043 第17話 1868年 戊辰戦争 終結です。

 本エッセイは拙著「はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~」の最新話のネタバレを多分に含みます。エッセイの題もしくはエッセイ冒頭の表記話数をまずご確認いただき、ご自身の読書進捗度と照らし合わせて読み進めるか止めるかを予めご判断ください。

 では、以下から新規部分です。どうぞ。




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 はじめさんがはじめからはじめる、第17話 1868年 戊辰戦争。いかがでしたでしょうか?




 幕末はその注目度と現代に近い事からかなり詳細に記録が残っています。そのため、史実に沿って作劇をするとかなりの部分で著名な過去作との類似性が浮き彫りに。それでは物語を読み進めてゆく上で何の楽しみもありません。それを回避するために私はいくつかの独自のフィクションを織り交ぜました。要するに、話の都合に合わせて嘘を追加したのです。


 まず土方歳三の負傷のタイミングが全然変わっています。史実では彼が負傷してから会津入りし、全快してから母成峠での戦いに参戦していますが、主人公と出会ってから以降の負傷としました。


 次に会津藩|(戊辰戦争後は斗南藩)ですが、会津藩には嘘が多くあります。

 カリフォルニアへの開拓団は会津藩主導で行われたものではなく、史実では会津藩と縁のあったヘンリー・シュネルの商会が個人的に率いたものであったようです。これは私が作劇上の都合で会津藩と開拓団を関連付けさせたかったがために、開拓団を藩命によって興ったものとしました。


 会津藩はすでに戊辰戦争の戦費でお金を使い果たしていました。うのていで斗南に移って行ったはずです。ですので、船を購入するためのお金はすでに持ち合わせてはいませんでした。


 また、松平容保かたもりは戊辰戦争の責任を問われて鳥取藩で禁固刑になっており、斗南藩主には生後間もない子息松平容大かたはるが座っています。物語性を優先したいので赤ちゃん藩主には引っ込んでもらい、代わりに著名な松平容保に切れ者藩主を続投いただきました。

 その方が船の代金を申請する相手としてより強いと思ったからです。

 幼い藩主あるいは商人であるシュネルに船を要求するのは普通です。普通に却下もされましょうし、意外と快諾されるかもしれません。ですから、切れ者藩主に対して要求するそのハードルの高さに燃えました。私が。


 そんなに設定に無理をさせなくても戊辰戦争と開拓団の両方に参加した人は実在したと思いますし、そのままでも十分数奇な運命とは思います。ところが史実に沿った表現を物語で用いますと、戊辰戦争終結後にシュネルに声をかけられてただ行くという流れになり、少し内容を地味に感じました。

 せっかく歴史が変わって生き残った坂本龍馬も話に絡ませたかったですから、あのような流れになりました。




 しかしそこまでお膳立てをして、主人公は勝ち確定と思われた舌戦に敗れます。一介の女子が一国の大名と渡り合って無事で済むわけがありません。紙のように吹き飛ばされてしまいました。

 でも本当によくやってくれました。あれだけのヘタレがよくぞと、彼女には敢闘賞をあげたいと思います。


 この辺りの話は周りの人物達が豪華なので、少々主人公が霞みがちです。それもやむ無し、普通の20代の女子が幕末の偉人達と渡り合おうというのがそもそも難しいのです。

 それにあれ以上に活躍すると、もう現代に帰れる程の成長が見られたと判断できそう。そんな敏腕チート主人公だったらそもそもこんな旅に放り込まれていません。

 不器用な主人公と作者の旅はまだまだ続きます。




 このところ改稿作業がひっ迫しており、交流のある作者さんのところに全然読みに行けていません。どうしてこうなるのでしょう? それは、直さなければならない箇所がいっぱいあるからです!

 とにかく直したくてですね。片っ端からいろいろな箇所を手直ししています。その結果、投稿当日のいつもの時間になってもまだ編集している状態に陥りまして。それで3日間は実質ストックゼロで走っていました。


 これを何と言うかはご存知ですね?

 自転車操業ではありません。

 人はこの状態を火の車と呼びます。燃えているんですね。火だるま状態で走っていました。


 今話は色々と複雑なので何度も通しで読んでいたのですが、その度に要素が付け足されるのでこのような事態に。エンタメ要素という調理油を最後に加えた上でフランベしたら、案の定燃え移って大炎上しました。

 今はまた盛り返して3日ほど余裕がある状態に戻しましたが、一時はどうなることかと。


 残りおよそ22万字。あと3分の1です。この物語はここからが本番です。

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