夕食
夜空と風仁が見つけたのは、宿舎のある木材加工工場だった。最近まで人が生活していたのでソーラーパネル式の発電機があるし生活必需品はたっぷり残っており、数日間はわざわざ焚火を起こす必要はなさそうだ。
キャンプ用のカセットコンロに水を入れた小ぶりの鍋を置き、酒と昆布を入れる。
具材は冷凍庫に入っていた豚肉と野菜。風呂の掃除から戻ってきた夜空がそれを見て、常夜鍋だと言った。毎晩食べても飽きが来ないという意味らしいが、今は腹いっぱい食べられるだけ有難いだろう。
ゾンビやこの木材加工工場を根城にしていた山賊もどきにワーキャー騒いでいたくせに、もう鍋に釘付けだ。現金な女め。
裏庭に積み上げた遺体の処理はどうするかと悩みながら冷蔵庫を開けると、生首と目が合った。
今度は寝床の準備をしていた夜空は、ガンと殴りつけるような音を聞いて厨房に戻ってくる。
「どないしました?」
「何でもねぇよ」
冷蔵庫を霊安室代わりにしてんじゃねえよ!
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