第18話 ニャンの九の二 伊助と魚
また、狂いネコの話も耳にした。
それらのネコたちは全身を引き
このネコ
或いはすべての
既にして
言わばその様な
周りの連中がそうして
果たして伊助の番であった。野良のネコがその辺りの
小なる
何時の頃からか豊饒の海は
ネコも狂った身体、置き処の置き処の無くなった
風の
何かが少しずつ
奴らの
皆の味方の振りをしたお調子者の仮面連中、或いは見えざる敵ででもあったのか、それとも実の
食うためなら命を
早晩、
それは決して悪い事ではない。
それとも地平や水平に準じ、また時に応じるのか。
小気味よい風の吹き抜ける何処かで
それとも矢張り
それとも
魂も命も善悪の境もない
この、ついちょっと立ち寄るべき岩体を為すこの場所に奴らが
早いが
彼らはまた何処かで思いを果たし、他の者どもの恩を以てこれに報いることもなく、
天高し
風吹かば行け 河や
地に潜む 虫や
ハリエニシダの
当ても当て所も無いのが本来であるが、然様に広大にして狭小なるこのネコの宇内を
それらはもしや此処より出て行くには
先ほどの我が
我がこの身内を吹き渡り流れて行く水や風、光や時は正しくネコの私という一点に於いてこの各各の
決して止まる事も
だがそんなことは
はて
水や光に同じか。
破れ砕け、千切れた魂は流れ流れて海の底に沈潜し、億千年の先に光の下に
今日は照らされ食う身ながら、明日は闇に
さてその魂魄はこの次は何処の誰に宿るのか、
時は流れず
魂魄の哀れ我が身に浮沈無し
桜花散りてし後の宴にて
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