第43話の最近の落武者事情について。
『よ、宜しくお願いします・・・。』『美桜は何歳なの?』『安部!!相手にするな。』『今年で25ですけど・・・。』『わっか!!でも、美香たんには勝てないけど、美桜もすっごく可愛いよっ!!』
ウインクうぜーし。
褒められてもうれしくねーし。
・・・足くせーし。
あ、違う。変質者じゃなかった。美香さんの「彼氏」なんだった。危うく110番するところだった。
『煌太、ちゃんとカツオの良いところを見てよ!!』『今ここで見せて見ろよ!!』『カツオ!!見せつけてやって!!』『分かった!!』
「カツオ、血迷う」の巻き。
何を思ったのか、セルフサービスだった水を取りに言ったカツオは、指を思いっきり水に浸しながら4つテーブルに「ドン」とドヤ顔で置いた。
『見てください!!』『何がだよ。』『水の量、全部均等!!』
『・・・美香。』『何?』『こいつの何処が好きなんだよ・・・』
佐野さん、疲労困憊。重度のシスコンの佐野さん。大好きで仕方ない妹の彼氏が異人では・・・余りにもかわいそう過ぎる。
『あの、カツオさん。』『何?美桜。』『美香さんに何かあった時、命を張ってでも守れますか?』
人間は見た目じゃない。頭皮でも服のセンスでもない。
「相手を思いやれる気持ち」。それに尽きると思う。
『どうやって命って張るの?』
とうとうここまで来た。本当に苦労した。でも、ようやく見付けた。見付けられた・・・。
「頭の痛い奴を・・・」。
『カツオ、アウトーーー!!』『えっ!?安部さんまでっ!?』『美香さん、こいつ幼稚園からやり直した方がいいっすよ。』『美桜、俺は保育園だ。』『そこはどーでもえーんじゃい、ボケェっ!!』
散々痛い奴を見てきたが、ここまで優秀な痛い奴がいたとは・・・、もはや激レア。
『みんなしてカツオの悪口言わないでっ!!』『言わないでっ!!』『カツオはすっこんでろ。』『美桜って、ちんこ付いてる?』『優しく言ってぶっ○すよ!?』『ああっ!!もう分かった!!』
机を『バンッ』と叩き、佐野さんが立ち上がった。
『只野カツオ。俺と勝負だ。』『へ?何の?』『ラーメン早食い対決だっ!!』
・・・どうやら、佐野さんまで「痛い奴菌」に侵されてしまったらしい。
もう、勝手にやってくれ。
『早食いで煌太に勝ったら、交際を認めてくれるの?』『勝ったらな。』『美香たん、結婚認めてくれるってー!!結婚したら、バイト辞めていい!?』『どんだけクズなんだよ、落武者野郎。』『安部さん!!』『あ、すみません。つい本音が・・・。』
店員、そして他の客も見守る中、「激辛担々麺早食い対決」開始。
『頑張れカツオ!!』
他人事をいいことに、客はカツオを応援・・・いや、半分ディスられている。
『イケメン頑張れ!!』
店員のおじさんや学生達は、世の中を舐めているカツオに激怒し、佐野さんを応援。
そして、あたしは勿論佐野さんを応援し、美香さんはカツオを応援。
『ぅおえっ!!辛っ!!』
カツオよ、得意分野じゃなかったのか。
『げほっ!!鼻にはいった・・・』
佐野さん、言い出しっぺドンマイ。
果たして、勝者はーーーーどっち!?
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