第29話 ニャンの十五 長吉の恩
どこか遠くか近くかで何かが
気が付くと私は
身体には
顎と前脚にも何らかの違和感を感じはしたが、それよりも全身が
次第に頭がはっきりしてくるに連れて痛みが全身を
体がまったく言うことを聞かず、ただただ
その儘じっとしていたものか
ネコたるのこの私或いは私たちの命は、時ならずして
同様な出来事は長吉が時を同じくして役場の建物の
それでも奴は私を見つけ出してくれ、死の
或いはそれこそは神の機能の一端でもあったのであろうが、之もまた我々には内証の事柄であろう。
奴が私の鼻をの頭をそっと
それ以外のものどもも、私のような生死の
我が仲間の死屍の多くは
それから半年ほどして我が体も長吉の
或いは
あの
その頃傍らに暮らしていたお美代ちゃんも元気な顔を見せ、涙に暮れた後はお互いにほっと
お美代ちゃんも多くの
いろいろなもの、種々雑多なものが焼かれ、息絶え、消え失せては、その一代を限りに絶望しては死に絶え、希望に生き残った。
有難く脚も口も動けば、頭も
実際の処、奴の方が具合が悪かったのだろう。
自分を
恩に着ない訳には
そう言えば、この間の大水の時にはお美代ちゃんに助けられた。
まったくもって火も水も
そうそう命拾いばかりもしても、して
死に
皆で
このネコがもっと
ここに、この我が鼻先にある空気を吸い、水を
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