009 たどり着いた8月

 この8月でついに全26話を書き上げました! 総文字数およそ50万字、期間はおよそ8か月半でした。

 すぐにもアップしたいと思いますがその気持ちを堪え、9月と10月を使って見直しを行います。足りないところは足し、要らない部分は削ります。




 書き始めてからおよそひと月後の1月。これまでにもう止めようと思ったのはその時だけです。あそこで踏み留まれたから今を迎えることができました。

 滑り落ちるのは簡単です。なにせ無気力になるだけで良いのですから。他にしたいことが山ほどある現代において、机に向かって書き続けるのはある意味でそれらを辛抱する必要があります。


 極論すると、毎日書き続けるという行為は、必ず何かを犠牲にしているのです。睡眠時間なのか、本来は勉強に充てるべき時間なのか、あるいは家族と過ごす時間か、他の趣味に割いていた時間か。その犠牲に差し出した時間を許容できるか、あるいはそれを犠牲とすら思わないか、むしろそれこそを楽しんでしまえるか、ではないでしょうか。


 私は最初の書き出しが「楽しい」、すぐに「我慢」へ移行し、その後「無痛」になり、最後また「我慢」の状態で書き上げました。今の手直しの作業は「楽しい」ですね。

 そうやって他の方も同様にモチベーションの変化が起こるのなら、我慢の限界を越えた時に恐らく筆を折るのでしょう。そうまでして続けるものではない、他にやりたいことはあると。実に悲しいことです。

 しかしそれを乗り越え、そうして完成した熱量の結晶が何十万作品となってウェブにアップされているとは! そう考えるだけでも胸が熱くなります。


 一方で5月などは、向かうところ敵なしの状態でした。なぜなら、描きにくいところは後回しにして、書けるところを書いていたからです。書きやすい部分ですから、それはそれは、どんどん筆が進みます。負債を未来の自分に押しつけて。

 しかしながら。書き上げが早かった部分は、勢いだけの会話ばかりになっていたり、描写が著しく不足していたりと完成度は低めです。現在はその辺りを、推敲に推敲を重ねて少しでも良いものにしています。




 残された2話は先月と今月で注力しました。本当に手強かったです。

 さすがは最後に残った言わばラスボス。分量もさることながら、成長した後の主人公を苦労させるのにも四苦八苦しました。そしてその苦労を主人公に見事乗り越えさせるのも。

 ここに来て珍しく、少し楽しくない作業だったように思います。それゆえにしっかりと描けたか不安なので、ここは後日改めてしっかりと見直しを。




 一度は完成を見た本作ですが、現在ひとり描写増し増し祭を開催しています。

 書いている時はそれで済んだのです。脳内で足りない背景や状況を補完していましたから。しかし読む人に伝わらなくては意味がありません。

 私自身読んでみて思いました。


「あ、この発言が誰のか分からない。……あ、ここで急に場面が変わってるのに説明が一切ない。……あ、会話しかない。……あ、地の文しかない。……あ、この人物、瞬間移動した。……あ、立ち上がったのに座ってる」


 実に怖いものです。作者脳内補完というものは。

 毎日書き上げてアップするスタイルでしたら完全にアウトでした。手直ししたのでもう一度読んでくださいとは言いにくいです。せっかく貴重な時間を割いて見てもらうのですから、少しでもマシなものを最初からお届けしたい。




 ですので、冒頭で宣言しましたようにこれから手直しを始めます。最初から最期まで通しで読んで行って、それら拙い部分の直しを入れて行きます。矛盾点がないか、発言中の一人称や二人称に変化が無いかなどのチェックも同時にします。最低限見られて恥ずかしくないものを目指して。

 読むだけで数日、ゆっくり吟味しながら訂正も入るでしょうから、かなり時間はかかるものと予想されます。それでふた月を見積もっているのですが、果たして。


 これを最終話までやり終えましたら、晴れて毎日投稿が開始されます! 現状で50万字ですから、1回の投稿が3千字とすると170日くらいかかる計算です。

 ところが私の個人的な都合として、2020年中には何としても物語をアップし終わりたい思惑があります。旬な今のうちに。来年では熱が冷めてしまうので。

 1日2回投稿すればなんとか80日に抑えられますが、それでも11月と12月だけでは61日で足りません。


 そこで考えました。きっと完成時には60万字くらい。それで期間は61日。

 1日1万字アップしたら良いのです! そんなに上手く行くでしょうか……?

 大みそかに最終話投稿なんて、今から考えてもムネアツです。




 このご時世ですから、いつ自身の命が尽きるか知れません。そうであれば、せめて今この頭の中にある文章くらいは世に吐き出した後でないと。そう考えてこれまで一気呵成に書き続けて来ました。精いっぱい物語を紡いで行きます。主人公を読了へと導くまで。

 しかしもう少しだけお時間をいただきます。未完にするつもりは毛頭ありません。その証拠に文字数だけは当初の勢いそのままに堅実に推移しています。




 冒頭で全26話書き上げたと言いましたが、早速ひとつ話を削りました。それで全26話から全25話に。その理由は、似通ったふたつの話を推敲の際にひとつに圧縮したからです。類似点が非常に多かったので、以前からずっと気になっていました。

 これによってかなりの分量を泣く泣く削除しましたが、今はすっきりして良かったと捉えています。今後もこんな処理がどんどん増えてくるので、心を強く持たねばと気を引き締めているところです。


 ついに今月で50万字到達です! まさにチリも積もればですね、毎日の千字二千字もここまで集まれば侮れません。体感で9合目でしょうか、ずいぶんと高いところまで登って来ています。




 2020年8月終了時点のデータを示します。

 総話数          26→25話

 完成話数         24→25話

 増加文字数       48,496文字

 延べ文字数      543,474文字

 延べ日数           258日

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