033 第12話 1567年 東大寺焼失 完結です。
本エッセイは拙著「はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~」の最新話のネタバレを多分に含みます。エッセイの題もしくはエッセイ冒頭の表記話数をまずご確認いただき、ご自身の読書進捗度と照らし合わせて読み進めるか止めるかを予めご判断ください。
では、以下から新規部分です。どうぞ。
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はじめさんがはじめからはじめる、第12話 1567年 東大寺焼失。いかがでしたでしょうか?
これは単純に燃え盛る大仏殿を描いてみたい、その後の青空をバックにした首無し大仏を描写したいと思っただけでした。
被災した大仏を放棄せずに再建する当時の関係者に脱帽です。私は最初に建立した新規性よりも、一度駄目になったものを復元した努力の方に尊敬の念を抱きます。今も維持し続ける努力を続けている方々も然り。
これは多数林立していたお坊さんの話のうち、整理統廃合しても無傷で残った方です。なにせ冒頭から画的に派手ですから残しました。内容としては少し心許ないですが、お坊さんの矜持だけはしっかりと描けたと自負しています。
きっと事実もああだったと思うのです。お金はない、腕力もない、でも志と倫理観はある。彼らは案外現代人に近い考えを持っていたのではないでしょうか。
その一方で、彼らの死生観はどこか達観しているであろうと推察できます。なにせあんな時代ですから。きっと今のお坊さんとは一線を画すものをお持ちだったのではなかったかと。それを直接お聞きしてみたいものです。どこかにそんなものを記した随筆なんて残っていないですかね?
直前になって削除しようかと考えた第11話と第12話ですが、今になって思うのは、やはり主人公の成長には必要な話だったんじゃないかということ。見ようによっては中だるみに見えなくはないですが、引き合いを出して述べてみましょう。
少年達が活躍するコナンというアニメ作品をご存じですね? 昨今有名な方ではありません。宮崎監督が演出された未来の少年の方です。
少年達は戦闘となると無類の強さを発揮しますが、いざ一般生活を営もうとするとトラブルメーカーとなるような、実は途中まで超がつく世間知らずなのです。それを全ての物語が終わった後に描けば興醒め。まるで戦争後に普通の生活に馴染めないベトナム帰還兵のよう。
それで恐らくは学ぶべき時に学ばせようと、ハイハーバーでの少々退屈と感じる話を配したのではなかっただろうかと愚推するのです。
そんな巨匠の作品と同じとは口が裂けても言えませんが、それをお手本に主人公の地固めを中盤で丁寧にやりました。
これでようやく走れる体勢が整いました。これからいかなる行動を主人公がとったとしても、ああ彼女ならそうすると、共感してもらえること請け合いです。だって彼女は普通の、等身大の女性ですから。ただしエキセントリックな作者のマインドが若干注入されていますので、その部分で今後も読者さんの予想を裏切る展開をお見せできるのではと考えています。
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