第25話 勇者ロイトのダンジョン戦闘動画生配信

 愛知県のとある田舎の山奥。

 ネットのダンジョンちゃんねるを見ていたとある高校生。

 結城勇人(ゆうきゆうと)はダンジョンの情報を見ていた。

 各地の都会にダンジョンが出現したと言う情報が既に寄せられていた。


 くそ~~~俺もダンジョンに入りたい。

 だが探しても探しても見つからない。

 この辺にモンスターが現れたとか言う情報も出てこない。

 平和の平和だこの辺は。

 ド田舎と言われると心外だが、ここはバスも一日に3本しかないほどの田舎だ。

 

 そんな田舎だと目立てない。

 俺は目立ちたい。

 ダンジョンの動画でも撮って目立ちたい。

 ダンジョンの動画は既にネットに上がっていて、鮮明な4k動画から不鮮明なボケボケ動画まで様々だ。

 だがどれも途中までで、モンスターを倒している動画は無い。

 撮影して逃げ回っている動画しかない。

 誰一人としてモンスターを倒した動画は無かった。

 もしかしたら撮ってないときに倒しているのかもしれないが。

 さて俺も爺ちゃんが地主なので山をいくつか持っている。

 その山の中を探してみるか。

 剣鉈を担いで俺は山の中を探した。

 


 すると三時間ほど探し回ったら謎の階段を見つけた。


 下の方に降りていっている。

 中は洞窟になっている。

 俺はするすると降りていってしまった。

 好奇心と言った奴だ。

 この未知の脅威には敵わないからな。

 

 中はほんのりと明るい。

 どうやら壁や天井とかが光っている。

 ヒカリゴケとかが自生しているようだ。


 でもそれだけではないはずだ。

 何が言いたいかというと

 ここはダンジョンだというから不思議なことが起こるに違いない。

 そんでもってモンスターだ。

 モンスターを倒すことが出来るたら、そんな動画を撮れたら、俺は目立てる。

 生配信とかできたらいいなと思い、スマフォを見てみる。

 だが不幸なことにスマフォは圏外。

 これではネット配信すらできない。

 なんとかならないのかと思い、念じる。

 配信したい配信したいスマフォが繋がるようにしたい。

 と念じる。念じまくる。

 すると答えてくれたのか。

 システムアナウンスみたいな声が響き渡った。


【スキル『万能配信』を獲得】


 おおっ!? すげえなんかスキルゲットしたぞ!?

 こんなことがあるのか思った。

 これが俺の才能なのか。

 

 そして俺はあのお約束をした。


「ステータスオープン!!」


 すると俺のステータスが半透明状のウィンドウで表示された。


 結城勇人


 男


 16歳


 職業:配信士


 Lv.1

 HP:100/100

 MP:70/70

 腕力:60

 守り:50

 速さ:30

 賢さ:60

 魔力:20

 幸運:60

 器用:50

 魅力:90

 

 スキル:万能配信Lv.1


 魔法:

 

 これが俺のステータスか。

 すげえな。

 本当にゲームみたいだ。

 ところで職業の配信士ってのは何なんだろうな?

 配信者ならわかるが配信士って……

 まあ別にいいか取りあえず、モンスターを倒すしかないか。

 配信士のところをクリックしたら習得可能なスキル一覧が出た。

 どれどれ……まあまああるな。


 神器『スマートフォン』……取得必要SP1000


 完全匿名……取得必要SP400


 ネット鑑定……取得必要SP800


 遠隔交信……取得必要SP500


 勇気爆発……取得必要SP300


 剣術……取得必要SP100


 瞬歩……取得必要SP200


 聖盾……取得必要SP300


 これだけあったらどうするか迷うな。

 でもまずはモンスターを倒さないとこのSPってやつをゲットできないか。

 ああレベルを上げたときに貰えるのか。

 俺は理解が早かった。

 

 SPと言う欄をクリックしたらSP(スキルポイント)。

 SPはレベルが上がった時に50P貰えると出たからだからだ。

 説明はしっかり見ないと攻略は進まないからな。


 そして俺はゆっくりと進んでいく。

 最初はまずはモンスターを倒さないといけないからな。

 そして暫く歩いていくと漸く初めてのモンスターに出会った。


 あれはどう見てもスライムだな。

 青い粘着質なゼリーみたいな物体だな。

 俺はそろそろと近づく。

 そして徐に蹴ってみた。


 スライムは弾け飛んだ。

 そして世界の声が聞こえた。


【レベルが上がりました。スキル『蹴り』を獲得しました】


 おおっやった新たなスキルまでゲットしたぜ。

 蹴りってスキルなのか。

 さてと先を目指すか。

 

 そしてスライムに出会いは蹴り飛ばして倒してレベルを上げていった。


 レベルが7まで上がった。

 取りあえず勇気爆発を取ってみた。

 すると勇気が物凄く沸いてきた。

 なんだが今ならドラゴンとでも戦えそうだ。


【条件を満たしました。勇者を職業に設定できます。設定しますか?】


 勇者だと!? もちろんするに決まっている。

 俺は勇者になった。

 勇者とかRPGの主役じゃないか。

 なんか強くなった気分だ。


 そしてスライムを狩りつくしていたらついに2階層の階段を見つけた。

 降りてみると、そこは先ほどと同じダンジョンの通路だった。


 この剣鉈を使ってみないといけないな。

 そしてちょうどいい感じの敵が現れた。

 角のある兎が現れた。

 角兎と名付けよう。

 そんな兎が俺目掛けて突進してきた。

 

 俺はひょいっと左に躱して剣鉈を兎目掛けて振り下ろした。

 すると一撃で角兎は両断された。

 そして光の粒子となって消滅した。

 そして何かをドロップした。

 角だ。

 少しだけ長い角だ。


 どうやら角兎の角のようだ。

 とりあえずポケットにしまっておこう。

 

 そしてそのまま進む。

 角兎を何体か狩ったら。

 3階層の階段が見えた。

 降りてみるとそこには先ほどと同じ景色が。

 階層ごとに特に変化は無しと。

 変わるのはモンスターの種類だけか。


 3階層は黒いカラスが現れた。

 そいつが突っ込んでくる。

 剣鉈で迎え撃つ。

 またもや一撃。

 張り合いがないな。

 でもいいか。

 そしてカラスの羽根のようなものがドロップした。

 とりあえずポケットにしまう。


 そして4階層にもいく。

 今度はちょっと大きいカエルが出てきた。

 小型犬ほどの大きさがある。

 剣鉈で粉砕する。


 そして駆け抜けるような速度で5階層まで来た。


 大きな扉がある。


 どうやらボス戦のようだ。

 開けるとデカいスライムがいた。

 そいつがのしかかってくる。

 避ける。

 そして蹴る。

 蹴る。

 蹴る。

 蹴る。

 剣鉈で切り裂く。

 蹴りの方が効いている。

 蹴りまくる。

 剣鉈で切り裂く。

 倒した。

 そして小さな小瓶を落とした。


【ボス撃破。初撃破ボーナスとしてスキル『鑑定』を獲得しました】

【レベルが上がりました】


 鑑定とな? 定番だな。

 さてこの小瓶はなんだろう。

 試に鑑定してみると『初級体力回復ポーション』と出た。

 どうやら少しだけ体力を回復する薬らしい。

 

 そして俺は6階層に歩を進めた。

 そこで万能配信を使ってみた。


 すると世界の声が響き渡る。


【配信スタート。カメラは視点モードを自分が見た景色にしますか? 自分を映すようにしますか?】


 自分が見た景色かな。


【完了しました。自認識視点モードにします。万能サーバーに配信ページを作成しました。掲示板にスレッドを作成しますか?】


 イエスだな。


【スレッド作成完了しました。これより配信を開始します】


 さあ勇者の誕生を目に焼き付けろよみんな!

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