第十五章 復讐開始2~アルスの怒り~
両手を半透明な魔法の輪で縛られた僕は、ヴェルノラ卿もとい御者の屋敷の地下牢に連れてこられた。
薄暗い。
廊下には一応魔法の照明が付いているが、必要最小限といった具合で2メートル先はもう見えない。窓も天井付近に小窓が幾つか開いているだけで、風通しは最悪だった。空気もジメジメしており、呼吸しているだけで病気になりそう。
やがて先導する御者の手で鉄格子の扉が開くと、
「おらぁ!」
僕はプリムに蹴っ飛ばされた。殆ど受け身も取れずにアゴから地面に倒れる。何かの液体が僕のボロキレ同然のシャツを汚した。それは地下室にたまった汚水だまり。表面がギトギトしてヘドロみたいになっている。
「前からさ~、やってみたかったんだよね~、ご・う・も・ん♪ あたし絶望する男の顔ってー、控えめに言って大好きだから♪」
復讐しに来た僕を返り討ちにしたうえイジメられるというので、プリムは最高に上機嫌だった。その上機嫌ぶりたるや、かつて僕の恋人だったときにはとは比べ物にならないほどだ。両手を振り回してステップを踏み、鼻歌など歌っている。
覚えてろよ。
「あ、あの……ぷ、ぷひむさま……こ、殺しはしませんよね……!?」
「え? あー、どうしよっかなー?」
言って僕の顔を見てくる。
ちなみに僕だけど、既にプリムによってボコボコにされていた。
鏡も見てないから詳しくは解らないけれど、顔中腫れてズキズキ傷んでいる。恐らく目元が腫れてるのだろう、右目が潰れているのか、視界が半分利かない。歩けるように足は潰されなかったけれど、両手は秋の紅葉みたいに押しつぶされていた。力は当然入らないし、風が吹くだけで皮が裂けそうだ。
「ヴェルちゃん的にはどうしたい?」
「じ、自分はその……い、命だけは見逃して差し上げたいかなと……!」
「命?」
「は、はい、御覧ください。顔はボコボコですし、両手もこれでは動かせません。おまけにアバラも折れてるようですし……その、もう十分なのではないのでしょうか……?」
御者が相変わらず枯れたオーク面をヘコヘコさせて、プリムにお伺いを立てている。
保身のためなら『殺しましょう♪』とか言えばいいのに、どうして僕に情けを掛けてくれるのだろうか。
まだ僕の事を主と思ってくれているのだろうか。
それとも、次にこうなるのが自分だと解っているからか。
「ふーん? ま、ヴェルちゃん自身がそういう約束だったもんね?」
「……」
「あんたさー、あたしに何しようとしたっけ?」
そう言って、プリムが御者の髪を引っ掴む。
もう1000本もないだろう、彼の貴重な髪が頭皮ごと抜けてしまった。
「グヒイイッ!?」
「あたしに媚薬入りのジュース飲ませてさー。怪しいお香を焚いた部屋に連れ込んで、悪戯しようとしたっしょ? ま、全部効かないんだけど! おいしくゴクゴクジュース飲むあたし見て油断しちゃったんだよねー。このクズ男!」
へえ。
善人面して裏ではそんな事してたのか、御者。
偉い。見直したぞ。
ジュースなんか飲む奴が悪い。
「でっ……でもそれはッ……ぷひむさまが……ッ!?」
なんて僕がクズらしく感心していると、御者が言った。
まさか抗弁されるとは思っていなかったのだろう。プリムも掴んだ手を放し、
「ん?」
意外そうな顔で彼を見返す。
「そっ……そもそもぷひむさまが、私の事をお誘いになられてッ……ですからわたくし少しでも楽しんでいただこうとッ……自分に性的魅力がない事を十二分に知っておりましたから、それでッ……!!」
御者は、泣きじゃくりながらも必死に真実を相手に……この場合は僕だろう。伝えようとしている。
「――は? 全部、あたしのせいだっつうの?」
その時地下牢に響き渡った声は、死の恐怖そのものだった。
僕でさえ若干は恐怖を覚えたほどだ。それを直接ぶつけられている御者の心地たるや、いかなるものか。窮鼠猫を噛むというが、実際に猫を噛んだネズミはこんな思いをしながらその身を食いちぎられるに違いない。
「あたしのせいだって? このあたしが、アンタみたいなチビデブハゲのゴミ男相手にレイプ懇願したって? だから俺様悪くねえぜってヴェルちゃんはそう言いたいわけ?」
「ふひっひひひいいいッ!!!?!? 決してそのような事はアアアッ!!?!?!!?」
「人のせいにしてんじゃねえよ!!!」
ゴンッ、と鈍い音がした。
見れば御者の顔が半分石の壁に埋まっている。プリムが彼の髪を再び掴んで、カビだらけの石壁に打ち付けたのだ。
御者は時が停まったように、ピクリとも動かない。
まさか……殺したのか?
「……ぁ……」
御者の口がわずかに開く。
よかった。どうやら手加減するだけの理性は残っていたらしい。
「いい!? あたしが誘ったどうこうってのは全部言い訳! そんなの全部騙された『アンタ』が悪いの! あたしみたいのに捕まるのも全部『アンタ』が悪い! そもそもクソデブチビのド底辺ブサイク中年オッサンの分際で、女にモテようなんてキメえんだよ!! てめえみたいなゴミはゴミらしく金むしられて底辺這いつくばってろ!!!!」
御者の無事にホッと胸を撫でおろしていると、プリムが罵倒混じりの説教をし始めた。
御者も御者なりに頑張ってきたのにな。自力で。
「……ひぃっくぅッ……!!」
それを聞いた瞬間、御者の目から涙がこぼれる。
その涙は、成分としては恐らく先に流したものと変わりないだろう。だけど僕には、その涙に込められている気持ちがよく解ってしまった。
御者が今流してる涙は、体の痛みによるものじゃない。それを流させているのは、情けない自分自身に対する自己嫌悪の念。そして、それに相反するような相手に対する思慕の念だ。
そう。
御者はプリムが好きなのだ。女によって騙され、これだけの事を目の前で言われても、まだこの女が嫌いになれないでいる。
痛い。
これは他人事じゃない。
かつての僕と同様、御者もまた女によって苦しめられているのだ。あの森に居た僕と同じように、自分が信じた女に裏切られて猶それを認められずにいる。
「アッハハハハハ!!! なーに泣いちゃってんの!? 男のクセに情けない!! まー命だけは勘弁してあげるよ! その代わりアンタ一生あたしの奴隷ね!? 女とヤれるとか思うなよゲロデブゥ!!」
「は……ぃ……」
やっとプリムの手から逃れると、御者は冷たい廊下にペタリと座り込んでしまった。血と涙と鼻水と涎と胃の内容物が混じった液体を、口からポタポタ床に零している。
「おいゲロデブ。復唱しろ」
それでもプリムは御者を許さず、残り数百本になった彼の髪を掴んで持ち上げ言った。そして彼が零した吐しゃ物の上に叩きつける。
「ふ……復唱……?」
「そ。私は一生プリム様の奴隷です。一生セックスしませんって誓え」
「はぃ……私は一生ぷひむ様の奴隷です……女性とは生涯性交渉を結びませ……」
「待てよ」
御者の言葉を遮るように立ち上がって、僕は言った。
男の尊厳を根こそぎ奪うようなそんなセリフは言わせない。
「御者。キミはそんな事を誓わなくていい。女は犯せ。それからこのクソ女は奴隷にしろ」
「あ?」
プリムがその愛らしい眉根を寄せて、ごろつきみたいな強面を作って僕を睨みつけてきた。
でも僕は怯えない。
当然だ。僕はこういう女をブチのめすために強くなったんだから。
「聞けよゲロ賢者。御者は努力してきた。彼なりに一生懸命頑張ってきたんだ。その結果やっとチャンスを掴んでお金持ちになった。それで今度は二度目のチャンスを掴もうと思って男爵の地位を買って自分に箔を付け、女の子を集めたんだ。出会いを求めてね。その結果がプリム、お前に引っかかって全てを失ってしまった」
「そうだよ? だから全部こいつが悪いんじゃん!」
プリムは『何をいまさら』とでも言いたげな顔で、両手を持ち上げてみせた。
「確かにそうだ。少なくとも、お前みたいなクズ女を近づけてしまったのは御者自身の責任だろう。だから御者はお金も屋敷も失ったし、今もこうして女の事で苦しみ続けている。つまり自分のしてしまった行為の結果を受け入れてるって最中なんだ。だから彼はいい。僕が言いたいのはプリム、お前が取るべき責任の方だ」
「あたしの、責任?」
「そう。騙した代償にお前は何を支払った? 腕の一つでも組んでやって、その程度だろう。到底許されない」
積年の恨みを込めた目で僕はプリムを睨みつけた。
プリムは少し顔を持ち上げると、その高い鼻先で僕の視線を跳ね返すように微笑む。
「へー、あのゲロバカアルスくんが、少しは賢くなったんだねぇ? えらいえらい。それで? あたしに何しろっていうの? その責任とやらを果たせばいいんでしょ?」
偉そうに腕組みをして、圧倒的な高みからプリムが僕に尋ねてくる。
僕はそんな奴の鼻っ面に、次の言葉を突き付けてやった。つまり、
「この場で御者に土下座しろ。そうしたら僕は許してやる。後の謝罪方法は御者に聞け」
我ながら、破格すぎる条件だった。
領地も屋敷も金も名誉もみんな失ったというのに、レイプもメス奴隷化もしないなんて僕は何を言ってるんだ?
我ながら呆れてしまう。だけどそれも怒りのためだ。僕は怒りで我を忘れて……!
――ああ、怒りか。
この怒りは、いつもの
僕の中のアルスが、今初めて恐怖心を克服してクソ女に激怒している。僕と同じ立場の御者が徹底的に搾取されてる様を見させられて、優しい彼がブチギレてるのだ。ならば僕もそれに応えてやらなければならない。
「ハアッ!?!? バッッッカじゃないの!?!!? なんでこのあたしがそんな事してやらなくちゃならないのよ!!! ブチ殺すぞ!!?!?」
ただ単に謝れと言っただけなのだが、相当気に喰わなかったらしい。
プリムが僕に逆ギレして叫んだ。
「お前はかつて僕の純情を弄んだだろうが。そして今、御者の純情をも弄んだ。その代償としてなら謝罪くらい安いものだろう。他人に責任を取れというのならお前も責任を取れ」
プリムの恫喝に対して冷静に返しながら(そう、これは弱虫でグズだったアルスによる復讐だ)、僕は未だゲロの中に埋もれている御者の顔を見た。彼はただ黙って口を真一文字につぐみ、何かに耐えるように両目を瞑っている。それが僕にははっきりと、自らが犯した過ちについて反省しているように見えた。
それに比べて目の前の女の態度と来たらどうだ?
己の過ちを悔いるどころか、認めすらしない。
御者とどっちがゴミかなんて、一目瞭然すぎる。
「キャッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」
僕が整然とそう答えると、プリムはけたたましく笑い出した。
僕は何もおかしい事を言っていないのに、義妹のエルザみたいに笑いやがる。
「なーにそれー!? キャハッ! おっもしろーい!! ゼーンゼン意味わかんないんだけど!!! キャハ!! キャハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
「がはぅッ!?!?!!?」
プリムは笑いながら僕を張り倒した。
石壁に頭から衝突して倒れ伏した僕の腹や足を、ブーツの足裏で何度も踏み潰す。ブチブチブチィと筋肉繊維の避けるような痛みが走った。
クソ腹立つ笑顔だ。ブチ犯したい。
「だって何も悪くないんだよ!? ちょっと優しくしたらゴミどもが誤解してきて、それで勝手に貢いできただけじゃん! あたしむしろ被害者だよ!! こんなキモ男どもに集られてさー、ホント嫌な思いしてんだからね!? なのになーんであたしが責任とらなきゃいけないの!? プリムわーかーんーなーいー!!!!! ギャハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
あまりにも白々しい言い草だった。
「ふざけるな!! お前は僕の告白を受け入れた!! 恋人同士になって、それで色々世話してやったのに、それを『勝手に貢いできた』だなんてそんな都合のいい話があっていいはずないだろうが!!」
「ふーん都合のいい話ねぇ? だったらどうなの? あたしは謝罪しないよ? 悪いことしたなんてこれっぽっちも思ってないから♪」
「だったら僕がお前の罪を裁いてやるよ」
「へえ?」
「騙された男が責任を取り、騙した女が責任を取らない! そんな理不尽は絶対に許さん!! 僕のようなクソ男が酷い目に遭っているなら、その分必ずお前らクソ女も酷い目に遭わせてやる!!! 天でも皇帝でも女神でもない、この
僕が全力で憤ってやると、
「ふぁ……ふぁるす、閣下ぁ……ッ!!」
御者がむくり起き上がり、ゲロ塗れの口元を拭きながら呟いた。その目は涙に濡れている。
「うっせええええええええぇッ!!!!!!!」
次の瞬間、プリムがブーツのカカトで僕の背中を踏みしめながら叫んだ。
「随分人にモノが言えるようになったねぇ!? あの田舎育ちでボンボンの、女のケツを盗み見るしか能がないムッツリスケベのお坊ちゃんがさぁ!!??! 世直しでもしようってぇ!? あたしに騙されてちったぁ成長したって事かなぁ!? あームカつく! すっごいムカつくんだけど!!!」
言いながら、何度も僕の背中を踏む。元々アバラの折れてたところを踏まれたので、肺の中に真っ赤な火掻き棒でも突っ込まれたみたいな激痛が走る。余りの痛みに声はもちろん息もできない。
その一方で、僕の
「あームカつくわマジで!! あたしお風呂入る!!」
プリムはギロリと僕の顔を睨みつけると、きっとストレスでも溜まったんだろう、そう言って牢屋から出て行こうとした。
女の無防備な背中に、自然と股間が盛り上がる。それに連動して、海綿体の奥底で溜めておいた怒りが、吹き出しつつあった。怒りは右手の甲に向かうと、まるで浮き彫り加工を施したみたいに手の甲に逆さのハートマークを浮かび上がらせる。
好機到来!
「まてよおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!」
僕は叫び散らしながらプリムに飛びついた。男の恨みの籠った絶叫が、地獄の底みたいな地下牢中に響き渡る。
「きゃっ!?」
いくら強いと言っても体つきは華奢なプリムは、急な体重変化に耐えられなかった。従って、その新品の枕みたいな体は容易く牢屋の床に押し倒される。
僕は構わずプリムの尻に硬くなった自分の一物を押しつけた。そして、
『ラブインバース』。
唱える。
すると右手の甲に感じていた熱さが一瞬スッと引き、血流のように体内を駆け抜けた。続けて僕の一物に溜まっていた
「ひぃんっ!?」
プリムがビクン、と上体を反らして固まった。やがてその首だけが60度振り向く。
「……今、何かした?」
怒りと恐怖の入り混じった、血のような
「今ッ!!! 何かしただろおおおおがあああああああああああぁッッ!!!!!」
「ぐぁッ!?」
次の瞬間、僕の体が宙に浮く。
時を跨がず僕の壁はゴツゴツした硬い石の壁に背中から打ち付けられた。恐らく風属性魔法【レビテーション】の応用だ。それを自分にではなく僕の全身に掛けている。
「ぎっ……ぐっ……ぐぅッ!?!?!?」
恐ろしい事に、僕の体に掛かる負荷はそれだけじゃなかった。指や足や髪や鼻を、万力みたいな力で引っ張られる。全身の皮膚が裂けて、溢れ出した血液の粒一つ一つがあらゆる方向に向かって飛び散っていった。余りの激痛に泣き叫ぶ事すらできない。
数分。
いや、時間にすれば恐らく数秒の事だったのだろう。永久に続くかと思った拷問はようやく終わった。空中に散っていた僕の血液が一斉にバチャッと落ちて床の汚水たまりと同化する。我ながら、こんなに血が減ってもまだ生きてる事が不思議だった。
「ねえ聞いてる?」
聞けるわけないだろうが。
僕の状態を見ろ。耳からも血が噴き出してるんだぞ。全身裂け目だらけ。その裂け目の一つ一つからピュルピュル血が噴き出してる。まるで発芽したイチゴみたいに。
僕は怒っていた。だがその一方で、嬉しくもある。
プリムはあの愛らしい大きな目を怒りで真っ赤に染めて、僕を睨みつけている。こいつのキレた顔を見るのは実に爽快だ。だってこいつは今ラブインバースにかかっている。僕の事を嫌いになればなった分だけ、後で僕を好きになるのだ。
よし、それなら次は、なんてこいつに言ってやろう。
そうだ。
「せ……」
「せ?」
「セックスさせて♪」
僕は殆ど動かなくなった顔の筋肉を総動員させて、満面の笑みを浮かべそう言い放った。
「死ね!!!!!!!!!」
直後、股間に強烈な痛撃。
股間に雷が直撃したような激痛に一瞬プチッと意識が飛ぶ。
「あがあああじゃじゃかおおおおおおおううううづうれうさおうあああうさうさうささあいあいあいあいあおああぱああッ!!?!?!?!?!!??!!?」
続けて聞こえてきた耳を劈くような叫び声は……ああ、自分が発狂しているのか。
悔しいけど、この激痛ではむしろ叫んだ方が無難だ。
残念ながら僕は勇者ではないので、想像を絶するような痛みには耐えられない。したがって自分を客観的に見ている。誰か別人が受けているものとして、脳内で痛みを隔離処分するのだ。うまく隔離できれば痛みが体感で3割程度抑えられる。声を張り上げる事でも痛みを軽減。
以下、冷静に泣き叫びながら現状分析を続けよう。
僕は一物をヒールのカカトで押しつぶされた。しかもカカトからは溢れるような魔力が噴出しており、これはどうやら先に僕の体を引き裂いた風の魔法を集約させ、爆弾のようにして破裂させたらしい。いわば風爆弾。僕の股間が
「あッ……あっはああああああんんんううううんんんッ!?!?!?!」
その余りの光景に、きっと傍で見ている御者の方が耐えられなかったのだろう。
彼はその場に尻もちを突き、燕尾服の股間を押さえてビクンビクンしている。
見れば、彼の足元にも透明な水たまりができていた。どうやら余りの恐怖に失禁したらしい。ジョバジョバ泉が湧きだしている。まあ、男なら誰しも解る痛みだからな。だけど以前にプリムに酷い目に遭わされた時はこれ以上に痛かった。
だから大丈夫。僕は死なない。
「死ね死ね死ねクソバカロリチンコ野郎おおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!」
僕らの悲鳴に負けないくらいの大声で、プリムが僕を絶叫罵倒してきた。彼女はそれだけ言うと、ミディドレスの裾を翻し、今度こそ牢屋を後にする。
あんなに立腹しちゃって。
よほどムカついたんだろう。ラブインバースの効果が出たら一気に堕ちるぞ。
これで奴は終わりだ。もう謝罪程度では許さん。徹底的に調教してやる。
徐々に消えていく意識の中で、僕は改めてプリムに復讐を誓った。
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