狭間にて


 あなたになにができるの?


瞳孔の開いた虚ろな目は、ぼくを映しているのだろうか


 災厄であれば、凡そ全て


 疫病を蔓延させようか?

 オチガミを溢れさせようか。

 玄霊は―完全には操り切れないけれど、あれは揺さ振るだけでも十分だろう。




言葉を尽くしても力を尽くしても

彼女の心に届かない


きみを癒す事は出来ない

そんな権能はもっていない


きみに従い、寄り添う事は―

きみが望んでくれるなら、出来る


望みを叶えよう


ぼくを生み出した人間に

きみを罪人と定めたこの世界に


絶望を

滅亡を


 ほんとうに、あなたにできるの?


 あぁ―任せてよ。

 こう見えてぼく、


 かみさま なんだ。



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