第5話 マフラー

仕事が終わり、雪の降る街を歩く


今日はボーナスで買ったお気に入りの長いマフラーを首に巻いている


「ふーっ、今日も寒いわね」


私は冷たくなった手に息を吹きかけて温める


「駅まで送って行こうか?」


私が電車通勤だと知っている同僚が、駅まで車で送って行こうかと提案してくれた


「ありがとう、助かるわ」


私は、こんな寒い中を歩きたくなかったので、同僚からの申し出を快く受けた


何かお返しを考えないといけないわね


私は助手席のドアをあけ、乗り込む


ドアを閉め、シートベルトをするときにマフラーがドアの隙間に挟まっていることに気が付いた


「あっ、ちょっとま・・・」


その瞬間、車が発進し、マフラーがタイヤに絡まって私の首がゴキリと音を立てた

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