第24話 秋葉原と大阪の日本橋に階段が見えているダンジョンが現れたようです

 2022年5月28日。

 朝9時ぐらい。

 突如として東京の秋葉原と大阪の日本橋にダンジョンが出現した。

 秋葉原のほうは警察が直ぐに出動して事なきを得た。

 だが日本橋のほうは警察の出動が遅れた。

 そして今回のダンジョンの場合いつもと勝手が違った。

 なんと黒い穴ではなく、階段が剥き出しになっていたのだ。

 これは入るなと言うのが難しい。

 

 よってここに入って見たくなったオタクたちがいた。


「兄者!! こんなところにダンジョンが現れたようでござるよ!!」


「弟よ狼狽えるな!! 落ち着くのだぞ!!」


「キリリン氏、サバ味噌氏、どうするですかね?」


 兄者と呼ばれたのがキリリンというハンドルネームのオタク。

 弟と呼ばれたのがサバ味噌というハンドルネームのオタク。

 もう一人が紅蓮の拳というハンドルネームのオタク。


 三人のオタクの前に突如としてダンジョンが出現したのだ。


 キリリンはサバイバルナイフを持っていると言う。

 サバ味噌はバールを持っていると言う。

 紅蓮の拳は空手の黒帯だから何もいらないと言う。


 三人のオタクはダンジョンに潜ることになった。


 まずじめじめとした薄暗いダンジョンと言うわけではなく……まあまあの明るさのダンジョンだった。

 湿度もなく、快適と言える数値だろう。

 オタクたちは武器を構えて、前を警戒していた。


「何も出てきませんな……」


「そうですでござるね……」


「まあそう焦るなお二人がた」


「紅蓮の大兄貴は流石ですな」


「紅蓮の大兄貴ですもん」


「紅蓮の拳だ」


 そうしてようやく初めてのモンスターが現れた。


 そいつは人参みたいな姿をしていた。

 だがデカい。

 体長1メートルはあろう。

 デカい人参みたいな敵だ。


 初めに動いたのは紅蓮の拳だ。

 腰を落として、殴りかかった。

 インパクトの瞬間拳が光ったような気がするがとキリリンとサバ味噌が見ていたが、本人たちは気のせいにしておこうとなった。

 紅蓮の拳はというとなんで拳が光るのかわからないなといった様子。

 デカい人参型のモンスターは粉砕された。

 そして人参モンスターは光の粒子となって消滅した後、ニンジンをドロップした。


「……人参でござる」


「人参ですな……」


「人参だな……」


 三人とも呆然である。


 まさかモンスターを倒したら人参をドロップするなんて。

 まさかの事態である。


 そして暫く歩いていると今度はピーマンみたいなモンスターが現れた。


 今度はキリリンが倒そうとする。

 サバイバルナイフでピーマン型のモンスターを切り裂く。

 すると4回ぐらい切り裂いたら倒せた。

 そしてピーマンをドロップした。


「ピーマンでござる……」


「ピーマンですな……」


「……もう慣れたわ」


 そして一同は野菜型のモンスターに出会い、倒していった。

 

 もう既に地下8階層まで到達している。

 そして今度はなんか小さいけどすばっしこい銀色のスライムを見つけた。

 サバ味噌が追いかける。

 そしてバールでなんとか止めをさした。


【レアモンスター初撃破報酬。スキル『鑑定』を獲得しました】


「キタコレ!! 鑑定ひゃっほーーー!!!」


「鑑定ですと!?」


「おおー! やったなサバ味噌」


「システムアナウンスみたいなやつが聞こえてきたのでござる」


「お前ら気づいていると思うけどステータスオープン」


 するとステータスが半透明状のウィンドウで現れる。

 紅蓮の拳は職業が拳闘士になっていた。 

 キリリンは斬撃士でサバ味噌が重戦士だった。

 だが全員オタクとカッコつきだった。

 オタクなんだからそうなんだよと開き直るオタクたちであった。

 

 そうしてキリリンも紅蓮の拳もレアメタルスライムを倒して鑑定のスキルをゲットした。


 そうしてまずは10階層まで来た。


 大丈夫だとオタクたちは内心思っていた。

 もうレベルは全員12はあるしなんとかなるだろうと。

 ボスモンスターはトマトみたいな豚だった。

 ジャンボトメイトンという名前だ。

 トマト豚が突進してくる。


「ブヒブヒーーーーー!!!」


 これはなかなかやっかいだと思うオタクたちだった。

 だがキリリンが小剣術を取っているし、サバ味噌は槌術を取っているし、紅蓮の拳も拳術を獲得していた。

 これにより動きは比べ物にならない。

 紅蓮の拳の拳が燃える。

 

「我が暁に萌えろ燃えろ!! 萌えいずる火拳!!!」


「すげえ紅蓮殿 手が燃えているでござる」


「紅蓮殿流石です」


「なんか手が燃えるかなと思ったら燃えたこれだけだ」


 そしてトマト豚に火拳をぶつける。

 トマト豚はよく燃えた。

 そのままトマトが大量と豚肉がドロップした。


【初ボスクリアボーナス。スキル『収納空間(小)』を獲得しました】


「うおおおおおお!!! アイテムボックスキタコレ!!!」


「アイテムボックスだーーー!!!」


「アイテムボックスだな」


 オタクたちはとりあえず今まで手に入った野菜をアイテムボックスにしまった。

 ついでに武器もしまった。

 外で職質にかけられたらとんでもないことになるからと。

 そして転移の祭壇で外に戻る。


 すると入口の前には警察官がいた。


 そして出てきたオタクたちを問答無用で連行された。

 僕たちちょと興味があって入っただけですと言った。

 すると何時間か根ほり葉彫り色々と聞かれたが、なんとか返してもらえた。


 オタクたちは今日のことはみんなに内緒だと言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る