第69話 雪兎と修行するシロン
雪兎とシロンは山奥に来ていた。
まずは形から入るのが最適と考えて雪兎とシロンは滝に打たれている。
「雪兎、本当にこんなことで魔力が上昇するのですにゃあ?」
「ああ、滝に打たれる修行は古今東西昔からある修行法だからな」
実際格闘家や魔術師とかもこの修行法をすると聞いている。
雪兎もたまに精神を鍛えるためにしているので間違ってはいないはず。
滝に打たれると精神が研ぎ澄まされる。
同じ姿勢をずっと行うことにより精神を活発化させて精神の奥底を覗くような物である。
なので精神力とも言える魔力のキャパシティーを上げるならこの滝に打たれる修行は最適なわけである。
一時間ぐらい続けたら、次の修行だ。
まずは大量の石を拾う。
そしてそれをひたすら避ける修行だ。
敵の遠距離攻撃を躱す修行はなかなか侮れない。
雪兎は全力で剛速球を投げる。
シロンは怖がっているがここで手を抜いていては上達しない。
雪兎は少しぐらいならスパルタになってもいいと考えていた。
そんな修行を一時間ほど続けていたらお昼が少し過ぎたくらいだった。
ごはんにするかと雪兎はシロンに告げた。
雪兎はお手製の小型調理器具を取り出して、さながらキャンプでもしているかのようにいそいそと準備し始めた。
念動炎で火を起こし、フライパンでダンジョンで手に入れたガルナキバボアの肉を焼き始めた。
それとカレーを作っていく。
キャンプと言えばこれだと言った感じだ。
圧力鍋を使ったので短時間で出来たようだ。
ガルナキバボアの焼き肉と雪兎特製のカレーに予め炊飯していたごはんをよそう。
シロンは眼を輝かせていた。
「こんな美味しそうなものを頂いてもいいのですかにゃあ??」
「ちゃんと食べないと力もつかないからな」
「ありがとうですにゃあ」
「どういたしまして」
シロンはご機嫌だった。
雪兎もそんなシロンを見てご機嫌だった。
ご飯を食べ終わったら、次は本格的な修行だ。
雪兎と実践のバトルだ。
シロンが一撃でも雪兎に攻撃を当てたら勝ちだ。
雪兎は超能力を使わないと言う。
しかしそれでも雪兎の身体能力は超人の域になっている。
シロンは攻撃手段と言うと杖で殴るだけだ。
それができるかは謎である。
暫くシロンは雪兎に杖で攻撃を当てようとするが、なかなか無理な話だ。
そしてシロンは疲れて倒れてしまった。
やはり無理か……杖だけでは攻撃手段が乏しいな。
雪兎はそう考えていた。
何か攻撃魔法を覚えさせないとと思った。
よしと雪兎は秋葉原ダンジョンに行くことを決意した。
実戦で鍛錬を積むのは当たり前だがかなりの経験になる。
実際シロンは冒険者になって日が浅いらしい。
つまるところさっさとダンジョンにGO!だ。
雪兎とシロンは秋葉原ダンジョンに飛んだ。
「飛ぶから気をつけろよ」
「にゃにゃ!? いきなりお尻を持ち上げないでくださいですにゃ!!」
「気にするなそのくらい」
徐にシロンをお姫様抱っこする雪兎だった。
「こっちは気にするですにゃあ!!」
雪兎は少しばかり女性に対して無頓着だった。
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