第70話 秋葉原ダンジョンで修行する雪兎とシロン

 秋葉原ダンジョンに入った雪兎とシロン。


 シロンは途中で捨てられた黒猫を拾っていた。


 シロンはお姉ちゃんみたいですと言い、従魔にすると決意する。


 雪兎は黒猫を見る。


 すると魔力のような物を感じる。


 どうやら普通の猫じゃない。


 黒魔猫又とかいう種族でモンスターだった。


 しかし人間を襲うことはなかった。



 むしろ人懐っこい黒猫だった。


 従魔契約をすると念話で話しかけてきた。


『シロン様。拾って下さってありがとうございます』


『喋れるのクロマル??』


『もう名前付けたのか』


 雪兎も念話に参加している。


 クロマルというのが黒魔猫又の名前だ。


 

 クロマルは意外と話の分かる賢い魔物だった。

 黒魔猫又は長生きの猫の魔物だ。

 300年は生きると言う。


 もう300歳だがまだ少年のぐらいの感覚らしいクロマルにとっては。


 特技は闇魔法らしい。


 ダークネスアビスとかダークホールとかダークボールを使うらしい。


 クロマルという優秀な? 従魔を仲間にしたシロンは少しだけ得意げだった。


 二人と一匹は秋葉原ダンジョンに入ることになる。


 一階層から魔物をどんどん倒していき十階層までやって来た。

 現れたボスモンスターはコボルトジェネラル。


 試にクロマルの実力とシロンが単独で倒せるかどうか見るために雪兎は様子を見るようだ。


 もちろん直ぐに危ないなら加勢はするが。


 雪兎だってシロンの実力をまあまあ把握していた。


 実際彼女ならオークジェネラルぐらいなら単独で倒せるぐらいの実力はあると把握していた。


 ただオーガぐらいになると単独では難しいのではないかと考えていた。

 

 オーガが出てくるのはかなり稀だが50階層の辺りから稀に出る可能性がある。

 

 70階層ぐらいになるとかなり頻繁に出てくるらしい。


 今現在ランク制度が探索者間でつけられている。


 上からSランク探索者、Aランク探索者、Bランク探索者、Cランク、DランクEランクFランクGランクが最低だ。


 最低のGランク探索者の奨励階層は29階層までと言われている。

 Fランクだと39階層、Eランクだと49階層、Dランクだと55階層、Cランクだと69階層。


 Bランクは89階層までとなっている。


 Aランクだと99階層だ。


 Sランクだと100階層以降自由となっている。


 もちろんこのランク認定は半分自己申告制だ。


 この自衛隊の精鋭が探索をつねに行っているのでどの階層にどのモンスターが出てくるのかのリストを常に貼りだしている。


 自衛隊の精鋭部隊の現段階の9月2日時点での秋葉原ダンジョンの最高到達階層は104階層までと発表されている。


 白夜雪兎はと言うと138階層まで到達している。


 基本ミリア・ベルと月夜月名(つきよるな)で潜っているが、出てくるモンスターは張り合いがない。


 132階層で出てくるギカントオーガディスタードや135階層に出てくる死神魔双狂戦士など現在138階層ではトルネードワイバーンなどが出てくる。


 ドロップ品もなかなか有用なやつが出てくる。


 トルネードワイバーンの場合はトルネードワイバーンの牙や皮や肉がドロップする。


 130階層で手に入れた輝きの白銀のローブは対物防御と対魔防御にブレス系のダメージを20パーセントカットする上に死霊系が使うバットステータスの発生する魔法を7割の確率で防ぐ。


 以前手に入れた碧風竜王のローブのほうがブレス系のダメージカット率が高いし、風魔法を85パーセントもカットするから微妙だった。

 基本的に黒穴のダンジョンの方が強力なモンスターが出現するので、秋葉原ダンジョンは腕試しみたいなものだ。


 それにバットステータスの発生する魔法を喰らっても雪兎の場合あまり苦にならない。


 もともとのステータスが高い上に精神力も莫大に有るのでバットステータスは特に困らない。

 しかも喰らっても効果を受けたことが無いからだ。


 ただ今までの死霊系のモンスターが雑魚ばかりというのが理由だが。


 今後黒穴のダンジョンで強力なモンスターが出ないとも言えない。


 秋葉原ダンジョンも進めていけばもう少し歯ごたえのある敵が出てくるかもしれない。


 


 

 シロンはコボルトジェネラルを打撃系の杖を使うことで大ダメージを与えていた。


 クロマルもダークネスキャノンでコボルトジェネラルに大ダメージを与えて倒してしまった。


 その後、三時間ぐらいかけて30階層ぐらいまで進み、今日はここまでとなった。


 次の日、朝の9時に秋葉原ダンジョンに入り、6時間かけて73階層まで来た。


 この辺ぐらいになると雪兎も戦闘に参加している。

 実際のところ二人と一匹でレべリングしたほうが効率が良いからだ。


 そしてシロンのレベルも順調に上がり続けて現在53だ。

 だが覚えた魔法はハイヒールとハイマギヒールとオメガマインドヒールのみだ。


 スキルは猫の忍び足というやつと瞬歩だけだ。


 相変わらず攻撃魔法は覚えない。


 クロマルはもともとレベルがまあまああるほうで68から78まで上昇した。


 雪兎は殆どレベルが上がらないでいた。

 雪兎のレベルは現在198ある。


 ミリアは前まで98で月名は107だった。


 こうなったらスキルスクロールを見つけてシロンに新たなスキルを覚えさせるしかない。

 そうする以外に攻撃魔法を覚えさせる手段がない以上スキルで代用するしかない。

 雪兎が覚えているスキルの中で攻撃的なスキルと言うと『氷河』や『サイコガン』に『魔轟弾』に『殲滅の念過砲撃』や『雷燕』とかか。


 氷河は氷雪系のスキルで氷や雪を生み出して操ることが出来るスキルだ。


 サイコガンは基本レーザービーム型の弾丸を放つ念動銃を生み出す。

 でもそれは雪兎しか使えない。

 試に月名に渡したが使えなかった。


 殲滅の念過砲撃は敵全体を殲滅する念動砲撃のようなものだ。


 使用には魔力を500も使うが一気に敵を殲滅したいときは有用。


 発動したら自動で敵を倒してくれるので楽なくらいだ。


 雷燕は雷の燕型のオーラを操ることが出来るスキルだ。


 あまり使わないが一度に24体ほど出せるが動きが直線的にしか動かないので若干使いづらい。


 魔力自体は殆ど使用しないので多用できるが念動力で倒したほうが慣れているので楽だ。


 雷属性のスキルだということぐらいだ利点は。


 結局のところ雪兎の場合サイコガンか念動波動や念動力で直接倒すことが多いのであまり他のスキルや魔法のレベルが上がらないでいた。


 しかしあまりにも強力な念動力と言う超能力を持っている雪兎ぐらいの悩みだった。


 スキルスクロール事態ボスを倒したときに現れる宝箱から出てきたことがあるがあまり使えるものがあるとは言えない。

 実際有用なものはめったに出ない印象だ。


 雪兎達は74階層の歩を進めていた。


 まだ見ぬスキルスクロールを求めて。





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