第41話 目潰しされた側はコンタクトが裏にいくという不具合。
その後、目潰しされた事が原因でコンタクトが目の裏へといってしまい、散々な目にあったあたし。
跡部さんは、ふいをついてあたしに襲い掛かってくる曲者だった。
「敗北。」
夜勤中だった良介と跡部さんは看護師に呼ばれ、各フロアに戻らなければならなくなり、話は中断。
かなり中途半端な状態で幕は降りた。
『安部、大丈夫かよ(笑)』『笑い事じゃないです、佐野さん・・・。目ん玉いてーです。』
佐野さん、楽しそう。
ドSだもんな。そりゃ目潰しなんて滅多に見れないもん見れて、楽しいだろうよ・・・。
コンタクト・・・、はよ戻って来い。
『送ってくよ。』『あ、大丈夫です。』『いや、目潰し・・・ぷっ(笑)』『え、今笑った?』『笑ってない。』『目、痛い。』『だって目潰しされて・・・ぶはっ(笑)』『やっぱ笑ってんじゃないすか(笑)』
「とりあえず送る。」
そう言って頂だけたご好意に甘える事にしたあたし。
車は駐車場に放置し、明日は夜勤。歩いてくれば何の問題も無いだろう。
『安部、腹減んない?』『かなり減ってます。』『美香誘ってラーメン食いに行こうぜ。』『あっ!美香さんに会いたいですっ!行きますっ!!』
佐野さんが美香さんに連絡をし、美香さんの自宅付近まで迎えに行く事になった。
施設から約40分程の距離にある美香さんのアパートは、メゾネットタイプでとても綺麗。
車を停めたと同時に、美香さんがアパートからベストタイミングで出てきた。
『美香さん!!お久しぶりですっ!!』『安部さん、久しぶり・・・目、痛そうだけどどうしたの?』『目潰し(笑)』『佐野さん!?』
美香さんが車に乗り込み、いざ、ラーメン屋へ出発。
車内では目潰しされた経緯や良介と跡部さんの話を愚痴の様にあたしは美香さんに炸裂。
『・・・結局目潰しされた側なのね、安部さん(笑)』『でも、あたし悪い事しましたかねぇ!?』『安部さんは何も悪くないでしょ。』『まぁ、跡部の妊娠も嘘みたいだしな。』
何故目潰しをされなければならなかったのか。
「目潰し」←この言葉出さなきゃ良かった・・・。
『それで?安部さんは良介とどうするの?』『どうするも何も、あたしが好きなのは・・・』『煌太だもんね!?』『はい。・・・あ、いえ!あ、うん。』『煌太はどうなの!?』
美香さんがいると、話がスムーズに進む。ちゃんと道を作り、導いてくれる。
美香さんの彼氏って、どんな人なんだろう?
『俺も好きだよ。』『うわぁ・・・、煌太の口から初めて女の人
を「好き」って言ってるの聞いた!!』『え、そうなんですか!?』『そうだよー!!安部さん、激レア!!』
嬉しくて顔がニヤけてしまう自分が超キモい。
そして、そんなあたしの様子を見てクスクス笑う美香さん・・・。
同じ女なのに、なんでこうも仕草に差が出てしまうんだろう?
『煌太、付き合うんでしょ?』『それは無理。』『は?何で!?』『お前がちゃんとした男と結婚するまで、俺は彼女を作らないって決めてんだよ!』
あれれ?さっきの展開だと、付き合う前提じゃなかったっけ!?
・・・まぁ、「両思い」なだけでも、あたしは充分満足なんだけどね。
『あたしはあたし、煌太は煌太でしょ!?』『お前、今の彼氏俺に中々見せねーじゃん。何でなの?』『別に?タイミングが合わなかっただけ!なんなら、今から呼ぶ?』
えっ!!今から美香さんの彼氏さんと一緒にラーメンすすんの!?てか・・・ラーメン屋とかでいい人柄なの!?
『呼べよ。』『分かった。』『えっ、あの美香さん、いいんですか!?』『全然!ただ、ビックリしないでね(笑)』
・・・ビックリ?どういう意味で!?
まさか、外人とか?
『煌太、今から向かうって。』『へぇ、楽しみで仕方ねーや』
こうして、あたしは美香さんの「彼氏」と御対面する事となった。
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