第11話
【具現の力】を空っぽにしてぶっ倒れ、ウェイクアップ!
その翌日から毎日
所で、初めて綾田がお供になると聞いたときは『役に立つのか?』と甚だ疑問に思った。別にアイツ戦力になるような事は身に付けないはずなのに、は?みたいな。しかし、ムカつ―――よ、喜ばしい事に、そう、喜ばしい事に!綾田の身に付けたチカラ【ルーム】は『保管庫』としても活用出来る事に気が付いたそうで、そこに物資を入れて運搬する事によって物資調達の効率を格段に上昇させた。もっと早く気が付けばあのお水運びと言う苦行が無かったのに・・・うん、やっぱムカつくわ。とまあ、そんな感じの事を思わなくも無いけれど、仕方ない。俺も思い付かなかったし。流石サブカルチャーに触れまくる若者は着眼点が違うね。
スゴイよ!ユキちゃん!!
そんなこんなで、その運搬方法のお陰で結構な纏まった量の物資が運び込まれ、人間らしい生活の質が上がって嬉しい限り。唯一お風呂が無理なのがちょっと残念ではあったけれど、贅沢は言っていられないわかってる。シャワーが浴びたいなんて言語道断なのだ!
濡れタオルで体を拭けるだけ大変ありがたいことなのだからね!着替えもあるんだから尚更文句も言えないし!
こんな日々が永遠と続くのか?ふへへ。なんて就活からも開放され、社会からも開放され、ユキちゃんとのお留守番と言う名の自堕落生活を満喫し、今更ながら回想したり願ったりしている。
それは何故か?よ~し。良く聞けよ?俺。
それはな?回復しちゃったからだ。
あくまでも【具現の力】が回復するまでその方法を模索しつつお留守番していただけだ。そんな【具現の力】が先日回復した今、どうなる?
うん。知ってる。
物資の中には俺の為、と言うより俺のチカラの為に集めたであろう道具類が結構あるしな!
「現状では《炉》などを用意するのは現実的に不可能だ。だが、ある程度加工品を作るのに必要な道具類は集めた。これからはバリバリ働いてもらうぞ?」
「あいあい」
ん~見たことないものも見たことあるけど使ったことはないものも―――兎に角いっぱい!
綾田く~ん。これ、何に使うの~?
「特に知識は要らんだろう。貴様のチカラは知識を必要としない様だしな。」
そうなん?知らんかったわ。
「取り敢えずは【具現の力】を半分程度使用、ここにある道具類、材料を使って練習だ。
ある程度の完成度のものが出来たら直ぐ様に実用品を作成してもらう。これは早けれれば早いほど良い。なんなら今日一度二度試した後には実用品が作れるだろうと僕は踏んでいる」
す、スパルタ!?
「あくまでも僕が見聞きした上での仕様上はその可能性が高いと言うだけだがな。
よって、意図的に手を抜けばすぐに分かるだろう。もしもの時は―――許さん」
いや、そんな業と手を抜いても後々は結局俺に不利益が生じるだろうし?そんなめんどくさい事はしませんけど?
「んじゃまぁ、早速始めようかね?
先ずは防具になるものからで良いんだよな?」
「いや、予定変更だ。先ずはあの三人の戦闘力を上げる。
その中でもやはり【ソードマン】としてチカラを持つ天野の武器を最優先として作ってもらう。」
あま、の・・・・?え?誰?
って、【ソードマン】なんてペガサス一人だけだけど!一瞬マジでわかんなかったわ!てへっ。ってか、武器で良いのか?いや、別に文句がある訳じゃないから別にいいんだけどさ?
「取り敢えずここに刀身は綺麗であり、見事なものだが、何故か切れない《刀》が三振りある。流石に僕もこう言う刀剣類などの武器の類いに関する知識は薄い。この《刀》がなぜ切れないのかは詳しくは知らん。恐らくは刃が潰れているだけだと思うが・・・。しかし、どんな状態だろうが貴様のチカラを使えば、どうとでもなるのではないかと思っている。
さしあたっては、この脇差しからだな。現状では差程使い道もない。先ずはこの脇差しで試してみろ」
いや、そもそもペガサスは《刀》を使えるのか?
あいつは【ソードマン】だから《剣》しか使えないんじゃね?
「そこのところはどうなの?」
わからないから訊いてみる!
「勿論確認してある。
天野が望んだチカラは《刀剣類》を使うチカラと言う節操無しのものだった。つまり、貴様と同類のイタイ奴だったわけだ。
よって、《刀》でも《剣》でも、片刃だろうが両刃だろうが問題なく使える」
あらそう。んじゃいっか!
然り気無くディスってくるのも平常運転だな!
後で覚えてろよ♪
では早速。
「―――――って、材料とか道具とかは何を使えば良いんだ?」
「言っただろう?『知識は薄い』と。
取り敢えず《刀》を片手に、出来そうな、使えそうな道具でチカラを使ってみるしかない。
一つ一つ、な」
「・・・マジか」
「嘘はつかん」
めんどいな・・・・・。
ん~?取り敢えず《砥石》は必要だろ?って、え?
マジか!?え?これだけで良いの??
「どうした?」
「いや、どうも砥石だけで良いらしい」
「ほぉ?やはり刃が潰れているだけ、か?」
予想外です!もっと色々しなきゃいけないと思・・・・いや、これは俺のチカラが特別製だから《砥石》だけで良い、のか?
「まぁ、とりま早速やってみるわ」
「ああ」
・・・・「ああ」って、腕組みして偉そうにしてムカつ―――――かないわ。慣れたわ。
「
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
錬金術行使結果
【脇差し】
ランク:4
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
・・・ん?
え?これだけ??なんか情報少なくないですか??
「どうだ?」
「いや、出来たわ出来たみたいだけど―――いつも、と言うか飯作ったときに比べると情報量が少ない」
「具体的には?」
「効果とか一切無いみたいだな。【脇差し】って名前と《ランク》が4って事だけだ」
「ふむ」
あ、またアゴテしやがった!
っけ!やっぱムカつくわ!イケメン死すべし!!
「《ランク》は今までよりは高い、な。普通に武器としては問題なさそうだが――――。激的に天野を強化できる訳ではないか」
そだね。
―――――ってか、え?ちょっと待って?さっきから何でペガサスをちゃんと呼んでんだ?
―――俺は??
「《砥石》は消費されたにも関わらず、効果の付与は無し。僕の予想とはかけ離れた結果だ・・・・」
おん?あら。マジだよ!《砥石》ねーじゃん!丸々一個も使って一回で終わりとか―――ぼったくりか?
「《ランク》で表されてもそれがどの程度の品かもわからん」
まぁ、確かに?
俺はてっきり『攻撃力』的な数値が出てくるもんだと思ってたし。
「でも取り敢えずの間に合わせ?的な感じでの武器は出来たな」
「――――いや、まだだ。」
「えぇ?」
「この【脇差し】に対してもう一度チカラを使えば何かしらの発展、強化が出来るかもしれん」
おぉ!確かに!
「でも、素材は?」
「それが問題だな・・・。武器、《刀》を強化しそうな素材―――。単純に考えれば《鋼》や《鉄》なんだが・・・恐らくは道具、若しくは設備が足りないだろう」
んーまぁ、そうだろうな。
《鉄》やら《鋼》を素材にするのは多分【鍛冶】。それには欠かせない鍛冶設備が必要だろうし、その他諸々の道具も必要だと思う。
んー。そう考えると何を素材にしたところで無理臭くね?絶対設備が必要になって来るだろうな。
ゲーム的に考えるなら何かの『牙』とか『爪』、それから『魔法の石』とか『属性が宿った石』とかも使えそうだけど、どれもこれも何かしらの設備が必要な雰囲気は変わりません。
「仕方無い。今はもう
へいへい。
あれ?そう言えばユキちゃんは?
「なあなあ。ユキちゃんはどうしたんだ?
朝は見掛けたけど・・・・」
「――――寝ている」
は?なぜに?
もうお昼近いよ??
「―――ハァー。何故僕がこんな・・・」
何故に歯切れが悪い・・・?
――――ま、まさか!?ユキちゃんの身に何か!?!?
「―――――女性特有の日だ」
ん?・・・・ん?―――――ん~??
――――――あぁ!はいはい!了解しました!!
すまんな!綾田でも言い辛い事ってあるんだな!
しかし―――――ユキちゃんの歳でもうそんなのがあるんだね。知りませんでした。
◇◆◇◆◇◆
「うっひょー!!マジッスか!?《刀》っすよ!
テンション爆上がりッス!!」
うっせ!!
見ればわかるわ!
「煩いわよペガサス。
それとここで鞘から出すんじゃないわよ?」
「あ、はい。」
はい、鎮火~。
「で、俺と戸崎の二人には何も無いのか?」
「そうだな。今日は無しだ。
何分初めての試みだったのでな。少しばかり実験をした。それで今回の分の錬金は終わりだ。刀は二振りあるが、どちらも天野が使った方が良いと判断する。一振は脇差で短いしな。
一応取っ掛かりは掴めている。明日はまだ【具現の力】が回復していないだろうから、明後日には作れるだろう。」
うん。明日はちょっとね?【具現の力】が回復しきれません!
綾田の予定通り半分の【具現の力】を使った。夕飯とかはチカラを使わずに自分たちで用意するから考えなくても良くなったから・・・・・12×5で、60時間回復に必要か。
完全に回復するには二日と半日必要だけど、もしもの時用に半分残しておけば良いって綾田が言ってた。だから残り二人の武器を作るのは・・・・うん。綾田の言う通り明後日が理想か?明日の夜でもいい気がするけど・・・・。
にしてもさ、やっぱ『12時間に1回復』って遅すぎね?
「っそ。じゃあ、今日もご飯は普通に用意すれば良い感じね?」
「お願いしまっす!」
ふへへ。また戸崎さんの手料理・・・手料理?が食べれるぜ!
「と、言っても暖めるだけだし、任せても良いかしら?今日はちょっと疲れちゃって、ね?」
あれ?
「あぁ。良いだろう。
今日、実質的には僕は動いていないからな。僕がやろう」
あれれ?
「お願いするわ」
「ああ」
・・・・野郎が温めたご飯かー。
・・・・食欲が一気に失せたな。
嘘だけど。腹へった!
とか、俺の腹具合よりも重要事態発覚!
何だ!今の二人のやり取りは!
仲良しか?仲良しなのか!?
心なしか綾田の普段クールに取り繕った冷めた目も柔らかい気がががが――――
ギィィーーーーーー!!!
ワシは認めんぞ!?!?
「高田さん高田さん。この《刀》ってどんな特殊な能力があるんッスか!?」
あ゛ん!?今はそれどころじゃねぇんだよ!!
「ヒッ!?な、何ッスか!?」
ってのは冗談。
「ねぇよ」
「え?」
ねぇよ?
「ただの《切れる刀》だ」
「え?――――え?」
「諦めなさい。あるだけマシでしょ?」
そうだそうだ!戸崎さんの言う通りじゃ!
「あるだけマシなのは確かだが、それは本当に切れるのか?切れない様に刃を潰してあるか、模造刀だろ?」
あらまぁ、流石警察官!
って、知ってて当然だわね。俺は知らんかったけど!なんなら日本刀なんて生で初めてみましたわ!
ところで模造刀って何でしょうか?
「形は日本刀そっくりなんだが、その製造方法や製造するにあたっての材料なんかが違う物を差す。らしい。俺も詳しいわけじゃないからな。ただの聞き齧りだ。
だが、製造する方法も材料も違うんなら、切れないだろ?たぶん」
『たぶん』かよ!?
流石刑事!って褒めそうになっただろ!?
謝れ!!
「問題ない。こいつが錬金術を行使した後にキチンと確認してある。
天野。いいか?それは立派な凶器だ。今まで使っていたバットも十分に凶器となり得るし、実際にそう使ってきた訳だ、が、《
凶器として生まれてきた凶器だ。
その事を肝に銘じて扱いには十分に注意しろ。―――良いな?」
「了解ッス!」
なんかさ?君ら仲良くなったよね?
まぁ、ここ数日は一緒に探検してたから仕方無いのかもしれんが・・・・ワシ、ちょっと寂しい。
「はぁ。ホント今日は疲れちゃったわ」
「珍しくないですか?まだ数日ですけどそんな疲れた感じは見た覚えがないんですけど?」
疲労が溜まってきたのかしらん?
「詳しくはこの無駄にバカで元気になったペガサスに聞いて頂戴。私はユキちゃんの様子を見てくるわ」
えっ!?ず、ずるいですぞ!!
俺だってユキちゃんに会って癒されたいのに!!女の子の大変な日だからって遠慮してるんだよ!?
まぁ、端的に言うと―――俺も連れてって!!
「了解ッス。高田さんと綾田さんにはオイラとおっちゃんから説明しておくッス」
「そ。よろしくね~」
あぁ。そんな・・・・って、いや、まぁ、冗談はここまでとして、本当に何があったんだ?お手手をヒラヒラさせて行く戸崎さんの背中からはマジで酷い疲労が見える。
「まぁ、簡単に言うとッスね。モンスターが集団生活してたッス」
「何だと?」「は?マジ?」
「取り敢えず今は対処するにしても戦力や武器などと色々足りないからな。様子だけ見て放置してある。恐らくあれはモンスターたちの『巣』の様なものだと思う」
「・・・フム。まぁ、数にもよるが、正しい判断と言えるな。
バット片手に三人で強襲したところで、例え殲滅に成功したとしてもこちらに相応の被害が出るだろうからな」
そう言えば一体いつの間にバットが標準装備になったのかね?
ペガサスも剛田警部も男だし?警部に至ってはガチムキのオッサンだからバットを持ってても違和感ないけどさ?戸崎さんは―――いや、ま、良いんだけどさ。違和感はどうしても拭えないよね~。
「正確に数えた訳じゃないが、ざっくり50くらいだと思う」
ほぁ~。マジか。
「そこの奴らに見つからない様に逃げ隠れしながら様子見したんでめっちゃ疲れた、って感じッスね」
いや、そりゃ疲れるだろうな。この避難所となった警察署に来る時に俺とユキちゃんも逃げ隠れの経験したわ。
あれ辛いよなー。
しかも、あの時の俺たちよりなお酷い状況だ。
まず、数が多いってだけで色々と違ってくるだろう?数が多いって事は『目』が多いって事で、見つかる確率も、当然バトルになる確率も、極端に高くなる。そして数は『目』だけじゃなくて『手』も増える。最悪の場合の『死』は、確率が濃厚に・・・・。
見つかった場合は数が数なので当然逃げる。でも逃げたとしても―――例え逃げられたとしても、この避難所まで帰る事ってあの人達には出来ないよな?だって、下手すれば追跡されて俺たち全員一網打尽―――――って、ガクブル。な状況には多分しない人達だ。
何せ前の崩壊した避難所でも
うん。考えただけで吐き気がするほど大変だね。あーヤダヤダ。
見つかれば死。
戦えば死。
見付かったら逃げる先は無し。
うん。端的に言って地獄ですわ!
「さて、それじゃ綾田君。意見を聞きたい。
俺、戸崎、天野は放置は無しで意見が一致しているが、アイツらを駆逐できる方法がさっぱりだ。
一か八かで打って出ても俺らが死ぬ方が確率は高いだろう。かといって放置すれば今後の俺らの活動には邪魔にしかならないし、何よりも危険だ。あの集団がもっと大きく大規模なモノにならないとも言えない。
だが、手を出せない――――堂々巡りだ」
あー・・・んーーーー。――――わからんね!
俺にもさっぱりですな!
って事で!
助けてアヤタモン!
「・・・・・・・・・実現可能か不可能かを度外視すれば方法はいくらでもあるが・・・。
フム。現状では『無理』と言えるな」
えぇ!?
おいおいおいおい!そりゃねぇぜ!?
「しかし、放置出来ないと言うのは僕も同意見だ。よって、早急に準備を整え、そいつらを処理する。
目標を定め、動けばそれ程時間はかからんだろう。目標は―――一週間以内、と言ったところか。」
お、よかった。
諦めた訳じゃなかったのね。
「具体的にはどうするんだ?」
ですよね?そこ、気になります!
「今最も実現が容易いのは『爆破』、だろうな」
ほうほう。
『爆破』・・・・って、「爆破!?」
「あぁ。貴様のチカラを使えば割と簡単に出来るだろう。それを大量に若しくは強力に作った爆弾でそいつらを一掃する」
うん。言葉にするとイヤに簡単に聞こえてくるけど・・・・爆弾ってそんな簡単に出来ないよね?
専門的な知識は勿論いるだろうし、同じ様に専門的な技術も必要だろ?そんなん俺、持ってませんよ?当たり前だけど!
「取り扱いについては十分に注意する必要はあると思うが、作成自体は簡単だ。
貴様のチカラは都合が良い。昼間にも言ったが、貴様自身に知識や技術が無くとも材料さえ揃っていれば作れるからな。
精々頑張る事を期待する」
おいこら。何奴隷的な扱いしてくれてんだよ!?さては貴様、反省してないな!?
◇◆◇◆◇◆◇◆
はぁ~。
明けちゃって翌日。
「さて、行くぞ」
「本当に行くの?」
怖いよ?ヤダヨ?
「うだうだ言うな。今は一刻も早く動かなければならない状況なんだぞ?それとも何か?貴様は死にたがりか?それは結構だが僕達を巻き込むな」
あ、これ、ちょっとマジギレしてね?
ジョーダンですよ?ジョーダン!マジにしないで!?
「分かってるって。ちょっとくらい文句言ってもバチは当たんないじゃん?的な」
「バチは当たらんだろうが、僕の不興は買う事になってるぞ」
やだ何それコワイんですけど。
「少なくとも現状では貴様に対して手心を加える気は毛頭無い」
・・・・・・やっちまったわー。――――ん?いや、待って?それって最初っからだよね?
いや、でも―――
「ほ、程々に・・・?」
「今言っただろう?
『手心は加えない』と」
こんにちは苦労。
さようなら安楽。
「行くぞ」
「・・・ぁぃ」
行きますよ。
「んで、護衛的な感じで付いてくるのが・・・」
「オイラッス!」
何故にペガサス?
俺の、俺の
「今日はオイラだけッスから二人とも十分に注意するッスよ?」
ペガサスのクセに偉そうに!
気を付けます!
「今回は先に前に確保した店舗へと向かう。
その店舗と周辺から必要な材料を集める。それで爆弾が出来る」
「ホントに日用品しかないッスよ?大丈夫ッスか?」
まぁ、問題ないだろうな。
「問題ない」
ま、そだよね。
爆弾作るのって科学だし。必要な成分を理解してれば出来るわけだし?普通の人は
自信満々のコヤツが知らないハズはないだろう。何故にそんな物騒な知識を持っているのかはさておき。
「では、出発!ッス!!」
「あいあい」「ああ」
野郎三人でお出掛けとか――――世も末だぜ・・・洒落にならんな?こんな世の中じゃ。
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