第37話:黒幕確保と天罰
俺は鉱山にいた兵士から聞き出した関係者を確保する前に、街道で旅人を誘拐していた兵士を確保した。
経穴を突いて全てを白状させて、激痛地獄に落としてやった。
その上で魔術で空中に浮かして鉱山に運んだ。
もう全て白状させたから、被害者達の好きに復讐してもらえばいい。
被害者が勝手に出て行かないように、鉱山の入り口にかけておいた結界魔術を解いて、兵士達を放り込んだ。
お節介かとは思ったのだが、被害者が家に帰ろうとして死んでしまっては可哀想だから、結界魔術で出て行けないようにしておいたのだ。
ミュンに出会ってから妙にお節介な性格になってしまった。
今までに白状させたロング子爵をはじめとした悪党共を次々と確保した。
芋づる式と言うべきなのか、自白経穴を突くことで次々と悪党を発見できた。
誘拐して鉱山奴隷にしていた関係者以外の悪党も見つけることができた。
その中には世間では善人ズラしている者もいたが、自白の経穴を突いてやったので、自分のやって来た悪事を全部世間に白状した。
そんな連中は今回の復讐には直接関係ないので、街や村の裁きにまかせた。
まあ、逃げられないように激痛地獄に落としておいたけどね。
問題の誘拐鉱山奴隷関係者は、先の兵士達と同じように、激痛地獄に落としたうえで鉱山に放り込んでやった。
時間をかけると逃げ出す奴も出てくるので、その全てを丸一日でやった。
「ここにあるのが今回の誘拐犯から集めた金銀財宝だ。
もう死んでしまった被害者の分も確保しているから、一人が受け取れる賠償金はこの程度になるが、まあ、平民なら家族で一生遊んで暮らせる額になるだろう。
体力が戻るまでは安全になった鉱山で過ごして、その後で家に帰るんだ。
だが、そうだな、家に戻るまでにまた襲われてはいけないから。
時間がかかっても俺が用意した護衛と一緒に帰れ、それでいいな」
俺は結局何度も鉱山と子爵領を行き来することになった。
今回の件に加担していた悪党は、子爵家の家臣兵士だけでなく、悪質な傭兵冒険者も加わっていたので、総数三百六十四人にもなり、一度では運びきれなかったのだ。
最初に鉱山に戻った時、兵士だけでなく裏切者の被害者も惨殺されていた。
こればかりは俺の口出しする事ではなく、被害者が決める事だ。
ただ、信じられないほど高額の賠償金を俺が与えた事で、悪心が起きてしまい、被害者同士で賠償金の奪い合いが始まってはいけない。
その監視の意味もあって、俺のドッペルゲンガーに送らせることにしたのだ。
被害者達の体力が回復して、清潔魔術で身綺麗にして、自分の足で家に帰れるようになった頃には、悪党共は全員ぶち殺されていた。
俺がすべきことは、亡くなられたしまった被害者遺族に賠償金を配る事だ。
賠償金といっても、俺が悪党から奪った金だけどね。
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