202010 ジャパロボ 1

渋谷かな

第1話 ジャパロボ1

「ジリリリリリリリリー!」

 目覚まし時計が大きな音を出し朝の訪れを告げる。

「ウワアアアアー!? 遅刻だ!?」

 一人の少女が目を覚まし、ベッドから飛び降りる。

「でやでやでやであやでやであやでやでやでやでやだえやー!」

 そしてかくし芸の様に一瞬で学校に行く準備を整える。

「これで良し! アハッ!」

 少女は制服に着替え終え食卓に向かう。

「お母さん!? なんで起こしてくれなかったの!?」

「さとみは今日から高校生なんだから一人で起きれるでしょ?」

 少女の名前は広瀬さとみ。

「無理! だってお母さんの子供だもの!」

 母親の名前は祐奈。

「私、知っているんだからね! お母さんのあだ名が眠り姫だってことくらい!」

「zzz。」

「こらー! 寝るな!」

 母親の祐奈は瞬時に眠れる魔術師である。

「ふわ~っ! おはよう。おお! 我が愛する娘! さとみちゃん!」

「寝て会話を忘れたのか!?」

 ステキな親子である。

「令和ちゃんは、ちゃんと一人で起きてるわよ!」

「おはようございます。浩太朗さん。」

「誰が里見浩太朗よ!?」

 掴みはOK!

「令和ちゃんはロボットでしょ!?」

「違います! 私はジャパロボ専用AI搭載人型ロボットです!」

「言い切った!?」

 ロボットも人型になる時代であった。

「説明します! さとみちゃんのお母さんの祐奈さんは、全国ジャパロボ大会で高校3連覇を達成し、念願の公務員として自衛隊のジャパロボのパイロットとして入隊した伝説の自衛官です。結婚して森田から広瀬になった節や、勝手に名字を変えた節、現代科学で一人で妊娠、出産したシングルマザー節などがあります。」

「私、寝ていたから良く覚えていないのよね。」

 ナルトやメジャーの様に世襲させてしまった。ウケるといいな。キャラクター創作が楽なんだもの。ということはナルトもメジャーもドラゴンボールも子供世代分は手抜きだね。

「ちなみに真実を知っている私のご先祖の関西弁のジャパロボAI搭載丸型ロボットの明治天皇は逝きました。」

「私が目が覚めたら、明治天皇が破壊されていたのよね。オッホッホッホ。」

「恐るべし!? お母さんの寝相!?」

 お母さんになっても祐奈は祐奈であった。

「さあ! 早く学校に行かないと遅刻するわよ!」

「ヤバイ!? 遅刻だ!? 行くわよ! 令和ちゃん!」

「私はいつでも大丈夫ですよ。浩太朗さん。」

「だから里見浩太朗じゃないって!?」

「行ってきます!」

 こうして祐奈の娘、さとみのジャパロボ・ライフが始まる。

 つづく。

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