第79話 ヒーローを狙う魔術師達

 秋葉原に飛んだ稲荷仮面とサンダーは秋葉原ダンジョンを目指していた。


 だが予想通りの光景が目の前にあった。


 秋葉原ダンジョンの前には黒づくめの魔術師らしき奴らが鎮座していた。


 魔術師たちは一斉に稲荷仮面とサンダーを見ると魔術を放ってきた。


 攻撃はまったく稲荷仮面に当たらなかった。


 サンダーはアンテナを張っていたので、攻撃の方向などが予測できたので当たらなかった。


 そして反撃する稲荷仮面とサンダー。


 死なない程度に撃退していくヒーローたち。


 だがそこで強力な刺客が現れた。


 青のローブを着込んだ、青髪の男が現れた。


「おっとお前たちを通すなと上から言われているんでね……」


「ふーん? それでどうするんだ?」


 稲荷仮面は小馬鹿にするようにおちょくる。

 それを聞いた青髪の男は冷静に大海の水深よりも深く緻密に稲荷仮面に言い放つ。


「俺を甘く見るなよ」


「聞け! お前たち不審者を倒す俺の名前は『ミナカ』だ……」


 なぜ名乗ったのか、稲荷仮面は不可思議に思った。

 がすぐに流した。


 ミナカが水の砲撃を喰らわしてきた。


 稲荷仮面は普通に躱した。


 サンダーは相性が悪いと一瞬で判断した。


 自身の使う能力は電撃だ。

 電気は水に通りやすいが水は電気をため込む性質があるので、水の盾を張られたら攻撃が通らない。


 サンダーはすぐに武装(ジオアーム)で雷の槍を作り出す。


 近接攻撃は苦手だが仕方ない。


 稲荷仮面はあえて、水に対して不利な炎のスキルを使用した。


「火蜂」


 無数の大量の火の蜂が空間に出現した。


「ほう…………」


 ミナカが冷静に状況を判断する。


 水の魔術を得意とする俺に対してあえて火の力を使うとは……なめられたものだな。


 水の弾丸を無数に散弾銃のように発射したミナカ。


 稲荷仮面はそれを火蜂で防いだ。


「無数の水の弾丸をそんなちっぽけな火で防げるだと!?」


「驚くのは早いぞ」


 だがミナカは内心冷静に対処しようとしていた。


 あえて怒り狂ったふりをして敵を油断させる作戦だ。


 ミナカは思っていたより知将の器はあるようだ。


 水の刃を放つミナカ。


 大きいやつと小さいやつを連続で発射した。


 そしてそれを反対側からも放つ。


 四方八方から放った水の刃はサンダーを狙っていた。


 サンダーはすぐにジャンプして回避した。


 だが水の刃は追ってくる。


 電撃を放って何とか止めた。


 しかしミナカはまだ押してくる。


 水を網のように放ってきた。


 そのまま拘束するようだ。


 稲荷仮面が前に出る。


 剣を一瞬で出して切り裂いた。


 そのすきをついて、水の槍が空中で出現して高速のスピードで稲荷仮面を狙い殺そうとする。


 稲荷仮面は水の槍を手で受け止めた。


 だがそれすらも罠だった。


 その瞬間水が弾け飛んだ。


(成功した! やった……)


 稲荷仮面はすぐに異変に気付く。


 どうやらこの水は硫酸のように危険な水だ。


 手袋がドロドロに溶けている。


 やるじゃないかと内心思っている稲荷仮面。


 だがすぐに稲荷仮面も少し本気を出すようだ。


 空間転移でミナカの眼前に出る。

 

 そして拳を神速の速さで打ち出した。


 ミナカは反応できるスピードじゃなかった。


 だが物理攻撃は想定の範囲内だった。


 ミナカはアクアチェインメイルという魔術で自身の防御力を上昇させていた。

 しかも五重に重ね掛けしていた。


 だが稲荷仮面の凄まじい腕力から繰り出される拳の一撃はミナカの魔術を突破してミナカに致命打を与えた。


 ミナカは強かった。

 だが稲荷仮面はもっと強かったわけだ。




 

 ミナカを倒した稲荷仮面とサンダーは秋葉原ダンジョンに侵入した。

 


 

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