第4話 RIZAPしとけば良かったと後悔する日
『狭いし、汚い部屋だけど上がって!』『お邪魔しますぅ・・・。』良介の匂いがする部屋。今まで家に誘われた事も、行きたいと行った事もなかった。ワンルームのシンプルで過ごしやすそうな部屋。
・・・確実に実感暮らしのあたしの部屋よりも綺麗である。
夕飯にラーメンを食べに行ったあたしと良介。
この後彼氏の家に行くというのにも関わらず、ニンニク増しでガッツリ食べてしまった自分の吐息がニンニク臭い。
『美桜、何飲む?コーヒーか牛乳しかないけど(笑)』『あ、では間を取ってカフェオレをお願いします。』『了解!!』
どのタイミングで行為のゴングが鳴るのか?自ら『シャワー借りるね』なんて言っていいものなのか?
今日の下着はどんなんだったっけか!?あたしの頭は既にエロモードに切り替わっていた。
『はい、カフェオレ。』『あ、ありがとうございます。』『美桜、もしかしてさっき俺が行った事気にしてる?』『ううん。うん。』『どっちだよっ(笑)』
気にしてるって言ってしまえば、良介はあたしに気を遣ってしまう。でも、気にしてないとキッパリ言い切るのも、ヤル気満々の女みたいでなんとなくプライドが許さない。
ま、ヤル気満々なんだけど。
でも、1つだけ聞きたいことがある。
『良介は、あたしの何処が好きなの?』『美桜を好きになったきっかけは、喫煙所で俺がライター忘れてタバコが吸えなくて困ってた時、それに気付いてライターをくれた事かな?』『え、それだけ?』『言えばキリがないよ?笑顔も好きだし、天然な所もがんばり屋な所も。美桜は?』
え。あたしに回って来てもうた。
あたしが良介の好きな所・・・。優しい所なんて、ありきたりだし、別に面白い性格でもないし。顔はイケメンだけどタイプじゃないし・・・。でも、ちゃんと好きって気持ちはあるから告白をOKした訳で・・・。
『た、太陽みたいにあたしを照らしてくれる所!?』
『俺、美桜の彼氏としてちゃんとやれてる?』『うん、やれてる。』『美桜は、ちゃんと俺を見てくれてる?』
核心をついた質問に、一瞬言葉が詰まりそうになった。あたしはきっと今まで本気の恋愛をした事がない。自分で追い掛ける恋をした事がなかった。だから、長く続いた事もない。告白はされるけど、すぐに振られてしまう。
・・・そう、あたしは恋愛下手くそ人間なのだ。
『良介の事は見えてるよ。』『視力の問題じゃなくて(笑)ちゃんと好きって思ってくれてる?』
おい、あたし。しっかりしろぃ。
『思ってますです。』『良かった。俺、本気で美桜が好きだから。大事にするよ、沢山。』
良介の顔が・・・近い。近い近い。
このムードはまさか・・・ゴングの鐘が鳴ったのか!?
良介にキスをされ、そのまま床に押し倒されたあたしは、何年ぶりかのご無沙汰状態で良介に服を優しく剥ぎ取られていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます