056 はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~ 完結です。
本エッセイは拙著「はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~」の最新話のネタバレを多分に含みます。エッセイの題もしくはエッセイ冒頭の表記話数をまずご確認いただき、ご自身の読書進捗度と照らし合わせて読み進めるか止めるかを予めご判断ください。
では、以下から新規部分です。どうぞ。
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はじめさんがはじめからはじめる、最終話いかがでしたでしょうか?
無事に終わりました〜! これにて完結です!
2万7千字が全てエピローグでした。長い!
あれだけ全28話とうたっておきながら最後の最後で1話増えるという。これを思いついたのは投稿直前でした。
「よく考えたらここから先は2年後だったよね」
ずっと地の文で進むので時系列の変化を感じ取れないことに気づきました。それに今私達の居る2020年現在から未来の2022年に移りますから。たかだか2年ですがここは強調したいと思い、それで場面転換を入れて1話増やしました。
最初に最終話を書き上げた時は途中の話が数話でしたので、振り返るには内容的にも行数的にも少々寂しい印象でした。最初はたったの1千字でしたからね。だいぶ後になっても1万字くらい。それが終わってみれば2万7千字です。ずいぶんと豪華で賑やかに話を終えることができました。
最終話中でも語った通り、住血吸虫症は封じ込めに成功したのはどうやら日本だけみたいなんです。アジアやアフリカでは、今も類似の寄生虫が猛威を奮っていて。それが特にこの作品でお伝えしたい内容でした。
どうにかしたいですよね、日本住血吸虫症を封じ込めた国の人間としては。
この物語の結末に関わる部分でしたので、第8話のエッセイでこの話ができなかったのは大変心苦しいものでした。ですがそのタイムラグはわずかひと月半。これまで明治時代から100年以上放置して来たのですから、ひと月半は待ってもらえるものと思いました。
人々が忘れずに伝えていくのがまず第一と第8話のエッセイでお伝えしました。
次は何か行動です。現状のしがない会社員の身分では何もできないのが実情です。精々が思い立ってこのエッセイや処女作を世に送り出すのが精いっぱい。
もし何か間違いが起こってこの作品が書籍化でもされようものなら、私は大手を振ってクラウドファンディングの門を叩くでしょう。そして何らかの仕掛けで人々と募金を集め、あの病で苦しむ人を1人でも助けたいと思います。私の小汚いサインで良ければ1万枚でも2万枚でも書きましょう。
これが私の隠された目的。ここまで言ってしまうと野望ですね。もしそうできたなら。今これを書いていて自覚しましたが、どうやらこれが私の夢らしいです。
それにしてもこの処女作は本当に酷いものです。エジソンは晩年、坂本龍馬は暗殺の場面、近藤勇や沖田総司は退場して出もせず、土方歳三は京都を離れて輝きを失ってから。
そんなところには目をつぶって面白おかしく描いておけばいいものを、それを良しとせずに一所懸命人々の負け続ける闘いを描きました。読者さんも私もすでにそこに気づいていますように、それが本作を地味にしている所以です。
ですが、だからこそ、そう描かずには居れませんでした。なぜなら私の一挙手一投足を常にあの第8話が見張っているのです。あの思いをあの話だけにしないようにするには、全編を通してやたら生真面目に描かねばなりませんでした。
あの話は毒ではないでしょうが、劇薬だったのは間違いないです。あの決して目立たない第8話がこの作品の方向性やカラーを決めました。
主人公が下を見る癖、最初は完全に直る予定だったのです。成長する物語ですから、幾多の困難を乗り越えた主人公はもう下を向かない、そうするつもりでした。まるで完璧超人です。あるいは悟りを開いた仙人。
しかしそれは思い留まりました。なぜならそれは、過去との決別あるいは過去の自分の否定に繋がると考えたからです。
この物語は過去を否定して生まれ変わったり、新たにやり直すものではないのです。あくまで現在は過去の延長線上にのみ存在しうるスタンスを取っていますから、過去があっての今を否定するような癖の完全克服は何か違うと気づきました。
それで、改善。
悪癖を残しつつも理想とする行動も取る、いいところ取りまでは行きませんがベターくらいにしました。
あの物語の主人公はこれからも躓いたり転んだりします。それは私達と同じ。ただし旅の前の主人公と違うのは、立ち上がる方法と怪我の治療法を知っているということです。
転びっぱなし怪我もしっぱなしではいつか力尽きます。その手当てとは、恥をかくことだったり何かを失うことだったりするかもしれません。でもそれをしなければ進めないのなら、そうするより他に道はないのです。
はじめさんは遅ればせながら歩み始めました。あの物語を読まれたのなら、新たな一歩を踏み出してはみませんか?
それでも完璧なハッピーエンドではありません。でもこれで良いのではないでしょうかこの作品は。何が何でも完璧にしなければならないのでは息が詰まります。物語ならば完璧なゴールでもいいのかなとはよぎりましたが、それはこの作品の役割ではないと思いました。
読者さんがこんこんと語る胸の内を最後まで適切な相づちを打ちながら聴き続け、やがて読者さんが落ち着いたら顔を上げさせ背筋を伸ばさせ、最後にそっと背中を押して送り出す。それがこの作品の役割です。
70万字におよぶ本編ならびにおよそ10万字のこちらのエッセイをお読みくださり誠にありがとうございました。
このエッセイはカクヨムコンで何らかの結果が示されるまでは続きます。
2020年12月終了時点のデータを示します。
総話数 30話
完成話数 30話
見直し完了話数 30話
増加文字数 32,740文字
延べ文字数 701,175文字
延べ日数 380日
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