第12話
「にしても、いつ助けって来るんッスかね?」
は?何言ってんのコイツ?
「バカが。来るわけが無いだろう。」
「エェッ!?」
え?マジで助けなんか来ると思ってたのか?綾田じゃ無いけど、ペガサスよ、バカなのか?歩いてる内にバカになっちゃったのか?
「え、だって警察は無理でも自衛隊とか居るじゃないッスか!?」
「流石の自衛隊でもモンスターを相手には分が悪いと言うしかない。この辺りに居るザコだけならばどうにでも出来るだろうが、隣町で見掛けたと聞く『ドラゴン』だの『巨大な蛇』などは対処出来ないとは言わんが、簡単でもないだろう。
そんな相手がハッキリどれだけ居るのかもわかっていない状況だ。例え助けが来ると仮定してもそれはもっと先の話だ。」
ん〜。別に綾田の意見に反対する訳じゃないけれど本当に自衛隊にあのドラゴンとか蛇とか倒せるか?手傷を与えるくらいなら出来るだろうけど・・・?と言うか今更だけどさ?こんな呑気に話しながら歩いてて大丈夫なの?
「それからこの話はユキの前ではするな。」
「え?なんでッスか?」
あー。そうゆうとこだぞ?ペガサス。
「ペガサス。モテない君に教えてあげよう。」
「ちょっ!?も、モテますし!?めっちゃモテますし!?」
「口調が崩れているぞ?すぐにバレる嘘などつかない方が身の為だ。」
うんむ!綾田の言う通りだぞ!
「簡単な事だ。ユキちゃんに余計な心配はさせたくない。この一点だけ。
『助け』と言う話題を上げてみろ?期待するのが当たり前だろ?だけど、現状その『助け』は来ていない。期待だけじゃこの先ユキちゃんは潰れてしまうかもしれない。だから、だ。」
「付け加えるならばあの聡いユキの事だ。どっかの能天気と違って『助けは来ない』と自分の中で結論を出している可能性がある。
しかし、周りから『助けが来るかも』と聞けば
あー。確かになー。
ユキちゃんって妙に聡いんだよな。年齢の割に落ち着いてるし、気が付くし、ホント頭いいんだよな。
「お客さんだぞ、護衛。仕事だ。」
「え?あぁ。了解ッス!」
うっわ。マジかよあいつ。ゴブリン3体に突っ込むとか・・・・。
「なぁ綾田。あれ、本当に大丈夫なのか?ってか、俺達も加勢するべきでは?」
「天野であれば、あのゴブリンとか貴様らが呼んでいる奴ならば5体は軽くやれるだろう。」
は?マジで?
「バットの時にそれくらいはやれていたのだから、刀を持った今となってはもっと多くても問題ないかもしれんな。」
えぇー・・・。ペガサスってそんな強いの?って言ってる間にもう1体死んでるし。ってか何故に二刀流?おーーーー。上手いな。左手の小太刀で牽制と軽い手傷狙い、かな?右手の普通サイズの刀で重症、止め狙いだろう。
フットワークも軽快で軽くゴブリンの攻撃は躱してるし、素人目から見たら危なげが無い。あ、終わった。
「いやーやっぱちゃんとした武器って違うッスね!気の
「いやー。スゲェな。初めて戦ってるところ見たけど、安心して見てられたわ。」
「確かに安定していたな?武器一つでここまで違うとは、正直僕も驚いたぞ。」
「はっはー!そんな褒めないでくれッス!」
「フム。わかった。では行くか。」
「そだね。」
「って!ちょっとぉ!?」
うっせ、バーカ。
◇◆◇◆◇◆
ふ~ん。へ~。ほ~。
・・・・・・うん。一体全体ここの店主―――元?店主は何を考えてこんなお店を開いていたのだろうか?
コンビニエンスストアも真っ青な品揃えですよ?敷地的には確かにコンビニよりも広いけど・・・でも、品揃えは別次元!
言うなれば―――『スーパーコンビニエンスストア』?
「マジでワケわからん。何でこんなものまで―――。誰がこんなもの買うんだよ。」
これは明らかに手術用の【メス】だし、その他の名前も知らん手術道具あるし、【木炭】はわかるけど、何だよ【簡易木炭製造キット】って、自分で作れるのか?そんな便利グッズ初めて聞いたぞ!
「その辺りの物は緊急性は無いが、今後必要になるものだ。適当に扱って壊すなよ?」
「わかってまーす。」
何で売ってんの?とは思うものの確かに今の俺たちには必要になってくるものだよね。
「えーっと。こんなもんッスか?」
「あぁ。そうだな。十分だろう。後はドラッグストアにでも行けば材料は揃う。」
ありゃ?マジで?はやくない?俺なにもしてないんだけど?
「――――俺、来る意味あったのか?」
「貴様の役目は荷物運びではない。そもそも貴様に荷物を運ばせると文句を言うだけで時間だけが過ぎていくだろうが。」
そ、それは、ちょっと、言い過ぎじゃね?ちょっと―――ちょっとだけ。きっと。たぶん。メイビー。
「貴様を連れてきたのは、先ずはあれだ。」
おー・・・・・・うん。わからん。
「何あれ?」
「見てわからないのか?馬鹿か?」
「いや、『何か』は知っとるわ!あれをどうせいっちゅうねん!?」
「【機織り機】なのだから【布】を作るに決まっているだろう。」
いや、それくらいは言われんでもわかるワイ!!
「暫くは問題ない。そこらを回れば服もタオルも何でも揃う。勿論それなりに危険はあるが、無理難題と言う訳でもない。が、服もタオルも下着も寿命は長いが『消耗品』だ。
無くなってから慌てるよりも確保できるのかを今、確認しておく必要がある。
使えないのならば必要ないが、使えるのであればこの馬鹿デカい道具も拠点に運ばなければならん。運ぶのが無理でも壊されないように対処する必要があるし、メンテナンスも定期的に施す必要がある。
理解したか?」
ハイハイ。了解。
「取り敢えずこれを使え。」
「【糸】。これって裁縫用のただの糸だよな?こんなんで良いのか?機織り機って。」
なんか、こう、専用の糸が必要とかないのだろうか?
「知らん。機織り機の事など日常生活では必要のない知識だからな。」
『爆弾の知識』も日常生活には必要のない知識だと思いますけど?そこのところはどうなんでしょうかね?
ま、取り敢えず―――――うん。
「まぁ、予想通りと言うべきか、問題はないみたい。この糸でどれくらいの布が出来るのか知らんけど。」
「その程度では虫食い穴程度にしかならんだろうな。」
ごもっとも。
「さて、使えるのはわかった。しかし、これを運ぶとなると・・・・フム。」
っけ!相も変わらずムカつくなその仕草!何で態々顎に手を持っていくんだ?理解できん!!
「綾田さんの【ルーム】に入れて運べば良いだけじゃないんッスか?」
「僕の【ルーム】の部屋の広さだけの問題であれば、特に問題とは言えない。が、入り口が狭すぎて運び込めん。一度ばらして運べば問題は無いが・・・。」
「それって、もう一回間違えずに組み立てられるのか?」
見てる分には問題はないとは思うけど・・・・『絶対大丈夫!』とは俺は言えないよ?
「僕もそこを心配している。ただ元通りの箇所に部品を付ければ良いだけなのか?微調整など細かい知識や技術が必要なのではないか?それらがハッキリしない限り持ち運びも、ましてや分解などしない方が得策だろうな。」
同意。
持っていって『使えません!』じゃ、洒落にならんからね。
「ん~。じゃあ、ここに置いたままッスか?」
「それが一番無難だろうな。」
「俺もそう思う。」
別に今すぐ必要なわけでもない。もしかしたら使う前に意外なところから解決方法が出て来ていて、この機織り機自体、必要性がなくなってるかもしれない。
「さて、布の確保が出来ると分かったところで出発だ。」
「あいあい。」「了解ッス!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「んで?一体全体ここへは何しに来たの?」
「勿論目的を達成するために来たに決まっているだろう。」
その『目的』を聞いてるんですが!?
「こんな場所初めて入ったッス。」
「天野は元々はまだ学生だろう?ならば当たり前だな。」
「ギリギリッスけどね。もう高3なんであと半年もすれば卒業ッスよ!」
ほぉ。そだったのね。
ペガサスってまだまだ若いとは思ってたけど、年齢は聞いてなかったからな~・・・・ん?
「え?ちょっと待って?綾田も若いだろう?」
ペガサスとそんなに変わらない、か、少し上くらい?って思ってたんだけど?
「ん?あぁ。良く言われるが、これでも25の社会人だ。」
な、なん、だと・・・
「貴様もそんな感じだろう?顔は童顔だが首と手の感じを見れば僕とそう変わらんと思っていたが?」
「いや、まぁ、同い年だが・・・って、首?手?そんな所見て分かるのか?」
なんだその年齢判別方。初めて聞いたんですが?
「存外『顔』と言うのは年齢を誤魔化しやすい。特に科学的、医学的に進歩した今の時代では、より誤魔化しがやりやすい。
だが、『手』や『首』は露出しているにも関わらず気にする者が少ない。だから、と言えるが、その部分を見れば
尤も、抜かりのない者も居るからな。完全に信用出来るものでは無い。」
へぇ~。
「へぇ~。
って言うか、綾田さんも高田さんも意外と歳食ってるんッスね!」
「「あ゛ん!?」」
貴様!ぶち殺すぞ!?
「ひっ!?」
「命が惜しくば年齢についての意見は慎重に言うべきだな?」
「綾田の意見に同意だ。
ペガサス。正直お前にはガッカリだよ。年齢を気にするのは何も女の人だけじゃないんだぜ?」
綾田と同意見とは、悪い意味で少し気になるけれど――――それどころじゃない。
「ご、ごめんなさいッス!」
「謝って済むならば警察はいらないんだよ?ペガサス。」
「許せる事と許せない事がある事。肝に銘じておく事だ。天野。」
「い、イェッサー!!」
フン!――――――さて、重要案件は取り敢えず片付いたと言っていいだろう。問題はもう一つ。
「で?なんでまた化学工場なんかに来たんだ?この辺りは安全圏から少し外れてるし、まだヤバめだろ?――――誰かの救助?」
「要救助者が居るのならばそれでも結構だが、そんな話は耳に入っていないな。ここへ来たのは当然、今現在僕たちが問題としている件を解決するために来た。」
『僕たちの問題』って言うと―――――まぁ、普通に考えて『モンスターの巣窟』が出来てしまっている件ですね?わかります。
「
だからその奴隷的な扱い止めてくれません!?
「取り敢えず天野。ルームから材料を出すぞ。」
「了解ッス!どれくらいッスか?」
「持って来た全部だ。」
「了解ッス!!」
・・・は?全部?
いや、どれだけ錬金させるつもりですか!?
「おい、僕らはあちこちにある機材と道具を一箇所に集めるぞ。」
あ、それいいね。楽そう。
――――――――――――――――――。
――――――――――地味にキツかったわ。
――――――――――――――――――。
はぁー。やっと終わった・・・。
「早速やってみろ。それから、チカラを使う時にはなるべく『強い爆弾』を作ることを意識してやれ。」
あいあい。
「
はい、ペカーっと。
――――――あれ?なんかいつもよりペカーが長い?
あ、終わった。
===================
錬金術行使結果
【凝縮仕様小型爆炎玉】
ランク:8
効果範囲:半径10m
===================
おぉ。ランク8!最高記録!!
「な、なんか、呆気ないッスね?」
「俺に言われても?」
「フン。こんなものだろう。」
各々思うところもあるんでしょうが・・・・祝!爆弾完成!!
いや、本当に呆気なく出来た。ちょっといつもと雰囲気違ったけど、誤差だな。
しかし、俺やペガサスどころか綾田が考え、想像していた物よりも良い物が出来てしまったようだ。
ブツブツ呟く綾田くんから聞こえてくる。これはこやつの考えか。
綾田が考えていた物は、爆破出来る範囲は精々半径2~3m程度。殺傷能力は直撃すれば普通に人が死ぬレベル、ですか。物騒だね?だけど、実際に出来たのはもっと物騒だ。嘘か誠か半径10mも爆破出来るもの。威力はちょっと試してみないとわからないけど、10mも爆破するならそこそこ?な威力だろうな。
錬成結果を伝え、ブツブツ言っていた綾田。思考が終わったの?
その『ニヤリ』・・・・・・夢に出そうだから止めようぜ?
「しかし、出来上がった物はこれ以上無いと言えるものだが・・・・材料の消費がとんでもないな。」
確かに。とは思うけどさ?嬉しい顔の後に直ぐに苦渋の顔ってどうなんだ?情緒不安定なの?綾田くん。
しかし、本当に結構な量を消費してしまった。かなりの量を集めたはずなのに、この一個を作っただけで凡そ半分強使ってしまってるな。
原因としては俺のイメージ、なんだろうか?
『出来るだけ強力で、小型で手で投げられる爆弾』ってイメージしたんだけど・・・・。それとも普通に材料がいっぱいあっからそうなっただけ?―――――わからん。
まぁ、でも綾田の言う通り作成結果としては良い感じだ。その結果、追加作成も出来なくなる事になるのはちょっと残念ではあるけどね。
「にしても、本当にあの二人の武器を後回しにして良かったのか?」
「問題無い。とは大きな声では言えないが、この場合は仕方ないな。『モンスターの巣窟』など放っておける案件ではない。」
ふむ。そりゃそうか。
ホント『仕方ない』だな。
「あの二人の武器も早々に作ってもらわなければならんが、今はそれよりも爆弾だ。
残念ながら爆弾が1個と言うのはどう考えても足りん。悠長にもしてられないし、早速今から材料集めだ。」
な、なん、だと・・・!?
「もう1回調達に行くってことッスね?」
「あぁ。そうだ。」
ふざ・・・ら?
あ?ら?――――ちょ、おかしいよ?
何故に俺はこんなにふらついて・・・・ダルい。
「?どうした?」
「いや、なんか、すんごいダルい。」
え?なんか変な病気とかか!?
「――――――まさかとは思うが・・・。消費した【具現の力】は普段と変わりないか?」
あん?
いや、いつも通りのお仕事なんだから変わる訳――――あったわ。
==================
【
【アルケミスト】
盾の領域:5/5
具現の力:1/10
【アルケミー】
==================
えーっと。昨日【具現の力】は5残した。今現在の時間を考えると・・・まだ1しか回復してない。つまりさっきまで6だった。でも今は1。
――――――ハァ。最悪ですわ。
「なんとビックリ5も消費しておるわ。」
「・・・はぁー。最悪だな。」
いやまぁ最悪なのは確かなんですが、ちょっとは心配してくれても良いんじゃね?結構辛いのよ?
「高田さん、大丈夫っスか?」
おぉ。ペガサスよ。ありがとうな。
「まぁ、動けない訳じゃないからな。大丈夫大丈夫。」
マジで冗談抜きにしんどいですけどね。
「―――起きた事は仕方ない。僕にも貴様にもどうしようもない出来ない事だ。言わばこれはルール。世界の理、だな。」
「まぁ、そうだな。『仕方ない』。本当にこの一言に尽きるね。だけど―――」
「原因は探る必要がある、な。当然だが。」
はてさて原因を考えたいのは山々ではあるんだけど―――あー。ダルいわー。正直考えるのもダルい。
「単純に作った物って言うか種類じゃないッスかね?それか今回は初登場のランク8のアイテムなんでランクによって消費される【具現の力】が変わってくるって感じッスかね?」
「そうだな。凡そその辺だろう。」
「あー、まぁ、ゲーム的にはそんな感じだな。」
「ッス。」
でも、ランクの線は少し薄い気がするなー。確かに初めてのランク8だけど、いきなり消費される【具現の力】が5倍と言うのは納得出来ない。
それだったら『攻撃用アイテム』作成は【具現の力】を5消費すると言われた方が納得出来る。
あくまでもゲーム的には、だけど。
ん?でも待てよ?
じゃあ【武器】は?今ペガサスが使ってる刀は二振りとも錬金したとき消費は1だったはず。確認してた訳じゃないけれど、普通に錬金回数と【具現の力】の残りは合ってるから間違いはないはずだ。
【攻撃アイテム】は錬金に【具現の力】を5消費。
【武器】【料理】は錬金に【具現の力】を1消費。
――――【料理】は納得できるけれど、【武器】を錬金する際の【具現の力】の消費量は納得できんぞ?少ないに越したことはないから別にいいけれど・・・・んー?
「仕方ない。今日はここに爆弾の材料を置いて撤収だ。帰り道で余裕があればまた材料を調達しておこう。基本は帰還だ。」
「あいよ」「了解ッス!」
何時までもここで考えていても仕方ない。
本音を言えばこのダルさが抜けるまで、具体的にはここ、若しくは近場の所で一晩過ごしてから明日帰る。の方が有難いけれど、残念ながら安全とは言えない。
ここ周辺はペガサスと剛田警部、戸崎さん達はあまり立ち寄っていない。つまり探索があまりされておらず、周辺の状況がよく分かっていない。それにモンスターも狩ってないのでその生息数も多いと予想せざるおえない。
よって帰るしかない。
警察署周辺はここ数日間物資の調達の傍ら安全確保のためになるべくモンスターを狩ってくれている。その数は日を追う事に少なくなっていったと聞いているから、どう考えても帰った方が安全。
ヨシ!
御託を並べたぞ!これで頑張れるな?俺?
◇◆◇◆◇◆
「ただいまッス!!」
「帰ったぞ。」
「――――――たでーま。」
「おかえりーって、どうしたの?高田くん。」
あぁ。我が女神よ。我に癒しを。
「ちょ、ちょっと!?フラフラと近づかないで!?気味悪いわよ!?」
「――――――グフッ。」
クリティカルダメージを受けた。――――パタリ。
「ドサッ」
「え!?ちょ、高田くん!?」
「お兄さん!?!?」
あぁ。奥から天使が・・・・とうとうお迎えがやってきたのか――――?
「予想外に【具現の力】を消費してしまってな。その影響だ。命に関わる事じゃない。」
「モンスターはちゃんとオイラが片付けたッスから!別に怪我とかもしてないッスよ!」
「あ、そうなの?じゃいいわ。」
えっ?ちょっと?女神様?
「大丈夫ですか?お兄さん。」
あーユキちゃんは優しいねぇ。あ、いや、別に女神様である戸崎さんが優しくない訳では無いんだよね?ちゃんと最初は心配してくれたし!めっちゃ嬉しい!ただーそのー、状況判断?が早いと言えばいいのだろうか?もう少し話を引き伸ばしてくれてもいいかなー?と思ったりするよね。
『キッパリ、サッパリ、サバサバしてる』って言う感じ。でも同時に気遣いも出来て優しい―――――って、あれ?これ、俺が理想としてた女性では?強いて言うなれば髪の毛がロングであれば、なお最高ではあるけれど、もはやそんな事はどうでもいいくらいにやっぱり女神様なのでは?
「取り敢えず高田くんはそのまま部屋に行って休みなさい。後は私たちだけで問題ないから。」
やっぱり優しい!
「ありがとうございます。んじゃ、お言葉に甘えて。」
「ペガサス。手貸してあげなさい。」
「了解ッス!」
おぉ。
サンクスだよペガサス。いやー、やっぱ女神様は女神様だよな。心遣いが憎いね。もうその御心だけで俺は昇天してしまいそう――――なんか俺、だんだんやばくなって来てる気がするのは気のせいだろうか?
っま、こまけー事は気にしてもしょうがねぇ!
「高田さん。着いたッスよ?」
「ん?おろ。いつの間に・・・。」
女神様の事を考えてたら時間はあっという間だな。しかも、ヘロヘロな状態でも歩ける程に活力を与えてくれる・・・。控えめに言っても最高じゃね?
「ちゃんと休んでくださいね。お兄さん。」
「ありがと、ユキちゃん。」
「んじゃ、オイラはこれで失礼するッス!」
「ペガサスもありがとな。」
「ッス!」
あ~~~疲れた。
いや、ホント【具現の力】増えてくれんかね?しょっちゅうこんな事が起きるのは勘弁して欲しい。いらん心配をかけるし、何より俺自身が辛いのよね。
「何か欲しいものとかして欲しい事とか無いですか?」
「いやいや、大丈夫大丈夫。俺は少し寝るから、ユキちゃんも好きにしてて。」
そう言えばユキちゃんってば体調は大丈なのだろうか?記憶では、女性の日ってそんなに早くは治まらないはずなんだけど?
「えっと、それじゃあ、ユキも部屋に戻ります。・・・おやすみなさい。」
「あい、おやすみ。」
うん。やっぱちょっと辛そう?お兄さんの事は良いからね?ユキちゃんもしっかり休んで欲しい。
いやー。しかし、女性って大変だね。辛さを理解するのは無理だけど、気遣いくらいしたい。
しかし、俺は俺で【具現の力】と言う問題があるからなぁ~。どうにかしなければ・・・出来るのか?
うん。多分綾田も考えてるだろう。俺がどうにかしなきゃと考えてるって事は、あの優秀な頭をお持ちのアイツが思いつかないハズは無い。後でちょっくら時間もらって話してみるべ。
でも今は取り敢えず、おやすみ。
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