第71話 雪兎とシロンとクロマルたちのお宝探し
秋葉原ダンジョンの81階層の広いダンジョン空間を彷徨っているパーティがいた。
雪兎とシロンとクロマルだ。
ここまで潜れる探索者は殆どいない。
現在でも探索者達もレベル上げに勤しんでいるが、なかなかレベルが上がるとレベルが上がり辛くなる。
自衛隊の精鋭隊のパーティを除いて、最高位のパーティは現在『暁の挑戦者』や『紫陽花の姫騎士団』や二人組のパーティの『時の魔導師と炎焚の刀士』のパーティぐらいだ。
暁の挑戦者は5人パーティでA、A、A、B、Bランクの探索者で構成されているらしい。
紫陽花の姫騎士団は全て女性で構成されているパーティで6人いる。
A、A、A、B、B、Cランクで構成されている。
だいたい16歳から25歳ぐらいの年齢だとか構成されている女性は。
時の魔導師と炎焚の刀士はどうやら双子の兄妹のパーティだと風の噂で聞いた。
兄が時の魔導師で炎焚の刀士が妹だという噂だ。
この二人は兄がSランクで妹がAランクだと噂だ。
実際81階層ぐらいにいる可能性があるならこれらの精鋭パーティ集団。
いわゆる攻略組と言われているパーティだ。
もちろんこれより落ちるがBランクパーティ集団の『光の騎士団』やCランクパーティの『魔術研究会(極)』やパーティがA、B、C、B、D、Dのばらばらに構成されている『雷鳴の冒険者』などもいる。
ただ彼ら彼女らは攻略組に入る。
みな秋葉原ダンジョンを最低でも60階層ぐらいまで攻略しているし、暁の挑戦者の場合この前78階層まで攻略したと風の噂で聞いた。
81階層で彼らや彼女らに会う可能性は無いとは言い切れない。
なお雪兎と月名とミリア・ベルの三人もパーティ名を登録している。
『妖月の雪の調』という名前だ。
もちろん月名が命名した。
雪兎は表向きには魔導師として職業を偽装している。
一応魔法は使えるのでそういうことにしている。
月名は魔術師だ。
ミリアは異世界人で妖精という種族なので珍しがられる。
職業は妖精術士という感じだ。
そんな感じで81階層を爆走して行って、82階層に歩を進めて、83階層の中ボスみたいな奴を倒した。
ウルフオーガという狼男のようなオーガだった。
だがそれほど強くない奴だった。
85階層まで来た。
隠し部屋を見つけた。
だがそこが罠だった。
リザードマンブショウが5体にドラゴンナイトキングが1体出現した。
リザードマンブショウはともかくドラゴンナイトキングは不味い。
シロンには分の悪い敵だ。
雪兎は暗黒魔法を展開した。
ブレインハックを行い、ドラゴンナイトキングの操作権限をハッキングした。
ドラゴンナイトキングを操りリザードマンブショウを倒す。
クロマルもダークネスアビスでリザードマンブショウに攻撃している。
だが直ぐにドラゴンナイトキングが抵抗した。
そのまま灼熱の息を吐きだした。
熱吸収で防ぐ。
シロンとクロマルを後ろに待機させている。
ドラゴンナイトキングが大振りの大剣を振り下ろした。
真空刃が発生した。
雪兎は念動波動で打ち消す。
そのままサイコガンを放つ。
だがドラゴンナイトキングが躱す。
そのまま後ろ手にいるシロンを狙ってきた。
だが雪兎はそれをさせるほど甘い男ではない。
雷燕を発動した。
目暗ましにはなると考えた。
雷燕がドラゴンナイトキングを襲う。
ドラゴンナイトキングが横腹や顔に雷の燕が降り注ぐ。
ドラゴンナイトキングは咆哮をあげて雷燕を消し去った。
ドラゴンオーラが展開される。
物凄い圧力を感じるが負けじと雪兎も念動波動を全力で展開する。
ドラゴンナイトキングはAAランクのモンスターだ。
オークキングやオーガキングよりも強敵の非常に厄介なモンスターだ。
速さは超人的で人間のついて来れる限界を超えていると言われているし、腕力もオーガキングを超える。
耐久力が若干オーガキングやオークキングより低いがそれでも若干なので大分ある。
ドラゴンナイトキングが竜騎士王の爆将を発動した。
ドラゴンナイトキングのステータスが大幅に強化される。
シロンを後ろにいては限界を出しづらい。
だがクロマルがいるから少しは問題ない。
『クロマル。シロンを守れるか?』
『了解です。雪兎なんとかなると思う』
『頑張れよ』
『にゃあ!!』
雪兎はドラゴンナイトキングにしては大分手ごわい相手だなと感じていた。
零氷の妖精魔帝の状態になるしかないのかと考えていた。
零氷の妖精魔帝はMPを最大量の半分使用するスキルだ。
莫大なMPを消費する代わりに絶対零度の雪と氷を操ることが出来る。
ステータスも上昇して魔力が8倍になるし他のステータスも権並上昇する。
だが使用時間は3分だけだ。
それを過ぎると10秒間体が動かなくなる。
とても強力な形態だがデメリットがあるので多用できない。
超念動砲撃を放った。
超がつくだけでかなりの威力が上昇する。
ドラゴンナイトキングが躱そうとする。
テレポーテーションで後ろをとった雪兎。
そのまま直接念動斬撃を放つ。
意外とあっさりドラゴンナイトキングは一撃で死んだ。
そのままドロップ品が出てきた。
ドラゴンナイトキングの皮と牙とドラゴニックポーション(劣化)がドロップした。
ドラゴニックポーション(劣化)はHPとMPを全快するだけでなく気力まで全快するし、部位欠損も直す優れものだ。
しかも使用すると若返りの効果もあり、使用するといくらか若返ると言う。
だがまだ産出量があまりにも少ないので市場に出回ってもあまりにも高い値がつくので一般人は手に入らないらしい。
ドラゴニックポーションのほうはドラゴン系のモンスターからドロップする可能性があるが、ドラゴニックポーションはまだ市場に出たことが無い。
劣化のほうはまだある方だが、それでも極たまにしか出ない。
一本一億円の値がつけられたという。
超級回復薬(ポーション)も数が少ないが市場に出回ることもある。
こちらも部位欠損や殆どの病気が治る優れものだが、ステージⅣのガンなどはこれでは直せない。
直せるのはあるかわからないが聖級回復薬というものが存在すると言う噂だ。
そして宝箱が出現した。
金色に輝く宝箱だ。
中身はどうもスキルスクロールのようだ。
スキル名は『魔極成長』。
使ってみないとわからないからシロンに使用するように言う。
シロンがスキルスクロールを使用した。
どうやら魔極成長は魔力とMPの成長率が初期レベルで5倍になるようだ。
かなり良いスキルを得たようだ。
雪兎たちはその後87階層の隠し部屋も見つけて、リッチロードディザスターを倒してスキルスクロールを得た。
シロンにスキル『紫の鎌』を覚えさせた。
紫の鎌は毒か呪いか防御0のバッドステータスを付加する飛び攻撃の鎌を放つスキルだ。
使用にはMPを100使用する。
まあレベルが上がればかなり使えるかと思える。
雪兎たちはまだまだダンジョンを彷徨う。
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