ ◆


GM:これにて自己紹介は終了です。PC間の関係性を決め終えたら、いよいよ本編に入りましょうか。


 あと決めることといえば……PCたちが所属している支部がどんな場所か、とかでしょうか?


GM:みんなの活動拠点、T市のUGN第2支部は街の中心から少し離れた、住宅街に建てられてます。支部長の希望は八乙女流の道場でしたっけ。


八乙女龍馬:そうそう。


一角ジュード:あ、支部長。支部の地下に格納庫あっていい?


八乙女龍馬:格納庫?


一角ジュード:ほら、ロボとか置いときたいから。


 隠し空間を作り出すイージーエフェクト《ポケットディメンション》で、マンホールから飛び出す巨大ロボを演出する予定だったのが、経験点の都合で消滅したんだとか。


一角ジュード:割と真面目に地下秘密基地欲しいんだけど、ダメ? ダメなら別の手段考える。


鬼頭哲太:名前を叫んだらロボが降ってくるとか。


一衣舞佳:エヴァとかパシリムみたいなのを想像してたけど、スパイダーバースみたいな秘密基地でもアツいなぁ。


八乙女龍馬:裏庭にため池があったな。あそこなら適当にプレハブとか立てていいぞ。(キ〇肉マンハウスの画像を出して)これがUGNの伝統的な支部だ。


GM:第二の支部だけど、もうちょい立派な家借りれるくらいの予算はあるよ!


一角ジュード:まぁ、これが道場なのかもしれんが……。で、どう? 地下秘密基地はあるとイメージ損なう?


八乙女龍馬:多分、I(アイ)もこっち来て日が浅いだろうし良いと思うよ。イージーエフェクトで特殊な空間を作れる《猫の道》《不可視の領域》とか用意してるから、好きにやっちまいな!


一角ジュード:あ、そうなんだ。そういや復帰最近だっつってたな。りょ。じゃあ支部は“委員会”から奪った格納庫の上に建ってることになった。


鬼頭哲太:委員会イズ何。製作委員会?


一角ジュード:バクソードの秘密を知る謎の組織、“委員会”だ。謎の仮面の男(※なぜだ……あの男が父さんに似ているわけがないのに……この感覚は……!)とかがいて、敵か味方かわからない謎の組織だよ。


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 ※シナリオ本編に“委員会”は登場しません。

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