第80話 魔夜間
魔夜間家は古くから陰陽道と自然魔術を基礎とした魔術師の一族である。
黒魔術を主に使う黒雲家や白魔術と精霊魔術を使う光魔一族などもいるが。
魔夜間家はオールラウンダーな一族でほぼ全ての魔術を礎にした一族だった。
先代当主は1700年前ぐらいから魔術を使用していた。
潜在的魔術を使用していた先代当主の魔夜間神明公天(まやましんめいこうそら)は潜在魔術を使用して奇跡を起こしていた。
先代当主は最初は人のその時代で治せない不治の病を治したり。
さらに殺戮者から民衆を守ったりして、その村では救世主だった。
天は女性だが最強の力を持つ魔術師だった。
生まれながらの超天才だが決して奢らず自らのために力を使わず、弱っている人や動物などに力を使った。
その後いろいろあり魔夜間家として魔術を発展させていった。
その19代目当主が魔夜間幻冶(まやまげんじ)である。
今年になって60になる。
その当主である幻冶は息子である魔夜間信魔(まやましんま)に当主の座を譲るかを迷っていた。
言いたくはないが信魔には魔術の才能がなかった。
そのかわり勉学の才能があり、大学では博士号を取り、現在大学で教授として生命科学を研究している。
といっても信魔は幅広く色々な分野に手を伸ばしており、プログラミングもある程度というか大分できており、自分でソフトを作れるレベルだし、博学で色々な技術を習得している。
その成果倫理的に犯していけない領域まで到達していると本人は自覚しているが、それを親父にも内緒にしている。
だが息子や娘に対してはかなり厳しく、昔から小さいころから躾がかなり手厳しい。
特に息子に対しては鞭を奮う如く体罰も辞さない。
がやりすぎないように微妙に調節する極意は心得ている。
あえて戦陣の崖から落として成長を促すそんなスパルタといってもいい教育だった。
だがそれをフォローする存在がいた。
魔夜間信魔の妻つまり息子と娘の母親、魔夜間倫歌(まやまりんか)である。
倫歌はスパルタな夫と違い息子と娘を思いっきり甘やかした。
こっそりお菓子を買ってあげたりゲームを買ってあげたりして一緒に遊んだり夫に内緒で息子と娘たちと一緒に遊園地に連れて行ったりした。
それで息子と娘たちは母親が大好きだった。
だが母親は息子の魔夜間魔刀(まやままとう)が12歳、娘の魔夜間(まやま)マヤが6歳の時に死んだ。
突然の死だった。
息子と娘は大いに悲しんだ。
だが夫である信魔そんな日でもあるのに研究室に引きこもって研究ばかりしていた。
息子と娘は父が嫌いだった。
だが息子は父に逆らえないのでかなり依存していた。
親の命令は絶対であり親の言いつけを守らないものは死を意味する。
そこまで考えていた。
だがマヤはそれでも自由奔放に生きていた。
9歳になるまでは。
9歳の誕生日に突如として制御不能な異能の力に目覚めた。
サイコキネシスの類で家中の物がめちゃくちゃに動かされて損壊した。
信魔がマヤを酷くしかりつけてマヤがキレた瞬間に異能が発動した。
信魔は咄嗟に防御結界をマヤの周囲に張ってなんとか押さえつけた。
その後捕縛魔術を使用してマヤの自由を奪った。
そしてマヤを自宅の牢に幽閉してお手伝いさんに世話をさしていた。
マヤの制御不能な異能の力のサイコキネシスを封印するために封印魔術を使用して異能を封印した。
だがそれでも幽閉生活をマヤにさせていた。
小学校にも通わせずに飯だけ与えてそんな生活。
だが魔刀は自分の妹が軟禁されていても父親には逆らわずに父親の言うことを聞いていた。
そして次第に父親に似てきた。
魔刀もマヤに対して過剰な暴力を奮うことになる。
だが心の奥底ではマヤに対して親愛の情があったが、それでも信魔の恐怖に威圧されて魔刀は父親に影響されていった。
そしてそんな魔夜間魔刀は秋葉原ダンジョンを一人で556階層を進んでいた。
「はぁはぁはぁ……まだいける……まだいけるぞ……待ってろマヤ…………」
魔刀の目的はダンジョン制覇の特典である。
封印魔術を施されている妹のマヤを解放するために封印解除のスキルを得るために動いていた。
それと父親からの呪縛から解放されるために自らの鍛錬が目的である。
だがここで彼に不幸が起こる。
一斉にネット上に巻き起こるニュースが出回った。
『今回のテロ集団の正体が判明しました。テロ集団の名前は【闇夜の神天魔ネイ】と思われます。今年結成された宗教組織のようで詳しいことはわかっておりません』
『総統の名前が判明しました。魔夜間魔刀17歳高校生です』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます