第47話:大魔境三
亜竜種五十頭を手に入れた俺は運がいいと思ったが、今日は幸運はそれだけではなく、先ほどの竜よりも大型の陸上亜竜種の群れを発見した。
全長の平均は二十五メートルくらいで、体重は三十トンくらいだろうか。
そんな巨大な竜がさっきと同じように百頭くらいいた。
前世ではブロントサウルスと呼ばれていたくらいの大きさだと思う。
この群れも先ほどの群れと同じように、雄と生命力の弱い雌を五十頭狩った。
この成果によって、強化意識体ドッペルゲンガーに使った魔宝石以上の魔宝石が手に入ったが、数多く使った魔晶石や魔石の補充ができていない。
高品質な魔宝石も大切だが、低品質でも数が必要な場合がある。
俺は大ダンジョンに行く前に探索魔術で魔獣と魔蟲の分布を探ってみた。
人型魔族に狩れないくらいの強さで、数を狩れる魔獣と魔蟲がいればいい。
体内に魔晶石を持つ小型の亜竜種で、巨大な群れを作るモノなら最適だ。
魔力の強さを基準に探ったら、千頭を越える群れを作るモノがいた。
だが強さ的に微妙で、人型魔族でも狩れるかもしれない強さだった。
念のために隠形の魔術を使って気配を消し、確かめに行ったら、全長の平均が二メートルくらいで、体重は三十キロくらい小型亜竜がいた。
亜竜種でも最小最弱に分類されるだろう。
魔核も魔宝石ではなく並の魔晶石くらいだと思われた。
俺は五百頭狩りたい欲を抑え込んで、探索魔術の範囲を広げた。
できれば確実に人型魔族が狩れない亜竜種がいい。
今度はもう少し魔力の反応が強い群れを探索魔術が捕らえた。
今回も隠形の魔術を使って気配を消し確かめに行ったら、全長の平均が一メートルくらいで体重が二百キロくらいの、亜竜か鳥か判断に困るモノがいた。
損得だけを考えて狩るには一番困る獲物だ。
人間が亜竜種と認めていれば桁外れの値をつけるが、魔獣と認識していれば魔獣の相場になってしまう。
とりあえず探索魔術で位置を補足しておき、次の反応を確認する。
今回も隠形の魔術を使って気配を消し確かめに行ったら、全長の平均が二・五メートルくらいで、体重は三百キロくらい亜竜かワニか判断に困るモノがいた。
こいつもとりあえず探索魔術で位置を補足しておき、次の反応を確認する。
今回ようやく当りを引くことができた。
全長の平均が五メートルから五・五メートル、体重は三トン前後の明らかに亜竜種と判断できるモノが、千頭前後の群れを作っている。
巨大な襟飾りとオウムのような角質のクチバシを持った、前世の基準では典型的なケラトプス科の恐竜だった。
こいつなら確実に亜竜として素材が売れるし、魔核も小さな魔宝石だ。
俺は雄と生命力の弱い雌を五百頭狩った。
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