荼八

鏡合わせと空蝉

夏の匂いに 真っ白な空

川の中に飛び込む蛙


貴女も大概詰まらない日々をお過ごしでしょう 僕と私が救いあげて差し上げましょう


今の僕にはぼんやりとした不安何てものはありません

ただ一筋の光の道に歩幅を合わせるだけです


今の私には名誉やこの世の為とかそう云ったものが総て馬鹿らしく感じます


腰に掛けた灯りがゆらゆらと靡いています


ふたつの人が和音のように調和しています


同じ音 同じ匂い 同じ物に

なりましょう


あなたが手を伸ばしてくれれば助かったかもしれません


あなたがより力んで私を抱き締めてくれたら助かったかもしれません


でも もう心配 周りに配る心

思いやりとか情けとか

そんなものがどうでも良くなってしまったのです

あの日に目を開け眩い光が見えた時と同じ様に ___は

あなたと心中がしたいです

どうか見捨てたりしないで


あなたが点してくれひが

一瞬にして解けてゆくのを

目の当たりにしたあの日から私の蝋燭はぽたぽたと今も私の皮膚に落ちてきます

それが固まって形を為した時にはもう手遅れなの

私と死にましょう

僕の代わりなんていくらでもいるけれど僕になれるのは僕だけなのだから

僕としにましょう


どうか止めたりしないで

どうかいつもの表情で

笑ったりしないで

受け入れて欲しい


今とっても生きてるわ

だからだからだから

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荼八 @toya_jugo

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