第3話 ~シアの思い~

「カール様起きて下さいもう8時ですよ」

とメア言う。


此処の1日の時間は24時間で1か月は30日それが12か月で360日である。


メアはシアとは性格が違い僕を怒ったことがない。


「う~・・後20分だけ寝かせて・・・ん~~~~」


「昨日10分だけとか言って30分も布団に潜っていたのを忘れたのですか!」

シアは朝になると毎回何か言ってくる。今日は昨日粘って1時間布団に潜っていたことだ。


「ああああ~~~~~!!」


シアとメアは1日交代で僕を起こしに来てくれる。

昨日はシアだったので今日はメアかと油断していた。


「《あ~》じゃありません!!朝食の用意は出来ておりますので早く朝食をお食べになって下さい!!」

いつにもまして機嫌が悪い

もしかして・・・・


「ジークと又夫婦喧嘩したでしょ」


「っ!・・。」

あっ図星だ。ジークはシアの旦那であり僕の専属料理長をしている。


「したんだ」


「そうですよ!!しました!!昨日、私達の結婚記念日だったのにあろうことかそれを忘れて新人の料理人と飲みに行ってたんです!!その後11時くらいに帰ってきてお腹がすいたって言うから前から頑張って仕込んでおいたカレーを食わせたんです!!そしたらジークなんて言ったと思います!!」

シアがジークのことで怒るのは日常茶飯事だけど今回はだいぶ御立腹の様子だ


「なっなんて言ったんです?」

僕はそう言った


「[このカレーは全然おいしくないな。自分で作ったほうが確実においしい]とか言うんですよ!!!」

ジーク、シアの料理にケチつけたらやばいってわかってるのに・・・・・

シアは人に尽くすタイプでジークのためにいろいろな資格をとったのだ。

だから調理師資格も持っている。

そして前から頑張って仕込んだ料理をおいしくない、と言われたのだ、怒る気持ちも分からなくはない。


「そ、それは大変だったな」

僕に八つ当たり気味だった・・・

後でジークに文句を言ってやろう


「でも、ジークのことが好きなんでしょ」

とメアが言った


「そっそれは大好きだけど・・今回は許せない」


「じゃあどうやったら許してあげるの?」

と僕が言うと顔を赤らめてこう言った


「結婚記念のやり直しと・・あとっ・・そのっ・・」


「後、何?」


「すっ・・すっ・・」


「す?」


「すっ・・好きって・・言って・・欲しいかな」

まっまさかシアがツンデレだったとは!シアのこんな姿を今まで見たことがなかったからびっくりした!


うーん・・・・ あっ!こうしよう


「シア、明日は仕事を休んで結婚記念のやり直しをしてきて」


「いえ、それは出来ません。私はカール様専属のメイドでございます。月に2日もお休みをいただいているのでそれ以上はいりません。」

困ったな~、

仕方ないこういう時は・・


「じゃあシア、これは命令だ」


「わ、分かりました、御命令とあらばありがたく頂戴いたします」

良かった~これでも駄目だったらどうすればいいか分からなかったな~


「うん。あっ、メアも今月もう1日休んでねメアも休まないと公平じゃないから」


「ありがとうございます」




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「朝はいろいろあったな~ ま、そのおかげで今回はあれ以上シアに怒られずに済んだんだけどな」

朝のことを思い出しながら僕はそう言った


「さて、今回も魔法書を取りに行こうかなー」

この家には魔法書がたくさんあるけど警備兵がいるから取りに行ったら90%は見つかるんだよな~

そんなこ事を言いながら西庭を散歩していると溜息を付いている男性がいた。

「はぁ~~どうしようかな~・・はぁ~~」

ん?あいつは・・ジークだ


「ジークちょっといいか?」


「ん?あっ!はい!何でしょうかカール様」


「シアの事でちょっと話があってな」


「まさかとは思いますが昨日のことじゃないですよね?」


「ん?昨日シアと何かあったのか?」

と嘘をついてみた


「あっいや何もないですよ、それで何ですか?」


「昨日の結婚記念日のことなんだけど―」


「知ってたんじゃないですか!」


「ごめんごめん面白そうだったからつい。」


「はぁ~分かりました。後、すいません我々夫婦の問題なのにカール様に迷惑をかけてしまって」


「ううん、別にいいよ気にしなくて

あっ!そうだったこれ受け取ってジーク」

そう言って僕は大銀貨5枚をジークに渡した

大銀貨1枚は大体1万円程である


「えっ!いやっそれはさすがに・・」


「ジークって明日休みでしょシアも休みにしたから2人で遊びに行ってきな」


「あっありがとうございますお言葉に甘えて」


「それを受け取ったからには明日、シアとちゃんと仲直りしてきてね」


「はい!ありがとうございます!」



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2日後シアはとても元気だった


「シア、昨日はたのしめたか?」


「はい!お陰様で仲直りすることができました!」


「それは良かったね、」


「あっ!あと、ジークがカール様に[ありがとうございます]だそうです」


「ううん、僕は何もしてないよ」



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あとがき


おはようございます、こんにちは、こんばんは、SYUUZIです。


今回は本編に行く前の話なのでシアの事を書いてみました。


次の回からは魔法や両親、神様達に貰ったものを書けたらと思います


いつもながら良かった所、悪かった所をコメントしてくれればありがたいです。

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