010 躍進と迷走の9月

 2020年9月にこれを書いています。


 今は私自身が編集者へと姿を変えまして、切っては貼りつけての大改修工事中です。面白くない部分はバッサリ削除して捨てますので、春ごろの自分が見たらさぞや驚いてひっくり返るでしょう。ケンカになりそうです。こうやって客観性が得られたのは、時間を経て寝かせ効果が出ているのだと思います。


 推敲とは楽しいものですね。自分が書いた文章も、半年も経てば知らない文章に。まず書いた記憶がありません。なんだこれはと唖然とする文章から、なにこれ惚れてまうやろな文章まで。それでここが変、ここが説明不足と、他人事のようにどんどん赤を入れて行きます。

 ところが特大の問題を掘り当ててしまうと、即座に作者へと強制的に引き戻されます。赤を入れるどころか新しく生み出さなければならないのです。

 ……2巡目になったら編集者役に集中できますよね、きっと。




 なんて思っていた矢先、今月の真ん中です。またしてもやってしまいました。今度は3話も増やしてしまいました。この愚かな作者はまたしても……。

 思いついてしまったのです。もう何かを思いついても話数は増やすまいと心に決めていたのにです。それなのに。

 でもこれは……。


「この地味な話は、この作品以外でスポットライトが当たることなんて永久にないんだろうなぁ……」


 それは今の私にとって呪いの言葉です。これを口にしてはもう止めるなんて選択肢はありませんでした。まるで明日は遠足なのに、ワクワクが止められなくて寝付けなくなるくらいの呪い。私はもう、投稿をしたくてしたくてたまらないのです。それなのに。

 でも決めてしまいました。承知で増やします。


 文量を増やしてしまいましたが、この作品を2020年中にお届けしたい気持ちに変わりはありません。そのためには、自分で一度は引いたゴールラインである10月末を諦めていません。それは2020年中にこの作品を発表できるデッドラインでもあります。

 本当に大みそか最終更新が現実になって来ました。先月はムネアツなんて表現を使いましたが、今はそれが恐ろしくてなりません……。




 話題はガラリと音を立てて変わります。

 生きていたら辛い事しかないじゃないって意見があります。私も全くその通りとうなずきます。そんなに安楽な時なんてそう多くなくて、いつも眠いのを我慢してとか、板挟みとかストレスとか。そんなものを抱えながら、どうにか生きている人の方が大多数なのであろうと。


 それゆえに、辛い辛いだけを連呼していてはあなたも私も年間自殺者の人数に仲間入りしてしまいます。

 確かに毎日は辛いのです。でも、辛い事ばかりだけしかないのかと言うとそうでもないのはご存知の通り。時には救いもあります。ほんの少しかもしれません。そのいくらかの救いで人は生きて行けると真剣に考えています。


 ですが、今がドン底でもう何も見えなくなってしまった人に、時々良い事があるよではあまり救いになりません。ドン底で喘ぐ人には丸ごと救ってあげるくらいでなければなりません。


 この物語は、そんなドン底に居る人のために作ったつもりです。救いは確かにあるのだと、その救いの部分を凝縮したのがこの物語のつもりなのです。

 人は、生きていればもうそれはそれは辛いのです。その辛さをたかがフィクションの物語が、たった一晩くらい楽にさせる夜があったっていいと、私は大真面目にそう言うのです。そんな想いでこの物語を生み出しました。


 人生が順風満帆の人には、たぶんこの作品はあまり響かないと思います。逆にドン底に居る人にこそ是非手に取っていただきたい。疲れ切った人がこの物語を読んで、クスリと笑ったり泣き腫らしたりして、それでいくらかでも気持ちが晴れたのなら本望。でき得ることなら、そこからもう一回踏ん張って、前に進んでもらえたら。そんな風に思います。




 300日が目前に。そして割とあっさり60万文字到達です。

 いよいよ! ゴールが近づいて参りました。投稿開始はそう遠くはありません。それゆえに焦りがあります。あとひと月で本当に全話の直しが終わるんでしょうか。恐ろしや……。




 2020年9月終了時点のデータを示します。

 総話数         25話→28話

 完成話数        25話→28話

 見直し完了話数      0話→ 7話

 増加文字数       83,019文字

 延べ文字数      626,493文字

 延べ日数           288日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る