第9話
「良い?昨日はあんな時間でも私たちの部屋に入れてあげたのは色々な状況が重なった結果であって、当然ながら今日からはまた立ち入り禁止よ?当然わかってるわよね?」
笑ってない目と微笑みと圧のある声。そして、もう一回笑ってない目。も一つやたらと力強く握られ、赤くなっちゃためっちゃ痛い手首。
怖かった!
何故夢にも見る程ときめいた女性御本人から、脅しを受けねばならんのだ!?
「じゃ、そゆことで。お留守番、よろしくね?」
「い、いってらっしゃい。」
ニコって――――はあぁん綺麗――――――ハッ!?
いかんいかん!今の今に脅されたのに!何見惚れてんのさ!俺のバカ!!
「貴様はあの気の強い女に惚れているのか?」
「うぇ!?ま、まままままままさか!?そ、そそんな、はず、は?」
「まぁ。どうでいいが――――そんな事より貴様のチカラの検証だ。」
「そ、そんな事じゃ――――・・・・はぁ。ま、いいや。了解。だが、その前に綾田!」
「なんだ?」
「俺は【貴様】なんて名前じゃないぞ!」
よくよく考えればコイツから一切名前呼ばれてない!『おい』とか『コイツ』しか聞いてないよ!!
名前で呼びなさいよ!名前でさ!!
「?知ってるが?」
「―――――――。」
そうじゃねぇよ!
ちっげぇよ!
「名前で呼べつってんの!!」
「名前で呼ばれたければ僕が驚きおののく程の功績を上げる事だな。わかったな?さっさと行くぞ。」
クゥーーーーーーー!!
やっぱコイツ嫌い!!!
「お、お兄さん。私も【高田さん】って呼んだ方が、い、いいんですか?」
「ち、違うよー。これは綾田だけに言っててね?ユキちゃんはそのままで良いんだよー。もっと呼びやすいのがあったらそっちでもいいけどね?」
ユキちゃんにまで影響が・・・・・許すまじ!綾田!ユキちゃんは変わらないでね?
「よ、よかったです。」
「さて、俺たちも行こうか。」
何かちょっと先で、イライラしながら待ってる奴いるし。・・・・いや、待てよ?
もうちょっとお話しでもしよっか?ユキちゃん?
ふはははは。もっとイラつけ!
「今日は何をするんですか?」
「あそこにあるコンビニから色々と運ぶんだ。」
ま、そんな訳にもいかんか。イライラが爆発して何されるか、何言われるか・・・・・うん。わかったもんじゃねぇな。
「お、お金。持ってないですよ?」
「うん。まぁ。そうなんだけどね?今は色々と大変な事になってるでしょ?だからね。お金の心配は今はしなくて良いんだよ?」
「・・・?わ、わかりました。」
繋いだ手から震えが―――――怖い、のかな?
確かに悪い事してる感じがする事で、そこに恐怖を覚えるのは仕方の無い事だと思う。特にユキちゃんみたいな『いい子』はそう思うし、怖いだろうな。しかも、外には化け物が徘徊している。震えるなって言う方が無理がある。
でも安心して良いと思う。この周辺はあの三人が頑張って見回り、駆除をして回ったらしいから。元々この周辺は比較的危険は無かったらしいが、それでと数体はゴブリンが居たそうだ。もちろん駆除済み。
あの御三方に感謝!
「遅い。」
微塵も不安も感謝も恐怖も抱いていないだろうコイツには一切関係ない話だな。
「うっせ。」
「取り敢えず目的の確認だ。
共通の意識を持っていなければ複数人で行動する意味が半減だからな。そこのところは理解しているな。」
分かってるっつーの!
「あいあい。
今回必要なもの、それは『全て』で良いんだろ?」
「その通りだ。
貴様の錬金術は可能性の宝庫だ。試せるものは全て試す。可能性があるもの、無いもの、それは関係ない。兎に角『全て試す』。
それに必要なものが――――」
「『全て』ですか?」
「ほう。会話の意味が理解出来ているのか?その歳で中々にどうして、優秀じゃないか。ユキ。」
偉いねぇ〜。ユキちゃんは偉い!
そして、【子供】と呼ばずに【ユキ】と呼んだよ?って事は、さっき綾田が言っていた事を信じるならば、綾田の中でユキちゃんが認められたって事か?ビックリしたの?ちっとも驚いている様子も無かったし、もっと言うなら今のって『功績』じゃないよね?――――――ま、まぁ喜ばしいことだよな?
でもさ?綾田!俺は!?
「何を百面相しているんだ?貴様は。
確認も取れた。さっさと行くぞ。」
はいはい。
ってな感じで急かさなくても、もう着いたんだけどな!残念だな!綾田よ!!
「先に僕が中の安全を確認してくる。」
「あ?1人でか?」
馬鹿じゃないの?
「僕は【ルーム】に
異常があれば大声で貴様に知らせ、僕は【ルーム】に避難する。貴様はユキを守りつつ、警察署に駆け込め。施錠も怠るなよ?それからあの無駄に並べたデスクで可能な限り早くバリケードを作れ。僕の救出はその後あの三人が帰ってきてからだ。くれぐれも一人で突っ込んでくるなよ?わかったな?」
ん、ん〜〜〜〜。それが最善なのか?
どうしても複数人で確認した方が安全な気もするし、見落としなんかも無くなるように感じるが・・・・・。ってかさ?何気に俺が一人でも救出行動するって思ってるの変じゃね?何の根拠があってそう思うんだろうか?俺ってどちらかと言えば君の事嫌いだよ?
って、あぁ。俺の返事は要らないのね。
サッサと行きやがって!こんちきしょうめ!これだから綾田は!!
仕方ない。
「ユキちゃん。俺達は周りに注意しよう。何か見つけたら教えて?」
「はい!」
――――――――うん。パーっと見た感じは問題ないよな。乗り捨てられた車とか。建物に突っ込んだ車とか。ウゲッ!あれって、血ですか?マジ勘弁!
それにしても本当に死体1つ無い。いえ、精神衛生上は大変有り難いことではあるんだけど、不思議だ。至る所に血痕はあるから余計にそう思う。
もしかして、さ?死んでた人間全員感染しちゃった感じか?死んでたのに起き上がっちゃった感じか?他に可能性は・・・・あー。あの三人が片付けてくれたと言う線もあるか。時間的にどうなんだろう?ここに来て日数は全然消化されてないのにそれは可能なんだろうか?――――数が少なければ?まー出来そうではあるな。
さてさて、周囲に異状なし。怪しい影も無し。
ユキちゃんにも視線を向けてみるが「大丈夫みたいです」との事だし―――「おい。こちらは問題無しだ。入って来い。」
あ、はい。
「さて、男2人と子供1人では『全て』欲しいと言えど労力的に不可能だ。よって、食料優先。それも日持ちしないものを重点的に持っていくぞ。」
あいあい。
「綾田。食料以外にも現時点で生活に必要な物は持って行く。それで良いんだよな?」
タオルとか、歯磨き用品、後は体を清潔するためのうんぬんかんぬん。
「当然だな。――――フム。ユキ。お前が考える『最低限の
「が、頑張ります!」
「期待している。」
?なぜにユキちゃん?
「――――ハァ。その顔を見るに理解していないようだが・・・・。『最低限の身嗜み』これは体の清潔さとほぼイコールと考えても差し支えないだろう。」
まぁ、そうだね?
お?ユキちゃんの好物発見!確保ぉ〜!ポッケにナイナイ。
「『最低限の身嗜み』と言われ、その『最低限』の基準が高いのは僕達男か?それとも幼くとも女であるユキか?どちらだ。」
「いや、そりゃ、まぁ、ユキちゃんでしょうね。」
「それが答えだ。
満足に医療設備もない状況だ。今はまだ少し努力すれば入手可能な薬すらも今後どうなるかわからん。で、あるならば少しでも清潔に保ち、病を遠ざける。その為に女であるユキに頼んだ。
幸いにもユキは年の割に聡い様だからな。効率的な面から見ても任せるのが良いと判断した。一応後で何を持ってきたのかはチェックする。万が一僕、億、いや無限大の一の確率で貴様が何か気が付いたらその時に助言すれば良い。理解したか?」
一言・・・二言?多いわ!だけど、あいあい。
「食料は僕が集める。貴様は飲み物だ。いいか?ソフトドリンクなど持ってくるなよ?必要なのは水だ。持てる量に余裕があるならバックヤードからもかき集めてこい。」
うっせぇわ!知ってるわ!分かってるわ!
―――――――――――。
「おーもーいーぞー。」
取り敢えず陳列棚にあったものは入るだけ、種類も気にせず入れてやった!後悔はある!
何せ重い!
買い物カゴ2つに敷き詰めたお水さん。――――ねぇ?ちょっと軽くなりませんかね?オタクら。
「食料の方を見て思ったが、まだまだこの辺りは漁られてないようだな。バックヤードまでは必要なかったか――――だが、いつ漁られるかわからん。早急に、今日中に水だけは運ぶぞ。」
「はぁ!?」
おま!マジ巫山戯んなよ!
めっちゃ重いんだぞ!
「これからのことを考えれば当然の判断だ。ほら、行くぞ。ユキは既に待っている。」
て、手伝っ―――――えるわけないわな。
綾田も綾田で両手にカゴですもんね!
――――――はぁ。
やってやらぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!。
あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ。
ぐぬぅ!―――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――へぅ。
―――――――――。もぅ、だ、め。ガクッ。
「何をのんびりしている。ほら、もう一度だ。行くぞ。」
ぐ、ぐおぉ。マジかぁーー!?
「ゆ、ユキも頑張ります!」
「無理はしなくていい。本当に持てる分だけ、数本頼んだぞ。」
「はい!」
ええ子やね〜。
「貴様は死ぬ気で運べ。」
―――――悪い子やね!!!
◇◆◇◆◇◆◇◆
「さて、楽しい楽しい実験の時間だ。」
いや、もうちょっと休ませて?
出来れば明日くらいまで!!
「腑抜けが。もう少し鍛えておけ。それから休憩は却下だ。
さっき休んだ筈だ。昼食の時間は余裕を持たせた。」
い、いや、そうなんだけどもね?
ご飯はのんびり食べたよ?何なら食後もだらけてたよ?で、でもさ!?今日はちょっと、ホント、しんどいんだよ!?
「ってか、何故に綾田は平気なんでしょうか?」
「日頃から適度な運動、トレーニングはしていた。頭を働かせるには適度に体も鍛えていた方が効率的だったからな。そういう貴様は全くトレーニングしていなかった様だな?」
はい。全然です。
ゲーム。
漫画。
アニメ。
ラノベ。
偶に映画鑑賞と音楽鑑賞。
まぁ、ここ最近はお金無くてしばらく出来てなかったんだけどさ。
だって無職ですからね!だからココ最近は就活以外にやることがなかった!それだけをやってきた!
他はやってません!
仕事も決まってないのにスポーツなんてしてたら多分親達から冷た〜い視線がプレゼントされてただろうし?あ〜でも、筋トレくらいしておくべきだったね。後悔先に立たず!
「え、えっと。む、無理しない方がいいんじゃ・・・。」
「ユキよ。時として個人の事情、更には集団の事情よりも優先されるべき事が発生するのを覚えておけ。その時々、若しくはその先々の事を考えれば苦渋の選択をしなければならないことは必ずある。
今は先々の事を考えれば、コイツの事情は考慮するに値しない。と言うことだ。心や感情ではない。頭で、理論で理解しろ。納得しろ。
それが『今』と言う現状では最善解だ。」
ぐぅの音も言えないね。
俺のチカラは『何か』を『生み出す』チカラであり、日々の生活、先々の生活、そして、現状を生き抜く上で期待を寄せれるチカラだろう。
そんな事は綾田に言われなくても、誰に言われなくてもわかっている。
うぅ。仕方ない。気合い入れて頑張ろう!!
「先ずはコレとコレだ。」
??―――――は??
「水と・・・水?」
いや、それに何の意味が???
「銘柄は違っても水は水だろ?何をイメージすれば良いんだよ。」
「当然、『水』だ。」
ねぇ?バカにしてる?
この俺のチカラって結構重要だと思ってるのって、もしかしてわたくしだけ?
「恐らくはただ水が混ざるだけだ。だが、ただそれだけでも貴様のチカラを使えば何かしらの効果が現れるかもしれん。その確認だ。」
あ、ちゃんと意味あるんだ。良かったよ!
「了解。んじゃ早速。
相も変わらぬほんわりな光―――――あん??
あれれ?変わってなくね? 普通に水のペットボトルが二本のままなんですが?
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
錬金術行使結果
【ミネラルウォーター】
ランク:1
身体回復:1
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
お?おぉ!マジか!?
「出来たわ。」
「効果は?」
「『身体回復』ってのが『1』付いてる。」
マジかぁーー。ただの水がねぇーーー。
「フム。その結果から二つの可能性が考えられるな。」
―――はい?二つ??
「一つ。
貴様のチカラでただの水に体を癒す効果が付いた。」
え?いや、そう言う結果で確定なのでは?
「二つ。
この世界に存在する全てのモノに何かしらの効果があり、貴様のチカラは無関係。」
は?・・・・・・・・・どゆこと?
「つまり、摩訶不思議なこの今の世界では全てのモノに何かしらの効果が与えらている。そう言う世界に変わった。と言うことだ。」
お、おぉ。確かにその可能性もあるね!
元々この【ミネラルウォーター】には『身体回復:1』の効果があって。それを混ぜても変わらないって事だな。
うん。その場合は確かに俺のチカラは全く関係ないね!ただ混ぜるのにチカラを使ったから結果発表が見られただけだ。
「だが、今この二つの可能性のどちらが正しいのか断定するのは難しい。予想としては恐らく貴様のチカラだとは思うのだが・・・・・」
「でもさ、俺のチカラじゃなくて、『元々効果がある』の方が【盾の領域】の数値が増える理由は説明できるよね?ただの服とか下着で増加するんだからさ。」
「フム。――――確かにその通りだな・・・・・。貴様にしては良い着眼点だ。」
あれ?今の誉めたんだよね?まだ名前では呼ばねぇのか?おん?――――――――――ま、良いや。
「理想としては貴様の様にその物の情報を見れれば良いのだが・・・。」
まぁ。そっすね。
俺の場合はチカラを使った後に、その結果報告的な形でアイテム(?)のステータス(?)、情報が俺にだけ可視化される。かなり限定的なものだ。
それが、限定的なものじゃなくて、色々と制限無く使えるならそれはそれは便利だろう。
「しかし、無いものを考えても、ねだっても仕方無いことだ。これからは極力貴様がチカラを使ったものを使用していく事にした方が良いだろうな。
服や食事、薬に武器、防具。寝具なんかも試したいところだ。それから生活用具も――――フッ。
喜べ。兎に角必要なものは全て作れるぞ。」
おいこら。
それの何処に俺が喜ぶ要素があるんだよ!!
くっそ忙しいじゃねぇか!?
「ゆ、ユキも!お手伝いします!!」
「ありがとねぇ~。偉いねぇ~」
なでなで。
「勿論俺も協力してやる。有り難く思えよ?」
ケッ!!
ペッ!!
「さて、もう暫くはあいつらが帰ってくるのに時間がかかる筈だ。先ずはあいつらの安全性を高める事と、此処の防衛力を高める事。この二つを中心に今ある材料と道具で出来るだけやっていく。
異論はないな?」
おろ?一応確認するのね?
命令をするだけじゃないのね?
ちょっと意外です。
チームワークが出来ない訳ではないのか、な?まぁ、かなり人は選ばれるだろうけど――――主に口の悪さで!
「って言ってもろくな道具も材料もないけどな。」
「その分は仕方無い。あいつらにも余裕があれば使えそうなものを頼んでおいたからな。今日のところはそちらに期待しよう。」
今日のところは、ね?
その言い方だと後日色々と手に入れに『出掛ける』ってことだよな?・・・・・それは誰が行くのかな?かな?
「あれ?ってかさ、ここ警察署じゃん?拳銃あるんじゃね!?」
そうだよ、そうじゃんかよ!今の今まで気が付かなかったぜ!!良くやった俺!!!
「ハッ。バカが。そんなものいの一番に確認している。どっかのバカと違ってな。」
おいこら。鼻で嗤うな!鼻で!
しかもバカまで言いやがったな!
「あのアホ刑事によると拳銃は全部持ち出したらしい。そんな事があるのかと怪しんで実際に見せてもらったが、ものの見事に空だったな。」
い、いつの間に・・・!?
「貴様がバカ面でいびきをかいていた時だ。因みに空の理由はここの署長が全責任を負うと宣言し、安全を確保するために全署員に持たせたそうだ。
更に余った分は予備やその他銃が扱える者に渡すために持ち出す事になったらしい。それも署長の指示だそうだ。
どれもこれも『安全確保の為』と言う事だが、僕にはさっぱり理解できん。銃が出回れば確かに安全を確保しやすいだろうが、もしも誰か悪意ある人間に渡った時、それは脅威以外の何者でもないと思うがな。その危険性を考慮してない。全く、忌々しい。」
おぉう。
英断!って言いたいけど、今の俺たちの現状から言うならば「余計なことしやがって!」って感じだよな。
そして、今綾田が懸念した『悪意ある人間が手にする』可能性が爆上がり中。
元・避難所の学校にもその拳銃はあった筈。警官なのか、それとも一般人だけど使える人かはわからんけど、誰かしらが持っていた筈。
そんな元・避難所が壊滅した。生存者は居るらしいから持ち出せているとは思うけど全部無事って思うのは都合が良すぎる。
それよりも、そんなこんなの『避難所崩壊』と言う一大事のどさくさでいつくか紛失している可能性があるっての方が可能性が高い。
そして、それを手に入れる者が居たとしてもおかしくない。
拾った人がたまたま『善人』だったら良いけど、『悪人』だと最悪である。
うん。マジ勘弁。
ってのが声に出して漏れちゃいそうなくらいには最悪である。
「んじゃあ、取り敢えず《防具》的なものから作った方が言い感じ、か?」
「――――甲乙付け難いな。
安全に辺りの化け物を排除するにはより強力な武器が必要だろう。先程懸念した悪人の対処にも有効だ。」
「あーー。まぁ、確かに。」
「だが、化け物を相手取る際に身体を守るための物が不必要な訳ではない。同じく悪人、それも拳銃を手に入れて天狗になっているバカな悪人相手なら絶対に必要だろう。」
「あーー。まぁ、確かに。」
で??結局どっち!?
「――――《防具》だな。
身を守れればいざというとき逃げやすいし、耐える事が出来れば反撃が出来る機会を伺える。
取り敢えず三人分、貴様のチカラで作れる最高の防具を作る。
武器は―――状況次第だが後回しだ。」
どっちも作れば良いじゃん!って思ったけど、俺が多分出来ないだろうな。【具現の力】が多分足りない!
「さて、方針は決まった。
だが、貴様のチカラの全容はまだハッキリしていない。解明の為にも貴様が送ったメールの内容を一字一句漏らさず教えろ。」
「覚えてるわけないでしょ?」
「――――。」
いや、無理だろうよ。
30分かけて作った『俺のすごい能力』だよ?
そりゃあもう、色々と突っ込んだもん!
「あ、でも、スマホから見れるよ?たぶん。」
「・・・さっさとよこせ。」
あいあい。
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