16 仮面の剣士 ー後編ー
アンドレの踏み込みを見て、前にいる
アンドレの剣と
が、すぐに
「マジかよ……
『力の強さが全てではない、ということだ』
アンドレは突き飛ばされた力を利用して一気に加速。
「最初から私が本命ということですか……!」
アンドレは
彼女の防御は間に合わず、剣が腕に突き刺さり血しぶきが舞う。
「ぐぅ……!」
“シールド”のお陰でダメージは軽くなっているものの、
「それ以上、させるか! “強化打撃”!」
骨棍棒を拾った
これにアンドレは
直撃ではないが、アンドレがこの戦いで攻撃をまともに受けるのは初めてのこと。
仮面の剣士は苦悶の声と共に大きく吹き飛ばされた。空の木箱に激突し、破片と土煙を舞わせる。
「ハァ……ハァ……なんとか一発かな……さっきの鍔迫り合いの時もそうだったが、あいつにはスピードはあるが力も重さもない。まるで女子供を相手しているような感じがするぜ」
「“ヒーリング”……身のこなしを見る限り、
腕を治療する
そのやり取りの直後、土煙が振り払われた。
中からは煤だらけとなりながらも、剣を振り終わった姿勢で佇むアンドレの姿がある。
『なかなかやるではないか! やはり棍棒の威力は油断ならないな』
汚れてしまった服を気にするそぶりもなく、仮面越しでもわかるくらい“喜”の感情を前面に出すアンドレ。
『さあ、お互い身体が温まってきた頃だろう。我も本気を出すぞ』
素早く距離を詰めるアンドレの気迫に息がつまる『鉄槌』の2人。
どのような攻撃が来ても防御できるよう棍棒とメイスを構える彼女らに、アンドレはさらに速さのギアを上げて連続で斬りかかる。
「ぐおお……!!」
「私が援護します! “強攻撃”!」
釘付けになっている
『それも相手に認識されていては何にもならぬ。“強化斬撃”』
2人の攻撃が交差し、火花と甲高い音を散らす。
最初の鍔迫り合いでは互角だった力関係も、スキルの後押しに上書きされてアンドレが打ち勝つ。
それだけには留まらない。
「うそ、私の“鋼鉄のメイス”が……」
カランカラン、とメイスの先端が地面に落ちる音がした。
アンドレの攻撃は
『終いだ』
なんの抵抗もなく背中まで貫いた後、剣を引き抜くと同時に女を蹴り飛ばした。
「よくもウチの仲間を……」
仲間がやられ、その顔が憤怒と恐怖に染まる
それに対して、アンドレは水面のように凪いだ心で語る。
『次はお主だ』
その言葉を皮切りに、“殺気”を真っ直ぐに
「こ、こいつ……体力と集中力が無限にあるっていうのかよ……!」
「くそったれがああああ!」
破れかぶれとばかりに
だが、その程度の気合いで戦況が覆るほど相手の鍛え方はヤワではなかった。
『“強化斬撃”』
アンドレの発動したスキルは、的確に
地面には
影となってわかりづらいが、
『……の“峰打ち”だ。命まで取る趣味も理由も今は無い』
発動者が武器でどれほどのダメージを与えても相手は死ななくなる、という一見メリットのないスキルだが、敵の無力化をするだけで良い場合には有用なスキルになり得る。
なおEWOでは、
『もう気絶して聞こえておらぬかも知れぬが、根性論で逆転など滅多とあるものでは無い。……これは我というよりジンの論だが、の』
アンドレは戦闘不能になった
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