第21話 ニャンの十二の一 乞食王
自らをどこぞの国王だ、いや我こそはこのヒトの世の王であると
その中の一人は奇妙に
曰く、「そもそも、わしは国王の器などではない。いや、だが責任だけは」と宣う。
そののちに続く
国王などとは知らぬが、国王に似た
この辺りの森は暗く、
ヒトはどうだか知らぬが、夜の方が寧ろ歩き易いぐらいである。
鳥や虫どもは寝静まっているが、我らの同類はうろついているかもしれぬ。
そうこうしつつ、夜の明かりを頼りにこの大きな小屋のような屋敷へと
歩き疲れて
この立派な屋敷には
出迎えてくれたのが先ほどの乞食とも
これは当てが外れたかとも思い、
まあ、
やや間の抜けて妙に品があるものの、何かの
ノミやシラミの国の国王がいるとして、目の前の国王はもしかするとそ奴らの足元にも及びもつかぬものかも知れぬ。
ヒトと言う特権的な地位を
ヒトの中でも国王と言うのも、言わば
そ奴はお
焼いたイモリかヒキガエルか、
或いは
ただ、こ奴の気分を表立てているであろう、こじんまりとした
「私は王などではない。そんなに立派な人間ではないのだ」
それはいかにもその通り、哀れな髭はともかくも、無数ともいえる
「みな立ち去ったのだ。私には
さらに他国の政治的な
本来、
如何に国の版図を広げようが、それは先住民の
仮想にせよ他を敵と
「この世、この地平において私たち人間に凡そ任務と言うものがあるとすれば、私は其れに従順に
なるほどそうかも知れぬ。もしそれがその通りならば、貴様は其処にじっと耐えている髭に同じ、世界に冠たる陸の上の
如何に
しかし実の
責任がどうの、
その内にある
心配は要らぬ。数千、数万を殺そうとも、すべての、あらゆる存在を
貴様が神をどう思うかどうかは分からぬが、神を自身の
それほどの事。
つまりは貴様が大王かどうか、また真に大王かどうかなどどうでもよい事なのだ。
そうして自らの語るに
此の世界に居るものたちは、
生が
み
国滅び
田無し
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