第68話 シロンと雪兎

 突如として現れた少年は白髪で目が切れ長で細いが眼はぱっちりとしてて唇は薄い。


 白いコートのような物を着ている。

 白いズボンを穿いている。


 白夜雪兎は近くにモンスターの気配を感じていた。


 暫く様子を見ていたらこの前助けた白猫少女がいるじゃないかと思い。

 少し観察していたが直ぐに状況が不味いと思い。

 雪兎は加勢したわけだ。


 雪兎はこの白猫を可愛いと思っていたと同時にもっと上を目指せると思っていた。


 この場には雪兎しかいなかった。


 ミリア・ベルと月名(ルナ)は熊本に向かっている。


 熊本にダンジョンを発見したというルナの下僕の情報らしい。

 その下僕のところに向かっているという。

 

 下僕とはルナの奴何か危ない感じだなと雪兎は思っていた。


 月光を照らす月明かりの中月下の魔女は空を優雅に箒で飛ぶものだとルナは言っていた。


 あいつ本当に箒で飛んで行ったからな。


 僕の驚く顔がそんなに面白かったのか、ルナの奴クスリと笑ってたよ。


 

 とにかく白猫……シロンが名前か。


 この可憐な白猫少女を僕の物にしたいと思ってしまった。

 実際こいつは鑑定したら伸びしろがありそうだと感じた。


 使えるスキルは今後増えていくだろう。

 ただマインドヒール……これはかなり使える魔法だ。

 超能力は精神力を使う魔術のようなものだ。

 だからこいつを仲間に出来たらマインドヒールを使ってもらおうと考えている。


 雪兎はなかなか計画性があるようだ。


 雪兎はシロンに話しかけた。

 警戒されないように。


「シロンと言うのか……君はもっと強くなりたいと思わないのか?」


「なんですにゃ? 藪から棒に?」


「なんでそんな言葉を知って……まあいい、僕と一緒に来ないか?」


 シロンは雪兎を少しばかり警戒していた。

 だがその輝くほどに白魔導師特有のと言うかシロンの生まれつきの感性によるものだが、かなり敏感だった。


 シロンは魔力を感じることが出来る。

 肌で直感的だが、それでいて雪兎の魔力は途方もないほど莫大なものだと感じた。


 ピリピリとしかし静かに巨大なほどである。

 優しそうだが恐ろしいそんな底が見えない少年だった。

 自分よりも年上だがまだ若いからまだ成長性がある。

 シロンが感じたのはこんなところだった。


 シロンは警戒する白猫のように少し探りを入れてみた。


「あなたは……シロンに酷いことをするんですかにゃ?」


「そんなことはしないが……なんでそんなことを聞くんだい?」


「いえ気になったので」


「ふ~んなかなか警戒心が強いんだねシロンは」


「名前名乗りましたかにゃ?」


「鑑定スキルだよ」


「そんなレアなスキルもっているのですかにゃ?」


「こんなこともできるよ」


 そう言い雪兎はその辺の石を宙に浮かべてみた。


 シロンは驚いて目を見張った。


「あなたは魔法使いなんですか?」


「超能力者だよ」


「超能力者?」


 雪兎はかいつまんで説明したら少しは納得してくれたようだ。


 シロンの警戒心はいつの間にか薄れていた。


 シロンはこの不思議な超能力少年のことに興味を持った。

 

 雪兎はシロンを仲間に迎えたかった。


 ヒーラーは貴重だ。

 

 ルナも若干だが回復魔術を使えるが、自身の体力を大幅に減少させて相手に与える魂貸みたいな魔術しか使えないと前聞いた。


 ルナの魔術は黒魔術を基本としているようだ。

 ただかなり我流なのでというか既存のどの魔術とも違うが。


 ルナは謎の多い少女だ。

 どこで魔術を習ったのかとかそういうところは自分から話さないからな。

 雪兎はその辺抜かりなかった。


 ルナが寝ている隙を見逃さずに頭の中を覗こうとした。

 念動力と透視の合わせ技で念動透視を行おうとしたが、記憶にロックがかかっていた。

 実際敵とかにはこれで念動掌握とかでなんとかするがルナには何重にも防御策を講じていたのか、脳内の情報を覗けなかった。



 しかもそれがばれそうになりポーカーフェイスで誤魔化した。

 実際精神を見られないようにお互いがお互いに防御策を講じているようだ。


 しかしシロンは防護が甘い。

 白魔導には相手に精神を覗かれないような防護柵を講じてないのか?


 シロンの精神が手に取るように覗ける。


 だがあまり覗いている方も良い気分ではない。


 女の子の大事な秘密まで覗いてしまっているようで悪い。


 流石に記憶までは覗かないようにしている。


 考えていることを透視するくらいにとどめる。


 雪兎はまあそんなやり取りをしていた。

 話しつつ。


「よし、じゃあ俺と一緒にダンジョンに潜るとするかシロン!」


「ふにゃ!? いきなりですかにゃ??」


 雪兎とシロンの修行? が始まるようだ。

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