034 第13話 ????年 ???? 始まりました。
本エッセイは拙著「はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~」の最新話のネタバレを多分に含みます。エッセイの題もしくはエッセイ冒頭の表記話数をまずご確認いただき、ご自身の読書進捗度と照らし合わせて読み進めるか止めるかを予めご判断ください。
では、以下から新規部分です。どうぞ。
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はじめさんがはじめからはじめる、第13話 ????年 ????。始まりました。
この話は少し長くて5万5千字あります。5日間、来週の真ん中までお付き合いください。
本来なら侍は苗字でも名前でもなくて役職名で呼ぶべきです。能登守殿とか越前守殿とかですね。それが正しいんでしょうが、これを忠実にやりますと多くの人には伝わりません。分かり易いように苗字か名前で呼ばせてもらいました。これはこの作品通して全編でそのようにしました。侍はちょっと堅苦し過ぎます。
今話は意図して時代劇をオマージュさせていただきました。今や学生諸君は時代劇なんてかけらも見たことがないのだと思います。古典的だけど痛快、ワンパターンだけど様式美な数多くの作品に触れる機会がないのです。それで若者達向けに時代劇らしきものを提示しようと思い、ひとつだけ実験的な時代劇話を作劇しました。
金さん+仕事人をイメージしています。意図してまねたものですから、凡庸な作品がさらに凡庸になったのは否めません。一度ならず削除しようとも思いました。ですが、数多の歴史の啓蒙活動で私は執筆を続けており、この古き善き時代劇の啓蒙もそのひとつと考え、敢えて残すことにしました。
私はこれのバッドエンド版の方がお気に入りなのですが、勧善懲悪の御旗の下に書き直したものを採用しました。二流のバッドエンドよりも、敢えて三流のハッピーエンドの方が時代劇のらしさをより表現できると考えたからです。
金さんの本家同様に桜吹雪を出してみたかったです。簡単にカタルシスを演出できますもの。それだと丸パクリなのでそれだけは避けました。でも本当に出したかったです。あんなに分かりやすい人物証明の表現は他にありません。完全に演出面で本家に負けてしまいました。
最初は娘さんも父親同様泥棒の予定だったんです。女ネズミ。親が泥棒と知り家を出たものの、相模屋の悪事に嵌り借金をこさえ、初仕事を犯したところで相模屋を全焼させ、それを知った小僧が身代わりになって自首する、そんな流れでした。
ところが、その場合に主人公や周囲の人間が肩入れするのが不自然に感じられました。確かに裏ではずいぶんと相模屋は悪事を働いています。しかしそれはその時点の主人公や周囲の人間の預かり知らぬところ。一方で娘の悪事は早々に明るみに出るので、娘をつけ狙う相模屋を止めるには説得力に欠けました。それどころか、娘を役人に引き渡す方が正しい行動です。
そこで娘には、劇中のようにまっさらな存在に生まれ変わってもらったのです。
本当は遠〇の金さんよりも必○仕事人をやりたかったんです。でも仕事人と本作って相性最悪ですよね……。その水と油で作劇できれば面白いものが作れそうですが、無い知恵をしぼっても良いアイデアは生まれませんでした。それで金さんの方を採用しました。
例えば仕事人を選択したとしても、そこでの葛藤を描けばどうにか形にはなりそうですが、それではこの話も冒頭の苦労話のひとつとして数えられるだけになります。主人公が全く活躍しないアレです。
そこまで考えて金さんで書き始めてみたのですが、内容は丸っきり金さんそのものになってしまって。それで遠慮して桜吹雪を出さないものですから肩透かしもいいところで。これだけ長編で描いてきて、桜吹雪なし⁉︎ 大変困りました。
そもそも最初は桜吹雪を出すつもりだったのです。それを途中で方針変更して引っ込めました。知っている人にはとても退屈な話になりますから。この時点でもうすでに5万字書いていました。5万字……。
それでもどうにかして悪党の懲罰には至らせます。しかし権限の制約から、より高位の黒幕を召し捕るまでには至りません。そしてスッキリせずに終わるのです。ビターエンドですね。
これ読んで本当に面白い? やっぱり真の黒幕もきっちり裁かなくては。そう思い、金さんをただの遊び人から町奉行に。それでは原典と全く同じです。さらにずいぶんと偉い人に設定し直しました。
そこまでやってもこれは桜吹雪が出ないだけの劣化金さん。本家を超えるのは敵いませんでした。脱帽です。さすがです。
以上が第13話投稿2週間前の時点までの状況です。この内容ですとおよそ第13話をネタバレしていますよね。でもそうはなりません。
なぜなら、実は第13話はここからが本番でした。ここから大幅改稿を経て完成に至ります。この続きはこの話が終わる時に改めます。
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