Dark Brown Gold ,Dancing Fullmetal Sworddance With Demons.
禍々しい詩に彩られた、虚無僧の笠を縦三文字に走る眼が充血した光を灯す。異形の虚無僧じみた
アルバルクと
張り詰めた弓弦の緊張。元来、髪や爪など己の一部とはいえ、悪魔には取り返しのつく箇所を捧げるのが普通である。だが、
だが、何事にも例外が存在する。もし、供物としてはどちらも上等となれば……? 結局両者の術者としての腕前が物を言う。微細な差が決定的な格差として映る。
『ヒャィ!』
鳥嘶一声、
しかして、武器として練磨されたわけではない刃は如何に兇悪無慈悲で強靭強大であろうとも、所詮は据物斬りの器械。真なる武具には及ばぬ。
『なにィ!』
刃は逸らされ、宙を破断したものの、狙った
『なにを驚く? 俺が剣を取ることがそれほど意外か?』
機械悪魔
『キエッ!』
そう、外法の
現実を塗り替える魔咒が相克し合い、現実を押し付ける。捧げたモノを賭金に、互いの咒いの
『な、なに?』
拳法――四肢を武器とした戦闘術体系は、確かにドウジギリを頼みにした
だが、ことはそう単純ではない。動きの起点をことごとく止めにかかり、更には
〝
『姫、黙っていろ。ご馳走にありつくには多少の我慢も必要だろうが!』
苛立ちの混じった返事は、
苦し紛れのローキック。剣技への繋ぎとしての、格闘技者としては練磨されていると言い難いそれだが、想像に反してアルバルクは蹴りの衝撃を従容と受け入れていた。自在にうごめく白刃の蛇を躱し、頭を抑えていたとはとても思えぬ。まさか――。
防禦を捨て、
〝馬鹿な! 何をしておる!〟
当然、アルバルクがこれを見逃すわけがない。勇んで繰り出された崩拳が、暗褐色の金の名を持つ
〝あぁ!〟
一撃で右腕を壊せる威力ではないが、無防備で喰らわせたとなれば、通常よりも被害は甚大となり得る。だが、そうと心得ていた
『うおおおお……』
刹那の攻防。右腕を犠牲にした一手は、アルバルクの胴体にドウジギリの刀身を埋め込むことに成功していた。手応えあり……だが、痛手を与えたものの、術者を仕留めるには至らず。
『惜しい』
つぶやく男の声には喜悦の
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