第22話 ニャンの十二の二 乞食王の2
人間どもの言う神の神話というものには、悪魔の
出自は
更には死神にすら見捨てられては不死の妖怪と化していく。
時に悪魔の
時を経て
生まれては死に、死んでは生まれ、それが幾度も繰り返される
並べて
「このような私が国王と会っては国民が浮かばれぬ。お主もそうは思わぬか」
そうか。いや正しくその通り。
誰が国王であろうと、それがどれほどの名君であろうと常に国民というものは
そして
それに引き
無論、国による助けも何もないが。
「お主は好いのう。何の
皆が皆幸せになれぬものか。
何と
死に
まあ、主も王も変わらぬ。
だが、この乞食王は
どう見ても乞食で
いや、
不意にネコに歌心が
いつかのどこかに奴がいた
夏の
お
周りのものはみな風と去り
以て自身は王でなし
王たることに
また王たるに
国の行く末をこれ知らず
やがての森は新緑に
信仰は以て
そんな奇妙な奴がいた
「なあ、お主よ。俺は亡き父から王位を継いで既に20年ほどになる。しかし俺は王座、王冠や
何と身勝手な。だが、理路は立っている。
平民の生涯に鳴る二つ三つの鐘はお
兵士など、何も知らぬ若い美空に天を仰いで野に
食うや食わずの
想像力の欠如は実にこれを
ただ、自身の立場から
「もはや私は何が欲しいと言うのではない。
いや、何も要らぬ。
それどころか、この私など此の国には要らぬと言っていいのだ。
此の国も私がいなくなれば、他の誰かが治めるだろう。
これが私の仕事であったのかどうか。
私がこれを行う必要があったのかどうか、今となってはそれが良く分からないのだ。
今でも夢に見るのは戦争の時の事だ。
父も元気であったから、連戦連勝の頃はよかったが、それでも多くの兵を失くし、その頃の国力の
あの世ではきっと兵士どもが私が死んであちらへ行くのを心待ちにしている事だろう。
幾ら
おお神よ、我は何と
知ってか知らずか、
兵士は何をもって死に行くのか、何に命を
まあ、つまりは彼らの仕事はただただ命を落とす、そのことに
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