第33話 雑賀の覚悟

 満員電車に揺られていると、雑賀は足の付け根あたりに振動を感じた。

 スラックスのポケットに入れている携帯のバイブレーションだった。

 

 携帯を取り出してみると、エリからのメールだった。

『昨日きていた速水くんですが、入部はしないことにしたそうです。詳細は部活のときにでも話しましょう。』

 雑賀は本文を二度読み返して、喜びを感じている自分に腹が立った。

 

 雑賀はエリに返信メールを打つ。

『今日の放課後、時間ある? 少し話したい』

 送信。

 

 返信はすぐにきた。

『わかりました。放課後、天文部の部室でどうですか?』

 雑賀もすぐに返信メールを打つ。

『そうしよう。また、放課後にね』

 送信。


 雑賀は、エリと二人だけで話したいと思ったので、更科と沢口と小林には、あらかじめ連絡をしておいた。

『今日の放課後、エリちゃんと二人だけで話したいことがあるので、部室は空けておいてください。お願いします』

 送信。

 返信は誰からもこなかった。

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